卒業ビザ 各種要件の変更 更新情報 – 更新日: 2024年3月18日
1.卒業後の就労権を延長
2023年2月21日、オーストラリア政府は高等教育を修了した学生に対して、卒業後の就労権を延長することを発表しました。
学士号(Bachelor)、優等学位(Honours)、修士号(Masters)を取得した卒業生のうち、教育省の「適格資格リスト(Eligible Qualifications List)」に掲載されている資格を取得している場合、さらに2年間就労する資格が与えられます。また、博士課程(Doctoral graduates)を卒業された方は、さらに2年間、つまり合計4年間就労が可能です。この政策は2023年7月1日より施行されています。
参照:【最新情報】オーストラリア – 卒業ビザ(サブクラス485)就労権の延長について 2022.2.25
2.英語力基準の変更更
2024年3月23日以降、卒業生ビザ申請時の英語要件が今までのIELTS6.0からIELTS6.5相当に引き上げられました。また、IELTSの各技能(リーディング、ライティング、スピーキング、リスニング)は最低5.5のスコアが必要になります。また、テスト有効期限も3年から1年に短縮されます。卒業ビザ申請者は、ビザ申請日の直前1年以内に英語テストを完了した証拠を提供する必要があります。
参照:【まとめ】オーストラリア学生ビザ申請要件変更点|2024年3月23日以降
オーストラリアの卒業ビザ制度
大学学部卒業(学士)や大学院(修士・博士)をオーストラリアのCRICOS認定教育機関で修了(卒業)した留学生を対象に、卒業ビザ制度(Temporary Graduate Visa サブクラス485)がオーストラリアに導入されています。これはオーストラリアのビジネスビザ制度が厳格化されたことを受けた配慮とも言えるビザ制度で、留学生がオーストラリアの大学卒業後にオーストラリアで仕事につくチャンスを増やすという主旨があります。オーストラリアの大学進学留学をする目的の1つに、オーストラリアでの就職や永住ビザを考えているのならば検討しておきたいビザとなります。日本から留学する前に、オーストラリアの卒業ビザは申請できません。高等教育機関に学生ビザ(サブクラス500)で渡航し、卒業した後に申請することになります。留学前に気をつけておきたいポイントは、対象となる学校なのか、自分が申請できる資格があるのかという点です。
卒業ビザ制度は、二つの申請制度が含まれており、それぞれポストスタディワークストリームとグラデュエートワークストリームと呼ばれています。日本人留学生の大多数が対象となるポストスタディワークストリームについて詳しく解説していきます。
オーストラリア留学で考えたい卒業ビザの申請条件:2024年3月24日時点
申請時に有効なビザを保有していること
ビザ申請時点で50歳未満であること
申請時に必要な最低限の英語力を満たしていること ※後述
申請対象となる教育を受け、過去6ヶ月以内に卒業していること ※後述
その他、健康・キャラクターテスト(無犯罪証明)などの基準を満たしていること
卒業ビザで留学期間を伸ばすなら英語力の証明が必要
GraduateVisa(卒業ビザ)を申請するためには、IELTSなどの英語テストを受け英語力の証明を行わなければいけません。オーストラリアの大学進学時に、多くの留学生は英語テストを提出するのではなく、パスウェイと呼ばれる大学認定語学コースを修了し、大学への英語入学基準を満たしているケースが多く、IELTSスコアを持っていない方がいらっしゃいます。しかし、卒業ビザで留学期間を伸ばすのであれば、英語力の証明が必要となります。また、英語力の証明にあたりスコアの有効期限が1年と設定されているため、1年以上前に受けたテストのスコアはビザ申請の証明として使用できませんので注意しましょう。
・IELTSテスト オーバーオール 6.5(科目別足切り点5.5)(または同等の資格)
オーストラリアで大学入学に必要な英語力の基準がIELTS6.5程度(専攻によって異なる)であることを考えると、留学生にとってスコアの取得は難しくはないレベルです。しかし、ビザ申請時点で英語スコアの証明が必要となるので、テストを受ける時期を留学スケジュールに盛り込んで受け忘れを防ぎましょう。
卒業ビザ申請に必要な就学条件とは?
日本人がオーストラリアの大学を卒業して申請できる、卒業ビザの申請条件で大切な就学条件とは何でしょうか。ポイントは、2年以上の就学が必要なコースであること(2つ以上のコースをつなげてカウントすることは可能)、ディプロマレベル以上(AQF5以上であること)のコースを卒業したこと、卒業から6ヶ月以内であることの3点あります。
ディプロマや学士、修士をとるために必要な期間が2年以上でなければならず、語学勉強期間での学習期間は対象になりません。日本では一般的ではない学卒以上レベルの専門コース(Graduate CertificateやDraduate Diploma)はAQF7以上となるため対象となります。※AQFについて詳しくは、オーストラリアの教育制度AQFに合わせた留学プランを確認ください。ただし、Graduate CertificateやGraduate Diplomaは、それぞれ半年、1年のコースであることが多く、その後にMasterコース(修士)に就学していることが条件と考えるべきでしょう。ポストスタディワークストリームでは、大学の学科・専攻は指定がなく、学ぶ分野に問わず2年間以上のAQF7以上のコースで学ぶことが指定されています。コース就学に学生ビザが必要となるため、就学予定のコースがCRICOSに認定されている必要があります。
2019年4月1日に、GraduateVisa申請に必要な就学期間のカウント方法が大学・大学院の授業がある週数が少なくとも合計46週以上と明確化されました。大学・大学院ともに、学期休みが長期に渡るため卒業までに最低46週の授業があるか事前に確認しておくことが大切になるでしょう。
オーストラリア留学で挑戦する幅を広げたいなら卒業ビザを目指そう
オーストラリアで大学留学し、卒業したことのご褒美とも言える卒業ビザ。卒業ビザの期間は、卒業する学位によって2年から4年(コースによって最長6年)の範囲となります。卒業ビザが取得できれば、留学生でもフルタイムで働くことが可能です。オーストラリアで就職して海外でのキャリアを積みたい方にはオススメのビザ制度となります。また、独立技術移民ビザでのポイントを稼ぐ時期に当てたり、ビジネスビザのスポンサーを探す時期にあてたりと、オーストラリアへ永住する可能性を高められるメリットもあります。大学を卒業してからのビザ制度になるため、長期間の留学プランにはなりますが、海外で最大限頑張ってみたい方は考慮しておくべきビザでしょう。
※2024年3月時点の情報を元に作成しており、移民法上のアドバイスを目的に作成されたものではありません。ビザの情報は必ずオーストラリア移民局のホームページより最新の情報をご確認ください。また、ビザ制度のみのご質問について弊社では承れませんのでご了承下さいませ。