アメリカの通貨・銀行などお金に関わる情報【2024年度版】
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海外の通貨というとまっさきに思い浮かぶのが「アメリカ・ドル」ではないでしょうか。特に、アメリカの初代大統領であるジョージ・ワシントン氏が表に描かれている1ドル紙幣は、さまざまな場面で目にすることができるため、日本人の私たちもなじみ深いですよね。
アメリカ・ドルは、アメリカ以外のいくつかの国や地域でも公式の通貨として使われているほか、その信頼性から、国際決済通貨や基軸通貨として、世界で最も多く利用されている通貨です。今回は、アメリカに留学される方向けに、アメリカの国内外で使用されるアメリカの通貨、そして銀行などお金に関わる情報をお届けいたします。
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1. アメリカの通貨にまつわる基本情報
正式にはアメリカ合衆国ドル(英語表記:United States Dollar)、通称としてUSドル、米ドル、アメリカ・ドルなど、記号は「$」が使われます。「ドル」と呼ばれる通貨を利用している国は多く、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどもドルが通貨です。ただし、カナダドル、ニュージーランドドルなどではなく、シンプルに「ドル」と言った場合は、アメリカ・ドルを示すことがほとんどです。
アメリカの通貨は他国同様、硬貨と紙幣があります。
硬貨は6種類、紙幣は7種類となります。他国と比較すると種類が少し多めのため、個々の特徴をしっかりとつかんでおくようにしましょう。
アメリカの硬貨にはカナダの硬貨同様、そもそもの〇〇セント、〇〇ドルという呼び方以外に愛称があります。ネイティブと話をしていると各コインは愛称で呼ばれることが多いため、各コインの愛称もしっかりと覚えておきましょう。
ちなみに、アメリカでは口語でドルを表現する際、ドルではなくバック(buck)を使います。
例:5dollars→口語表現だと、5 bucks(バックス)
これは、かつてインディアン(ネイティブ・アメリカン)が貨幣の代わりに鹿の皮 (buck) を資料したことが理由と言われています。
また、ドル紙幣のことをグリーンバックスと呼びます。ただし、グリーンバックスのスペルはgreenbacksで鹿の皮 (buck)ではなく、背中(back)の意味です。2014年以前、アメリカ・ドル紙幣は裏面が緑色だったことからこのような呼び方になったと言われています。
他にも、1,000ドルを”grand”と呼びます。例えば、10,000ドルは”ten grand”と呼ばれます。
いずれも口語表現ですが、ネイティブとの会話の中でこれらの表現に違和感がなくなってきたらアメリカでの生活に慣れてきた!ということかもしれませんね。
さて、硬貨と紙幣、それぞれの特徴を見ていきましょう。
アメリカ・ドル‐硬貨(6種類:1セント、5セント、10セント、25セント、50セント、100セント)
カナダやニュージーランドなどで、5セント未満の硬貨が貨幣価値の低さから廃止されていくなか、アメリカは日本同様1セントを残す国です。また、1ドル紙幣があるにも関わらず、なぜか100セントコイン(=1ドル)が存在するという不思議なところがあります。他国と比較するとコインの数がやや多めのため、各コインの特徴をしっかりつかんでおきましょう。
1セント(日本円でいうところの1円玉)
愛称:ペニー
デザイン:第16代アメリカ合衆国大統領で「最も偉大な大統領」の一人とも言われるエイブラハム・リンカーン氏の肖像が表に描かれている硬貨です。
色:銅
5セント(日本円でいうところの5円玉)
愛称:ニッケル
デザイン:アメリカ合衆国建国の父の一人と称される第3代アメリカ合衆国大統領トーマス・ジェファーソン氏が表面に、トーマス・ジェファーソン邸宅モンティチェロが裏面に描かれています。
色:シルバー
10セント(日本円でいうところの10円玉)
愛称:ダイム
デザイン:アメリカ大統領史上最長在任日数を誇る第32代アメリカ合衆国大統領フランクリン・ルーズベルト氏が表に、アメリカ合衆国のモットー「E pluribus unum (多数からなる一つ)」のデザインが裏面に描かれています。5セントよりもやや小さく、実際の価値を示す「10セント」ではなく「one dime (1ダイム)」とコインの愛称が記載されています。
色:シルバー
25セント(日本円でいうところの25円)
愛称:クオーター
デザイン:表側に合衆国初代大統領のジョージ・ワシントン、裏側にはハクトウワシの絵が描かれています。
色:シルバー
1ドルの4分の1の価値があるという意味でクオーターという愛称を持つ25セントコインは、アメリカで最も主流の硬貨です。特に公衆電話やパーキングメーター、バスの運賃箱、カジノ場のスロットマシンなど、25セント硬貨を複数枚投入するものが多く、アメリカで生活する際は、25セント硬貨の手持ちが少ないと不便を強いられる場合が多いと言われています。
