アメリカの学生ビザ申請するにはどうすればいいの?【2016年版】
2016年11月8日にかなりの盛り上がりを見せたアメリカの大統領選。見事周囲の期待を裏切りドナルド・トランプ氏が当選しましたね。2016年7月に国民投票で大方の予想を裏切りEU離脱の結果を出したイギリス同様、アメリカも移民に対して、より閉鎖的になる傾向が予測され、語学留学にも少なからず影響がでるのではないかと心配している筆者です。
そもそも2008年のリーマンショックから始まり、景気後退、失業率の増加など深刻な経済的な問題を抱えるアメリカでは、移民の受け入れはもちろんのこと、長期滞在を目的とする学生ビザの取得、入国共に審査が非常に厳しくなっています。
学生ビザの申請は、観光を目的とした観光ビザと異なり、必要書類も増えてくるので、英語力やビザ申請経験のない方にとってかなり複雑になってきます。
しかし、ファッションやビジネス、エンターテイメントなど各業界で世界の中心を走るアメリカは、留学先として、未だに根強い人気を誇ります。そこで今回はアメリカの学生ビザについてまとめてみました。(アメリカへの留学についてはこちら)
目次
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1:どういう時に学生ビザの申請が必要になるのか?
2:アメリカ学生ビザを申請する前に必要なもの
3:アメリカ学生ビザ申請手順
4: アメリカ大使館でのビザ面接での留意すべき3つのポイント
まとめ
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1:どういう時に学生ビザの申請が必要になるのか?
そもそもビザ(査証)とは何か?
ビザ(査証)とは、入国先の国からその人物が入国しても差し支えないと示す入国許可証です。自国民以外は、その国に入国、滞在するうえで、入国・滞在目的にそった許可証=ビザを取得する必要があります。
アメリカにはさまざまなビザの種類がありますが、アメリカに留学する方の多くが大きく2種類のビザで渡航します。1つ目がESTAと呼ばれる(観光を目的とした観光ビザ)、2つ目がF1と呼ばれる就学を目的とした(学生ビザ)です。
この2つのビザは一体何が違うのでしょうか?
観光ビザは、文字通り観光を目的として入国・滞在するときに取得が必要となるビザです。ただ実はカナダなどに渡航する際、乗り継ぎでアメリカに一時的に入国する際も必要になります。
観光ビザでは最長90日間渡航できます。観光目的ではあるものの、1週間に最長18.5時間未満までであれば勉強もできます。ただし、週のカリキュラムが18.5時間を超える場合は、たとえ1~2週間の就学であったとしても学生ビザを申請しなければいけません。
語学留学についてはこちらから
2:アメリカ学生ビザを申請する前に必要なもの
さて、アメリカの学生ビザの概要がつかめたところで、具体的に申請に伴い必要なものについてふれていきましょう。
【アメリカ学生ビザ申請をするために必要なもの】
① パスポート(渡航期間+6ヶ月間以上の有効期限)
② 過去10年間に発行されている古いパスポート
③ ビザ申請諸費用支払いのためクレジットカード(VISA、Master)
④ 証明写真1枚
⑤ オンライン申請書DS-160フォーム
⑥ 大使館への提出書類として英文アメリカドル建て残高証明書(1年間で約300万円)
⑦ I-20 (学校の入学許可証)
⑧ SEVIS(※)支払い証明
⑨ 日本との結びつきを証明できる書類・エッセイ
①~④、の説明は割愛します。
⑤は後述します。
⑥ 英文アメリカドル建て残高証明書(1年間で約300万円)
アメリカでの語学留学の場合、原則的には「働く」ことができないため、渡航している間、生活するうえで十分な資金があることを証明する必要があります。残高証明は、留学するご本人様名義で、「アメリカドル建て」で「英文」である必要があるため、その旨を踏まえ、利用している銀行に作成依頼を出しましょう。留学渡航者が学生さんで、銀行残高が少ない場合などは、一時的にご両親様の口座よりご本人様の口座へ資金を移動させ、残高証明を取得するようにしましょう。
