ニュージーランドの通貨・銀行などお金に関わる情報【2024年度版】
ニュージーランド留学をサポートするワールドアベニューです。留学プランのお見積り書などの説明をさせていただく際に「ニュージーランド・ドルって『普通のドル』とは違うんですか?」というご質問をよくいただきます。
私たち日本人にとってなじみの深い『普通のドル』はアメリカ・ドルだと思います。世界的にも特に国の指定がない場合のドルはアメリカ・ドルを示します。1USドル=110円から120円というイメージが強い「ドル」ですので、ニュージーランドやオーストラリアの1ドル=80円、90円など、アメリカ・ドルとは大きく異なる為替レートを見ると、不思議な気持ちになりますよね。
今回はあまりなじみのないニュージーランドの通貨、ニュージーランド・ドルについて、またニュージーランドでのお金の使い方、銀行などについて説明していきたいと思います。
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1. ニュージーランドの通貨にまつわる基本情報
↑ニュージーランド・ドル(紙幣)について、5ドルから100ドルまで、それぞれのデザインの由来について一枚ずつ丁寧に説明しています。ゆっくりした英語なので、リスニングの勉強もかねて見てみてくださいね!
ニュージーランドの通貨はニュージーランド・ドル(英語表記:New Zealand dollar)で、記号だとNZ$と記載します。ニュージーランド・ドルはニュージーランド国内以外でもニュージーランド近郊のクック諸島、トケラウ、ニウエ、ピトケアン諸島でも用いられる通貨です。
通貨にはそれぞれ愛称があり、カナダドルの「Can(キャン)」「Candoll(キャンドル)」、イギリスポンドの「Sterling(スターリング)」や「Cable(ケーブル)」、オーストラリアドルは「Aussie(オージー)」、そしてニュージーランド・ドルは「kiwi(キウィ)」と呼ばれます。
kiwi(キウィ)はニュージーランド固有の鳥でニュージーランドの国を象徴する鳥(国鳥)です。もともと天敵のいないニュージーランドの環境に適応し、翼が退化しているため飛ばない鳥としても有名です。
通貨の種類
硬貨:10セント、20セント、50セントと、1ドル、2ドルの5種類です。
紙幣:5ドル、10ドル、20ドル、50ドル、100ドルの5種類があります。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
ニュージーランド・ドル‐硬貨(10セント、20セント、50セントと、1ドル、2ドル)
日本円の感覚だと、1セント=1円、10セント=10円、1ドル=100円のようなイメージです。
通貨の種類を見ると10セント未満がないことに気が付くと思います。実は、ニュージーランドでは1990年に1セント、2セントが、2006年に5セントが、それぞれ貨幣価値が低いとして廃止されました。それ以降、ニュージーランドの通貨は最小の単位が10セントです。
10セント未満の端数に対する計算はどうしているのか?
実は、10セント未満の端数計算方法に、明確な決まりはありません(笑)
10セント未満の端数に対する計算方法は大きく2通りあります。
1つ目は、四捨五入ならぬ「五捨六入」システム
2つ目が、Swedish Rounding(スウェディッシュ ラウンディング)
「五捨六入」システムは、四捨五入の仕組みと同様、5以下は切り捨てて、6以上で繰り上げするという仕組みです。
対してSwedish Rounding(スウェディッシュ ラウンディング)は少し変わった仕組みで、3、4、5,6,7は「5」、8、9、0、1、2は「0」にするというものです。
スウェディッシュ ラウンディングは、5セント硬貨があった際の名残です。
5セント硬貨があったときは、下記のような計算方法が一般的でした。
10ドル23セント→10ドル25セント
10ドル22セント→10ドル20セント
いずれの方法を利用するのかは、各お店の自由で、「当店では〇〇システムを使っています」と明記していればOKと、なんともニュージーランドらしい仕組みになっています(笑)。
10セント硬貨(日本でいうところの10円玉)
特徴:マオリ族の顔を意味するコルル(Koruru)と呼ばれるお面がデザインされています。色や形は日本の10円と同じような感じで少し親近感がわきます。
20セント硬貨(日本でいうところの20円)
特徴:ニュージーランド・ロトルアの市役所入り口にも描かれるプカキ(Pukaki)と呼ばれるマオリ族の酋長が施されています。これは1800年代半ばにロトルアエリアの部族Ngati Whakaue iwiのチーフをのデザインにしているそうです。