50セント(日本円でいうところの50円玉)
愛称:ハーフ・ダラー
デザイン:第35代アメリカ合衆国大統領で「暗殺事件」でも印象的なジョン・F・ケネディ氏が表面に、アメリカ大統領の紋章が裏面に描かれています。
色:シルバー
ケネディ大統領が描かれた50セント硬貨は心情的な理由や、当時流通していたアメリカの硬貨の中でも、唯一貴金属を用いて造られた硬貨であるとして認識されていたことから、使わずに保管されるようになりました。結果、あまり流通せず、自動販売機でも50セントの受付を行っていないほどです。
100セント(日本円でいうところの100円玉)
愛称:シルバー・ダラー、ゴールデン・ダラー
デザイン:ショーショーニー族インディアンの女性サカガウィア
色:ゴールド
1971年以来、1ドル紙幣に代わる硬貨として誕生したものの、スロットマシンが置かれているカジノなど以外ではあまり流通していないようです。
アメリカ・ドル‐硬貨(7種類:1ドル、2ドル、5ドル、10ドル、20ドル、50ドル、100ドル)
アメリカは日本円でいうところの100円以上がすべて紙幣となっています。よって、日本での生活よりお札を持つ機会が増えます。なんだか少しお金持ちになった気分になるのは私だけでしょうか…(笑)。
7種類の紙幣のうち、2ドルはあまり流通していないようですがその他の紙幣は多数流通しています。
実は、紙幣の新デザインを検討しており、5ドル、10ドル、20ドル紙幣のデザインには奴隷解放に尽力した黒人女性のハリエット・タブマンや、女性参政権獲得運動に尽力したルクレシア・モットら5人の女性の肖像が描かれる予定となっているそうです。今までの肖像の人物が全て白人男性で占められていた状況が解消されることになりそうですね。
1ドル紙幣(日本円でいうところの100円)
デザイン:アメリカ初代大統領ジョージ・ワシントン氏が描かれるとても有名なデザインの紙幣です。
2ドル紙幣(日本円でいうところの200円)
デザイン:5セント同様、第3代アメリカ合衆国大統領トーマス・ジェファーソン氏が描かれています。
5ドル紙幣(日本円でいうところの500円)
デザイン:第16代アメリカ合衆国大統領で「最も偉大な大統領」の一人とも言われるエイブラハム・リンカーン氏が描かれています。
1ドルから5ドルまでで、他にいないのか…と思うのは私だけでしょうか(苦笑)。
10ドル紙幣(日本円でいうところの1,000円)
デザイン:初代アメリカ合衆国財務長官、アレクサンダー・ハミルトン氏。珍しく大統領以外の方の肖像です。
20ドル紙幣(日本円でいうところの2,000円)
デザイン:第7代 アメリカ合衆国大統領アンドリュー・ジャクソン氏が描かれています。アメリカ合衆国の軍人、政治家、黒人奴隷農場主だったジャクソン氏ですが、過去の経歴を見ると軍歴においてはインディアンや黒人奴隷の虐殺などに関する記載が多く、少し残念な感想を持ちます。
50ドル紙幣(日本円でいうところの5,000円)
デザイン:アメリカで最も有名な将軍の一人で、第18代 アメリカ合衆国大統領ユリシーズ・S・グラント氏が描かれています。
100ドル紙幣(日本円でいうところの10,000円)
デザイン:珍しく大統領ではなく政治家、外交官、著述家、物理学者、気象学者で、勤勉性、探究心の強さ、合理主義、社会活動への参加という18世紀における近代的人間像を象徴する人物として、ベンジャミン・フランクリン氏が描かれています。
ちなみに、アメリカ・ドルは、先述したようにアメリカ国外でも通貨として流通しています。
例えば、アメリカの影響力が強く建国当初から独自通貨を持たないパナマや、経済混乱の収束のほか、特に過大な負担となる通貨発行に対するコスト削減を目的に自国通貨を廃止したエクアドルなどが挙げられます。この、自国通貨を放棄して代わりにUSドルを使用することを「ドル化政策」と呼びます。
USドルを公に通貨として利用するアメリカ合衆国(本土)以外の地域
アメリカの支配地域、グアム、北マリアナ諸島、プエルトリコ、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島、パラオ、エクアドル、エルサルバドル、パナマ、東ティモール、ヴァージン諸島、タークス・カイコス諸島、インド洋地域、BES諸島、ジンバブエ、カンボジア など。
このように国外でも使用されるアメリカ・ドルは、偽札(偽造)問題と常に向き合ってきたと言います。
そのため、米国政府は偽造を減らすため、米国通貨の安全性強化を継続しています。皆さんもアメリカ・ドルを使用する際は、その紙幣が偽札ではないかどうか、きちんと確認できるよう、本物と偽物とを見分けるポイントを覚えておきましょう。
▼How to Authenticate U.S. Currency
2. アメリカでお勧めの銀行は?
