語学だけじゃない海外留学に行く魅力と必要性とは?
文部科学省は教育振興基本計画の「未来への飛躍を実現する人材の養成」として、外国語教育・国際交流・グローバル人材育成に向けた取り組みを強化しています。日々、留学カウンセリングをしていると、語学留学しようと思ったきっかけの一つに、「友達が留学していて…」や「両親が海外に滞在していた経験があるので…」など伺います。グローバルが叫ばれる昨今、海外留学がだいぶ身近な存在になってきているように感じます。
ただ、留学にはお金も時間も要するため、日本ではダメなのだろうか?と考える方もいらっしゃいます。
そこで、今回は、語学留学だけではない海外留学に行く魅力と必要性についてお話したいと思います。
目次:
1:海外留学するメリットとは?
2:海外留学で得られるものとは?
3:留学経験者の今後の可能性とは?
まとめ
1:海外留学するメリットとは?
学校に通いながら、また、働きながら、英会話の学習を並行して行うのは至難の業ですので、英語力向上に注力できることは、海外留学の大きなメリットの一つです。しかし、語学力を身に付けるだけであれば、日本国内でも、英会話レッスンを受けられたり、オンライン英語学習を利用したりすることもでき、努力次第では、留学しなくとも高い英語力を習得することができるようになってきています。
では、あえて、海外留学するメリットとは何か?
国内での英語学習ではなく、海外留学するメリットは大きく3つあります。
新しい出会い
日本は、単一民族から成り立つ国で、言語はもちろん、文化や習慣、宗教なども、単一的です。
しかし、「英語圏」と呼ばれる国は、アメリカのニューヨークが、「人種のサラダボール」と呼ばれることからもわかるように、さまざまな国の人々が移民したり、留学したりしており、非常にインターナショナルな環境が多いです。
海外留学では、日本ではなかなか出会うことのない、さまざまな国の人々と一度に出会うことができます。
例えば、私が通っていた語学学校は、世界70か国状の人々が集う語学学校でした。肌や目の色など外見はもちろん、考え方や価値観も大きく異なっていました。
私も留学していたある日のことです。
語学学校でであったイタリア人、中国人、ベトナム人、ドイツ人の友人と、ランチを食べに行くことになった時の話です。「ご飯、何にしようか?」と話をする友人から、「あなたは何を食べたい?」と聞かれました。
友人たちは各々食べたいものがあるようでしたが、特に、拘りのなかった私は「なんでもいいよ~」と答えました。すると「あなたは自分の意見がないの??」と言われました。
たかがランチを決めるだけでも、自分たちの意見や考えを発信するのが当たり前の海外の習慣に対して、私の回答は非常に不自然なものだったようです。
このように、宗教や文化、習慣の違いに対し、日本国内で生まれ育った日本人にとっては、驚くことばかりです。
しかし、自分や自分が今まで生きてきた環境とこはまったく異なる意見や価値観を持つ人々と出会うことで、自らの考えや価値観にも刺激を受けました。
日本にいただけでは、多国籍な友人を作るのは難しかったと思いますし、彼らとの出会いやその出会いのなかで受けた刺激や新しい考え方、価値観は、就職後の日々の仕事のなかでも役立つネットワークであり、糧となっています。
生きた英語、実用的な英語に触れられる
生徒対教師が30対1の教室で、教科書にそって文法を習ったり、単語の書き取りを行ったりするだけでは、英語でのコミュニケーション力を育むのは至難の業です。
海外留学での語学研修は、原則、生徒対教師が10~15対1で、1人ひとりによりフォーカスすることのできる環境になっており、「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能をバランスよく学習できるとともに、日本の授業の中ではなかなか学べない「発音」や「イントネーション」などを学ぶ授業もあります。
また、語学学校だけではなく、日々の生活、アルバイト、インターンシップなどを介して、ネイティブの人々ともコミュニケーションを取ることができます。
私たちも、外国の方は使う日本語に「違和感」を持つことは多いと思います。
決して文法も単語も間違っていない。にもかかわらず、なぜか「不自然さ」はぬぐえません。
ネイティブの人々と交流を持つことで、実際にネイティブはどう表現するのか、教科書だけでは学べない英語に直接触れる事ができ、表現が豊かになります。
完全な英語環境に身を置くことで、日本国内で英語を学ぶより速く語学の取得ができるのです。
英語がコミュニケーションツールであることに気が付ける
英語は、人と人とをつなぐ「道具」です。
日本で、教科書を介して学ぶ英語は、教科の一つであって、コミュニケーションツールであるという認識をなかなかもつことができません。
しかし、海外留学することによって、先述しているように、さまざまな国の人々と出会い、意見を交換し、実際に生活するなかで、英語が、「道具」であるという認識を持てるようになります。
日本では、英語を学び、その評価としてTOEICのスコアを取得したり、成績を収めたりして、満足してしまいがちです。しかし、近年求められるグローバル人材とは、英語をコミュニケーションツールとして使いこなし、新たな価値を創造できる人材です。
海外にいくことで、「英語を学ぶだけではだめだ!」、「英語を含む言語という『道具』を使って自分には何ができるのだろう」という考え方を持つことができます。
海外留学では、英語の勉強を中心とした語学留学だけではなく、英語でビジネス、英語で看護、英語でITなど、プラスαを学ぶ専門留学、大学進学などのプランもあります。
将来どのような分野で活躍するにしても、よりグローバルの視点を持つことができる人材となれるでしょう。
2:海外留学で得られるものとは?