残高の額が少なすぎても、極端に多すぎても、ビザ棄却の原因となることがあります。
適切な費用での証明を提出するようにしましょう。
⑦ I-20 (学校の入学許可証)
I-20とは、米国政府から留学生の受け入れの認可を受けた学校が発行する入学許可証のことです。希望の学校へ必要入学手続きを行い、入学許可書を発行してもらいます。
入学許可書では、申し出出ている渡航期間、きちんと就学する予定か?ということはもちろん、通う学校がしっかりとした学校か?という点を見られます。
しっかりとした学校に通う=本当に就学を目的とした留学(不法就労などが目的ではない)だということを確認したいのです。
アメリカの学校は質も費用もピンキリです。
学費が月40万円以上する有名大学の附属英語学校から、月5万円の俗にいうビザ取り学校(超格安の学校で、学生ビザのステータスを得るためだけにある学校)まで存在します。
当然、ビザ取り学校と呼ばれる安い学校は、不法就労者を生むリスクや、そもそもお金がない人は犯罪に走る傾向が高く、犯罪率を上げるリスクがあるとみられています。
ワールドアベニューでは、実績と信頼ある語学学校の選定やご紹介から、出願手続き、学費の海外送金など、代行で行っておりますのでご安心ください。
⑧ SEVIS支払い証明
SEVISとは、Student and Exchange Visitors Information Systemの略。
2001年9月11日の同時多発テロ事件後に、移民局が留学生などの管理強化のため、国土安全保障省によって作られたシステムです。
SEVISには種類があり、種類によって費用も異なります。今回は一般留学生(F-1)=350ドルとなります。支払いはオンライン上でクレジットカード(VISA、Master、AMEX)で行うことができます。支払った際のレシートのコピーを用意する必要があります。
注意事項
・留学生の住所変更などがあった場合、変更手続きを行う義務があります。更新を行わなかった場合、不法滞在とみられる原因となりかねません。
・学生としてアメリカに行く場合、入学許可書(I-20)のみをもって入国しようとすると、強制送還の対象となります。
⑨ 日本との結びつきを証明できる書類・エッセイ
「留学後、日本へ戻ってくる」「アメリカへそのまま移住しない」ということを証明することは、アメリカの学生ビザ申請において重要なポイントの一つです。
「大使館面接で帰国の意思を示す」のは当然ですが、現在の仕事を休職しての留学であれば、在職証明書、大学を休学しての留学であれば、在学証明書、帰国後に仕事が決まっているようであれば内定証明書、それらが内容であれば日本に家族がいることの証明として戸籍謄本などを踏まえることで、より強く意思を示すことができるかと思います。また、帰国後の計画を示す「エッセイ」の作成も有効でしょう。
3:アメリカ学生ビザ申請手順
必要書類が揃ったら、いよいよ学生ビザの申請を始めていきます。
【学生ビザ申請のプロセス】
1、2:アメリカ学生ビザを申請する前に必要な書類で記載した、必要なものを準備します。
2、オンライン申請書(DS-160)を作成
3、ビザ申請諸費用支払い (申請費用US$185 オンライン上でクレジット決済)
4、アメリカ大使館でのビザ面接を予約
5、大使館で面接を受ける
6、学生ビザ付のパスポートを受け取る
【アメリカ大使館公式ビデオ】で、オンライン申請書(DS-160)と面接時の手順をチェックしてみましょう。
4:アメリカ大使館でのビザ面接での留意すべき3つのポイント
2001年9月11日の同時多発テロ事件以降、テロへの懸念はもちろんですが、国内の失業率や犯罪率の増加を懸念し、ビザ取得や入国に伴う審査は非常に厳しくなってきています。
ワールドアベニューでは、各種必要書類のお手続きをお手伝いすることは可能です。
しかし、大使館面接を代わりに受けることはできません。
よって、大使館面接の際、ご留意いただきたい点を、大きく3つのポイントにわけてお伝えしようと思います。
注意① 絶対に言ってはいけないことがある!