アメリカの主要な銀行には、「シティバンク」「バンク・オブ・アメリカ」「JPモルガン・チェース」「ウェルズ・ファーゴ」「ユニオン・バンク」「バンク・オブ・ニューヨーク」などがあります。
銀行を選ぶ際、下記のような項目をチェックしましょう。
★ 支店が生活予定の場所の近くにあり、他の地域でも提携支店、ATMなどが多いこと
★ 口座維持費や利用手数料が掛からないこと(又は、一定の条件で無料になる)
★ 日本語を話せるスタッフがいること
以上の項目を踏まえ、おすすめなのは…
1.Citi bank(シティバンク)
2.Bank of America(アメリカ銀行)
3.Union bank(ユニオン銀行)
1.Citi bank(シティバンク)
HP:https://online.citi.com/US/login.do
口座維持費用は12ドル程度かかりますが、1,500ドル以上の預金があること、または入金・出勤処理が月1回以上行われていることなどを条件に免除されるため留学生でも利用しやすい銀行です。
2.Bank of America(アメリカ銀行)
HP:https://www.bankofamerica.com/
初回最低入金費用が25ドル、口座維持費用が12ドルです。
1,500ドル以上の預金がある、月25ドル以上の入金を1回以上行っていること、または23歳未満であること、いずれかの条件で口座維持費用は免除されます。
3.Union bank(ユニオン銀行)
HP:https://unionbank.com/personal-banking/japanese/jpn/index.jsp
初回最低入金費用100ドル、口座維持費用10ドルです。
500ドル以上の入金を月1度以上行っている、または、1,500ドル以上の預金があることを条件に口座維持費用は免除されます。またUnion bankは日本語での支援が受けやすいため、英語力が初級の方でも比較的安心してご利用いただけると思います。
アメリカには就労が許されたワーキングホリデー制度がなく、英語学習を目的とした留学の場合、現地でのアルバイトはできません。したがって、銀行口座を開設する目的は、他国と異なり、現地で得た給与を振り込む先として口座を準備するのではなく、日本からアメリカの口座に海外送金し、生活費を引き出しながら使うためとなります。
アメリカで生活するうえでどのようにお金を管理するのか。
アメリカ生活するうえで日々の生活費を管理する方法は大きく2つあります。
1. 日本で作ったカード(クレジットまたはデビット)を利用する
2. アメリカで銀行口座を開設し、キャッシュ&デビットカードを利用する
1. 日本で作ったカード(クレジットまたはデビット)を利用する
日本で海外でも利用できるクレジットカードまたはデビットカード(国際キャッシュカード)を作り、アメリカでもこのカードで決済またはキャッシングで引き出した現金で生活する、という方法です。
この方法の場合、カード決済したお金が引き落とされたりキャッシングしたお金が引き落とされたりする口座は日本の口座となります。
ご自身名義の口座の場合、オンライン上できちんと残高確認できるようにしておきましょう。
ご両親様の口座やご両親様にご自身の口座への振込みをお願いする場合、ご両親様がきちんと残高を確認できる状態にしておきましょう。
この方法のデメリットは、海外で現金引き出しを行う際に、必ず手数料がかかるという点です。
これを解決するのが、次の方法です。
2. アメリカで銀行口座を開設し、キャッシュ&デビットカードを利用する
アメリカで銀行口座を開設し、開設した口座に日本からまとまったお金を海外送金します。
自分で送金することはできないため、ご両親様に送金手続きをお願いしましょう。
アメリカの銀行口座は、口座維持手数料がかかるところが多いですが、利用料(ATMなどでの引き出し手数料など)はかからないことが多いため、1のデメリットを解消できます。
また、アメリカの銀行で口座を開設した際にもらえるキャッシュカードにはデビット機能が付帯していることがほとんどです。したがって、現金を引き出して利用する以外に、買い物の際や食事の際、デビットカードで決済することもできます。
治安の悪いアメリカで、大きな現金を持ち歩くのは、あまりお勧めできませんが、これならカードであれば現金よりは安心して持ち運びができます。
銀行口座開設や利用の際に覚えておくと便利な英語
当座預金口座:Checking Account
普通預金口座:Saving Account