50セント硬貨(日本でいうところの50円玉)
特徴:ジェームス・クックが船長を務めるエンデーバー号がタラナキ山をバックに描かれています。
日本の50円玉のように穴は開いておらず、やや大きめなので慣れるまで少し時間がかかるかもしれませんね。
1ドル硬貨(日本でいうところの100円玉)
特徴:ニュージーランドの国鳥kiwi(キウィ)が描かれています。とてもかわいらしいコインです。
2ドル硬貨(日本でいうところの200円)
特徴:ュージーランドでコツク(Kotuku)と呼ばれる白サギが描かれています。ニュージーランドでは非常に珍しい鳥で、マオリ族にも尊ばれている鳥です。日本でいう鶴のようなイメージでしょうか…。
ニュージーランド・ドル‐紙幣(5ドル、10ドル、20ドル、50ドル、100ドル)
ニュージーランドには5種類の紙幣が存在します。
オーストラリアやカナダ同様、1999年以降、ポリマー紙幣と呼ばれるプラスティック製の紙幣を利用しています。
プラスティック製のポリマー紙幣は、紙の紙幣と比べて耐久性が4倍と言われ再版する回数も少なく、古く使えなくなった際のリサイクルもしやすいことなどから長い目で見ると製造コストが非常によく、且つとてもエコなのだとか。いつか日本でも導入される日がくるかもしれませんね。
5ドル紙幣(日本でいうところの500円)
特徴:全体的に橙色のデザインで、ニュージーランド出身の冒険家で人類初となるエベレスト山頂到達に成功したエドモンド・ヒラリーが描かれています。現在はすでに他界されていますが、存命中から紙幣の肖像に採用されていたというから驚きです。
裏面はキンメペンギン、別名黄頭ペンギンと呼ばれ、頭部が鮮やかな黄色(金色?)のペンギンが描かれています。
10ドル紙幣(日本でいうところの1,000円札)
特徴:あまり知られていませんが、ニュージーランドは世界で初めて女性の参政権が認められた国です。全体的に青で統一されたデザインの10ドル札には当時、婦人参政権運動のリーダーを務め、女性の参政権獲得に大きく活躍したケイト・シェパードが描かれています。
20ドル紙幣(日本では見ることのなくなった2,000円札)
特徴:立体的なニュージーランドの国王 エリザベス2世(ニュージーランド女王兼務)が緑のポリマー紙幣に描かれています。
50ドル紙幣(日本でいうところの5,000円札)
特徴:マオリ族出身で初めてニュージーランド大学を卒業し、その後青年マオリ党を結成、38年間もの間、国会議員として務めたマオリ族、マオリ文化再生に貢献した人物アピラナ・ヌガタが描かれています。色は紫。
100ドル紙幣(日本でいうところの10,000円札)
特徴:ニュージーランド出身、イギリスで活躍した物理学者、化学者で「原子物理学の父」とも呼ばれ、1908年にはノーベル化学賞を受賞したアーネスト・ラザフォード氏が描かれています。色は赤。
2. ニュージーランドでお勧めの銀行は?
ニュージーランドで1年など長期留学する方の場合、到着したらまずやすべき手続きが銀行口座の開設です。
ニュージーランドでは、ワーキングホリデーはもちろんのこと、学業を中心とした学生ビザでの留学でも通う教育機関によって、一定期間働き収入を得ながら生活することができます。
銀行口座は仕事を探すとき、また仕事に就くときに証明が必要な納税者番号(IRD:Inland Revenue Departmentナンバー)の取得など、ニュージーランド生活のあらゆる場面で必要になってきます。
ここでは、ニュージーランドでのお勧めの銀行と、口座開設に伴い必要な書類などの説明をいたします。
ニュージーランドでお勧めの銀行
2. ニュージーランド銀行(BNZ:Bank of New Zealand)
3. ウエストパック銀行(Westpac)
4. キウィ銀行(Kiwi bank)
※ニュージーランドの大手銀行の1つにASB銀行がありますが、2016年よりワーキングホリデービザ保持者の口座開設ができなくなりました。
1. オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ:Australia and New Zealand Bank)
HP:https://www.anz.com.au/personal/bank-accounts/everyday-accounts/
オーストラリア発祥で175年以上の歴史を有し、現在はオーストラリア、ニュージーランド以外にもアジア・太平洋地域、アメリカ・欧州・中東を含む32ヵ国で展開するメガバンクです。ANZ=アンズ銀行という愛称で親しまれ日本にも東京、大阪共に支店を設けています。
渡航後、英語での手続きが不安という方には、日本の支店で留学前に口座開設しておくのもお勧めです。