学生ビザ面接では、「なぜ留学に行きたいのか」「留学の経験を活かし、自分が将来どうなっていたいのか」などをしっかりと自分の言葉で伝えられる必要があります。
注意すべきは「ずっとアメリカに住みたい」「いずれはアメリカで働きたい」などは言ってはいけない!ということです。理由は、就職や永住が目的だと思われてしまい、学生ビザを棄却される可能性があるからです。
棄却された場合、棄却理由を記載された書面を受け取ります。そこに再申請してもよいという一文があれば、再申請も可能ですが、もし、一文がなければ、再度の申請もできなくなります。
もちろん、再申請できるとしても、面接を通過できる可能性は1回目より低くなることが予想されます。
また、「2:アメリカ学生ビザを申請する前に必要なもの」でも記載していますが、アメリカでの留学経験を経て、日本に戻ることをきちんと伝える必要があります。
アメリカ渡航理由の不明確さ、帰国後のプランの曖昧さ、アメリカ滞在歴の長さなどが、棄却の原因となってしまうことが多いといいます。
アメリカに留学に行く理由が「アメリカが好きだから」「憧れがあるから」などの不明確な理由でなく、アメリカで英語を勉強することで、あなたにとってどのような利益があるのか、なぜアメリカで英語を勉強したいのかなど、しっかりと考えてみましょう。
注意② 質問の意味が分からない…とりあえず‘YES’!!はNG。
面接は基本英語で行われます。
あまりにも英語が分からない、また自信がない場合は、日本語でも大丈夫です。英語が話せる場合は、自信をもって英語で話してみましょう。ただし、わからないのに無理をして英語で話さなければならないわけではありませんので、質問の意図がわからないにも関わらず、‘YES’‘NO’など答えないように注意しましょう。
また、英語でも日本語でも、留学の目的が不明確、将来の計画が曖昧なまま面接に臨むと本番でボロが出てしまいます。しつこいようですが、なぜ自分がなぜアメリカで英語を勉強したいのか、留学の経験を生かして、将来どうなっていたいのかといったなどをしっかり考え、学生ビザ面接に挑んで下さい。
注意③ 面接を受ける場所によって手続き方法が違う?!
アメリカの大使館・領事館は、東京だけではなく、大阪、福岡、沖縄、札幌にあります。
大使館と各領事館、どこへ手続きを行うのかによって面接までの手続きが微妙に異なります。
主には、東京・大阪・那覇と、札幌・福岡とで異なります。
東京・大阪・那覇の場合、必要書類を面接当日に持参しますが、札幌・福岡の場合、面接日の1週間前までに領事館ビザサービス宛まで郵送する必要があります。注意しましょう。
注意すべき点をきちんと確認し、面接をクリア!アメリカの学生ビザをGETしましょう!
まとめ
アメリカでの学生ビザの概要、申請手続きの全容をご理解いただけましたでしょうか。
学生ビザ取得には、たくさんの必要書類があり、多くのステップがありますね。「自分でもできる!」と謳っている留学エージェントもありますが、概要を見ていると、なんだかとても大変そうだし、且つ、間違えたり、途中でわからないことが出てきたりしたときには途方にくれてしまいそうですよね。
2001年の同時多発テロ事件、2008年のリーマンショックなどを受け、アメリカは移民に対する政策が厳しくなっており、学生ビザ取得も昔より厳しくなってきています。また、今回のアメリカの大統領選でドナルド・トランプ氏が当選しましたが、彼は「メキシコ国境に壁を作る」「イスラム教徒の入国を排除する」など差別主義者として話題になっています。ドナルド・トランプ氏が大統領に選ばれたことで、学生ビザの取得、アメリカに入国する際の入国審査が、より一層厳しくなると筆者は予想しています。
ワールドアベニューでは、長年の留学サポート実績を基に、お客様一人ひとり丁寧にサポートを致しております。学生ビザを含む、アメリカへの留学各種手続きに不安を感じられる方は、お気軽にご相談くださいね。
本記事は、2016年11月現在の情報を基に編集されています。ビザ申請に関する要綱や条件は予告なく変更となる可能性があります。最新情報に関しては、必ずご確認ください。