定期預金口座:Fixed Deposit
最低入金額:minimum deposit
ATM:ATM machine
口座開設:open an account
口座解約close an account
〜の支払いをする:make a payment
(お金を)引き出す:withdraw
換金する:exchange some money
為替レート:exchange rate
〜にお金を送金する:to transfer money to
明細:statement
銀行コード:routing number
3. ATMの使い方|クレジットカードのキャッシング方法
では、アメリカでATMを使う場合、どうやってクレジットカードによるキャッシングしたらよいのかお話ししていきましょう。
通常の海外旅行ではレストランでの飲食時、ショッピングの際などにクレジットカードやデビットカードを利用することはありますが、ATMを利用し、キャッシングを行うことはほとんどないと思います。しかし、留学ともなるとそうはいきません。カード社会のアメリカではほとんどの生活をカード支払いで乗り切ることができます。ただ、自動販売機の利用なども含め、現金が必要な瞬間は多々あります。よって、ATMからのキャッシングを行う機会も出てきます。
ちなみに、現金を両替するよりもクレジットカードによるキャッシングは手数料が安いので、キャッシングは旅行者にもおすすめの方法です。
アメリカのATMは日本語に対応しているものが少なく、また日本のATMとは勝手が違うことも多いので、事前に使い方をしっかりと予習していきましょう。
まずはATMで利用する英単語を覚えましょう。
ACCOUNT:口座
PIN:暗証番号
WITHDRAWAL:引き出し
TRANSFER:振り込み
BALANCE:残高
TRANSACTION:取り引き
CHECKING:当座預金
SAVING:定期預金
DISPENSE:支払い
AMOUNT:合計
利用してはいけないATM
アメリカ、特にニューヨークの街には、あらゆるところにATMが存在します。
どこでもお金をおろすことができるため非常に便利に感じる方もいらっしゃると思います。しかし、スキミングなどの被害も多いアメリカでは、デリの中や路上にあるATMを利用するのは避けた方がよいでしょう。
特に人気のない場所にあるものは、利用者を狙った盗難などの可能性もあります。注意しましょう。
お勧めは、銀行、もしくは大手薬局内にあるATMです。
アメリカのATMの使い方
実は、日本のATMのように、カードが吸い込まれるタイプはあまりありません。
アメリカのATMの多くが、DIP式と言ってカードを差し込んで抜くタイプと、SWIPE式と呼ばれるカードの黒い部分をスライドさせてカード情報を読み込ませる方式がメジャーです。
ICチップが組み込まれているタイプのカードをお持ちの場合、スライド式よりもDIP式の方がセキュリティ上、安心度が高いため、ICチップ組み込み型のカードをお持ちの方はDIP式の利用をお勧めします。
無事にカードを読み込んだら、操作画面にいきましょう。
操作画面に表示される言葉は当然英語です。
ただ、画面上に表示される案内内容は日本とほとんど変わらないので、ATM利用時に出てくるであろう単語をしっかりと抑え、スムーズに操作できるようにしましょう。
STEP1:ENTER PIN→4ケタの暗証番号(PIN)を入力しましょう。
STEP2:手続き内容を選ぶ
WITHDRAWAL→引き出し
TRANSFER→振り込み
BALANCE→残高確認
現金を引き出す場合…
STEP3:引き出す口座を選ぶ
CHECKING→当座
SAVING→定期
CREDIT/CASH IN ADVANCE/CHECKING→クレジットカードでのキャッシング
STEP4:金額の選択
20ドル
40ドル
60ドル
80ドル
100ドル
・・・
アメリカの銀行は紙幣の関係上、基本的に$20もしくは$50単位での引き出しになります。
最後に他の手続きの希望を確認する案内が出てきますので、特に必要なければ「NO」を選択して終了しましょう。
最後に明細を受け取って手続きは完了です。
4. さいごに。
アメリカだけではありませんが、通貨のことを調べているとその国の歴史やその国を築いてきた人々のことを知るよいきっかけになります。また実際の使い方を知ることで、渡航後のトラブルを未然に防ぐこともできるでしょう。
いいことづくめなので、ぜひ皆さんも、アメリカの通貨や使い方についてご自身でも調べてみてくださいね。