オーストラリア留学中、タクシーや電車に乗るとき、友達との待ち合わせをするとき、レストランやバーで会計をするときなど、知らず知らずのうちに失礼なふるまいをしてしまっていたら……と不安になることってありますよね。
そこで、オーストラリア留学する前に知っておきたい5つのマナーをご紹介します。
マナー1.オーストラリアはイギリス式 留学するからにはその国の歴史や文化を知ろう。
マナー2.レディーファーストは当たり前のマナー
マナー3.G’day mate!(グッダイマイッ!)って言わない!?多様性を尊重するのがオーストラリア式
マナー4.お水は大切に。
マナー5.お持ち帰りOK!
マナー1.オーストラリアはイギリス式 留学するからにはその国の歴史や文化を知ろう。
オーストラリアはイギリスの植民地時代が長く、英語も文化も習慣も、イギリス式がベースになっています。
したがって、建物の1階は“first floor”(ファーストフロア)ではなく、“Grand floor”(グランドフロア)。学校などでの最初の休憩時間はモーニングティータイム。伝統料理は、フィッシュアンドチップスやミートパイ。“can not”を短縮したときの発音は“can’t(カント)”です。
「違う」ことに対してネガティブな印象を抱きがちな日本人は、今まで日本の学校で学んできた「アメリカ式」と異なるオーストラリアの文化や習慣、英語に対して、「変な習慣」「汚い英語」などと、違和感や若干の嫌悪感を持ちがちです。しかし、一時期世界の大半をその手中に収めたイギリスの文化や習慣、英語をベースとしている国や人種は未だに多く存在します。「アメリカ」=「世界の常識」と思わずに、頭を柔らかく、異なる文化や習慣、英語に対してもオープンマインドで臨むこと、そしてそのためにも、イギリス文化の根強いオーストラリアについて、その歴史的背景や文化、習慣に関する基礎知識を身に付けてから留学することは一つのマナーと言えるでしょう。
マナー2.レディーファーストは当たり前のマナー
オーストラリアはイギリスをはじめ、住民の80%がヨーロッパ諸国出身者を多く含む白人社会です。そのため、ヨーロッパ諸国のマナーとして根強い、「レディーファースト」の習慣はオーストラリアにも存在します。
エレベーターをはじめとする乗り物に乗るときなどがよい例ですが、オーストラリア人の女性は、先に乗ることに慣れていますし、オーストラリアの男性は女性に先を譲ることに慣れています。
女性が一歩後ろをいくことが美徳とされる日本人とは逆の発想のため、日本人がオーストラリアで生活していると、乗り物に乗り込む際、男性が女性に、女性が男性にぶつかりそうになってしまっているシーンを見かけます。
男性は、女性に対し、“After you.”(お先にどうぞ)。女性は先を譲ってくれた男性に対して“Thanks.”(ありがとう)とお礼を言いつつ先に乗り込む。そんなマナーを守れるとスマートです。
マナー3.G’day mate!(グッダイマイッ!)って言わない!?多様性を尊重するのがオーストラリア式
「オーストラリアの英語は訛っている」だれが言い始めたのか、日本にはそんな噂が存在します。
具体的には、“a”(エイ)の発音が(アイ)となっていて、“Today”は(トゥダイ)、“Good day”は(グッダイ)、“mate”は(マイト)と発音するという印象を持っている方が多いようです。しかし、動画をご覧いただいてもわかるように、どうやら日本人が抱いているオーストラリア英語はどうやらとても古く偏見があるようです。
それもそのはず。オーストラリアは、200以上の人種や民族が共存すると言われるほどインターナショナルな国です。当然、各々が各々の英語にアクセントを持っています。そして、「言葉」とは言葉を使う人々によって変化と成長を続けるものです。オーストラリアで暮らす人々は、さまざまな国の人々が持つさまざまな訛りのある英語に慣れていて、へたくそな英語でも嫌な顔せず聞く姿勢を持ってくれる人がたくさんいます。
私たち日本人が話す日本語訛りの聞き取りにくい英語に対しても同様です。だからこそ、オーストラリア留学は英語力初級の方や、初めての留学の方にとても人気があります。
自分が今まで学んできた英語と異なる発音、異なるイントネーションで話す人の英語を聞き取ることができなかったとき、「オーストラリアの英語が汚いから」と片付けるのではなく、「自分のリスニング力はまだまだだな」と考え、行動すること。これはオーストラリア留学の一つのマナーと言えるでしょう。
マナー4.お水は大切に。
オーストラリア留学でホームステイをする際のハウスルールに「シャワー時間は5分以内」と記載があることがあります。それに対して、水を無尽蔵に使えると錯覚している私たち日本人のなかには、「このホストファミリーは意地悪なのではないか…」と考える人がいます。
確かに、物価、特に家賃の高いオーストラリアでは、ボランティアではなくビジネスとして学生を受け入れているホストファミリーもいます。しかし、そうだったとしても、シャワーの時間制限は意地悪などではないのです。
オーストラリアの各都市は日本と比較し日照時間が長く、降水量も少な目。且つ、大陸の約18%を砂漠が占めるなど、慢性的な水不足に悩む国の一つです。そのため、国全体で「水を大切にする」という意識を高く持っています。例えば、洗車する際にホースの使用は禁止、庭の芝に水巻をしていいのは夕方以降(日付も制限)、シャワーは1人4~5分が常識など、その節水は徹底されています。
このように「水を大切に使う」というのはオーストラリアでは常識であり、マナーなのです。
ホームステイ以外でもシェアハウスや学生寮などで他人と同居する機会の多いオーストラリア留学中、自分だけお水を使っていたら、それはとてもマナーのなっていない非常識な行動になるので、十分注意しましょう。
マナー5.お持ち帰りOK!
オーストラリアは多文化多国籍な国です。オーストラリアで生活する人々は、さまざまなバックグラウンドを持ち、さまざまな文化、習慣、価値観を持って生活しています。食事に対する考え方や価値観もそれぞれです。
したがって、レストランやカフェなどでの食事を「残す」という行為も、その残した料理を「持ち帰る」という行為も決してマナー違反ではありません。
「とてもおいしかったのだけど、もうお腹がいっぱいだから残りを持ち帰らせてほしい」と店員さんにお願いすると、笑顔で快く“Sure!”(もちろん!)と持ち帰り用の容器に詰めて持ち帰らせてくれます。日本だと、頼んだ料理を残すなんて失礼、その上、残したご飯を持ち帰るなんて、なんだかはしたない……と思う方も少なくないと思います。しかし、「郷に入れば郷に従え!」。自分の身体も食べ物も大切にできるよい週間であり、マナーだと思います。
さいごに。
いかがでしたでしょうか。
留学の大きな目的には「英語力向上」がよく挙げられます。しかし、その国での生活や人々との出会いを通じて、文化や習慣、日本との常識、マナーの違いなどを体感し、自らの価値観や考え方、視野を広げることも留学の大きな醍醐味だと思いませんか。ぜひ、ご紹介させていただいたマナーを参考に、より充実したオーストラリア留学にチャレンジしてみてくださいね。