先述したように、「英語力向上」という同じ目標を掲げたとしても、日本国内で学習するより、海外留学した方がメリットは多いです。では、具体的に海外留学を介して得られるものにはどのようなものがあるのでしょうか。
大きく3つに焦点を当ててみましょう。
タフな精神力
日本でも、大学進学し、一人暮らしを始めるとき、新社会人として新生活をスタートするとき、とても緊張しますよね。これが、海外留学ともなると、両親や友人の元を離れ、慣れ親しんだ土地を離れ、且つ、文化も習慣も言語も通じない環境で生活をスタートすることになるので、ものすごく「大変」です。
自らの「常識」が通じない世界で新たな人間関係を構築したり、新たな学びを得たりするには、強い精神力を伴います。渡航期間中、苦しかったり、辛かったりすることはたくさんあります。その瞬間には、「成長している」という感覚はあまり持たないかもしれません。しかし、海外留学から帰国後、同じ時間を過ごしたにも関わらず、いろんなものに対して前向きに取り組める自分自身に「成長」を感じることになるでしょう。
主体性
海外では日本のように、なんでもかんでも、「与えられる」ことが当たり前ではありません。
英語の勉強のみの留学であったとしても、午前中は総合的に「読む」「書く」「聞く」「話す」を学び、午後は自らの弱点である部分を伸ばすための選択科目を選考したり、目標・目的にあった英語コースを選択したりと、自分で考えて、自分で決断するという力を求められます。留学当初は、「『自分で考えろ』って言われてもわからない…。選べない…。」と思う学生さんも少なくありません。そして、学校側が「きちんと対応してくれない」とクレームを出される学生さんもいらっしゃいます。しかし、ここを乗り越えると、「主体性」が身に付くのです。
自分で「行きたい!」と決めていかれる留学です。誰も、自分のきもちをわかってくれて助けてはくれません。その環境こそ大切なのです。
自分で考え、決断できるようになると、人生はより豊かなものになっていきます。
日本人としてのアイデンティティが育つ
皆さんは自分の国である「日本」をどれだけ知っていますか?
日本の大学が世界的なランキングで見たときにどのくらいの位置にあるのか。
日本で大手企業と呼ばれる会社はどれだけ世界に貢献している会社なのか。
歴代、大業を成し遂げた首相の名前は?
あなたの暮らしている都市の人口は何人?
・・・など、自分の国なのにも関わらず知らないことが多かったりしませんか?
そもそも、皆さんは、「日本」が好きですか?
多民族国家で島国の日本は、日本人であることを強く意識することも機会として少ないと思います。
しかし、他の国に出ると、「日本ではどう?」と聞かれる機会も増えます。同時に、出身地の人口や、宗教、クリスマスのお祝いの仕方、歴史、政治などに対する関心の高さに驚かされます。先代の日本人が世界に対してしてきたことを知る非常に良い機会になるとともに、日本人であることを誇りに思うことがあったり、逆に嫌になることもあります。
しかし、日本人としてのアイデンティティをきちんともつことは、ビジネスシーンにおいてもとても大切なことです。これは日本にいるだけではなかなか培うことのできない力です。留学は、日本人としてアイデンティティを育てるうえで重要な機会を提供してくれることでしょう。
3:留学経験者の今後の可能性とは?
「留学した・・・だからどうなるの?」
先述したように、英語力はもちろん、主体性やタフな精神力を身に付けられる海外留学。海外留学をすると、どのような可能性を高めることができるのでしょうか。どのような点において可能性が高まるのか。大きく2つにまとめてみました。
進路の幅が広がる
中高時代からの留学でればそのまま海外の大学や専門学校への進学の可能性も広がります。
専門学校や大学を卒業すれば、海外への就職の幅が広がります。
日本の大学在学中、海外でのビジネスインターンシップや、語学留学などを得て、高い英語力とグローバル力を培うことで、外資系企業を含む、グローバル企業への就職、その後の活躍も期待できます。
収入の差
さまざまな調査で英語が出来る人と出来ない人とでは年収に差が出るとういう結果が出ています。
現在、確かにグローバル化は進み英語を話せる人は増え英語を話せることは当たり前になりつつあります。もはや、英語力だけでは大きな収入の差は生まれないかもしれません。しかし、英語力×ビジネス力×異文化理解能力、英語力×IT×海外就労経験など、海外留学を経て培った能力や経験の有無によっては大きな収入格差が生まれてくることでしょう。
まとめ
留学の魅力と必要性を読んでいただきいかがでしたでしょうか?
海外留学は英語力の向上だけではなく、私たちの視野を広げ、人々との出会いを広げ、日本国内外で活躍できる可能性を高めてくれます。
日本は少子化やGDP率の大幅な低下により、企業の海外進出が進んでいます。
仕事で英語を使う機会は日々増え、海外と取引する仕事ではビジネス交渉の場面でハイレベルの英語力が求められています。そして、文部科学省がかかげている英語教育改革ではグローバル化の進展の中で、英語共通語である英語力の向上は日本の将来にとって極めて重要だとも述べられています。また企業はグローバル化に対応が出来る人材が欲しいと思っています。それに伴い今までに決められていた新卒採用の時期を海外の大学卒業と併せた通年採用を始めた企業も増えてきました。
飛び出すなら「今」!!です。