現地口座開設媒介サービスには、手数料が9,000円かかります。しかし、お金に関わる手続きのため、渡航後のトラブルを避けたい方には、決して高い手数料ではないと思います。
なお、キャッシュカードは現地支店での受け取りとなります。
詳細は、日本語サイト:http://www.anz.co.jp/personal//banking-overseas/
口座プラン:ANZ Freedom Account
口座維持手数料:月5ドル
利用手数料(窓口、ATM、EFTPOS、ネットバンキング利用時の手数料):無料
※他行ATM利用は有料
カード:キャッシュ&デビットカード(EFTPOS*加盟店で利用可能)
キャッシュカードの引出上限:1日当り最大NZ$2,000(EFTPOS利用金額:NZ$5,000)
口座プラン:ANZ Jumpstart Account(16歳以上20歳以下の方)
口座維持手数料:無料
利用手数料(窓口、ATM、EFTPOS、ネットバンキング利用時の手数料):無料
※他行ATM利用は有料
カード:キャッシュ&デビットカード(EFTPOS*加盟店で利用可能)
キャッシュカードの引出上限:1日当り最大NZ$2,000(EFTPOS利用金額:NZ$5,000)
2. ニュージーランド銀行(BNZ:Bank of New Zealand)
HP:https://www.bnz.co.nz/
ニュージーランド各地に200以上の支店を持つニュージーランド最大の民間銀行です。1987年に経営危機に陥っており、現在はNAB(ナショナル・オーストラリア銀行)の配下にあります。
口座プラン:YouMoney
口座維持手数料:月5ドル
利用手数料(窓口、ATM、EFTPOS、ネットバンキング利用時の手数料):無料
※他行ATM利用は有料
カード:キャッシュ&デビットカード(EFTPOS*加盟店で利用可能)
3. ウエストパック銀行(Westpac)
HP:https://www.westpac.com.au/
オーストラリアのシドニーに本店をおくオーストラリア四大銀行の一つで、ニュージーランドを始め、フィジーやパプアニューギニアなどの周辺諸国、シンガポール、香港、中国などアジア諸国でも展開を行う銀行です。
口座プラン:Electronic Account
口座維持手数料:月3.5ドル
利用手数料(ATM、EFTPOS、ネットバンキング利用時の手数料):無料 ※他行ATM利用は有料
窓口手続き料金:3ドル/回
カード:キャッシュ&デビットカード(EFTPOS*加盟店で利用可能)
4. キウィ銀行(Kiwi bank)
日本でいうところの郵貯的な存在のキウィ銀行は、全国300を超えるニュージーランド・ポスト社(郵便局)の店舗を利用した営業活動を行い、他の民間金融機関よりも低い手数料を強みにしています。郵便局とセットになっていることから、郵便局と銀行での用事を一挙に済ませることができる!というのも嬉しいポイントです。
口座プラン:Free Up
口座維持手数料:無料
利用手数料(ATM、EFTPOS、ネットバンキング利用時の手数料):無料 ※他行ATM利用は有料
窓口手続き料金:3ドル/回
カード:キャッシュ&デビットカード(EFTPOS*加盟店で利用可能)
キャッシュ&デビットカードです。
銀行口座内にある現金の引き出し以外にもEFTPOS加盟店(ニュージーランド国内ほぼ全域にあり)のレストランやお店、タクシーなどでデビットカードとして利用することができます。
口座開設に伴い必要な書類
1.身分証明(ID)2種類
・パスポート原本
・ビザのコピー(ワーク/学生/ワーキングホリデー など)
・国際運転免許証
2.住所と自分の名前の記載された書類1通
・教育機関が作成または教育機関から発行された口座開設書類
・光熱費の請求書
・賃貸契約書
・各種保険会社の証明書
・自動車登録書
以上のような公共機関が発行した3カ月以内のもの
3.口座に預ける現金
これは日本でも同様ですね。500ドル程度を目安にご用意ください。
4.納税者番号もしくはマイナンバー
2017年7月からの改定に伴い、ニュージーランド国内で留学生が銀行口座を開設する方は、日本の納税者番号もしくはマイナンバーを銀行側に提出しなければいけなくなりました。マイナンバー(番号)をきちんと控えて渡航するようにしましょう。
3. さいごに-ニュージーランドへのお金の持って行き方・使い方
さいごに、ニュージーランドへ留学する際のお金の持って行き方や、使い方をご紹介いたします。
ニュージーランドに限らずどのように持って行くお金を用意したらよいのかは留学期間によって異なります。
ニュージーランドへの短期留学の場合
現地で銀行口座を開設することはできません。したがって、現金を日本から持って行く、プラス、カード(クレジット・デビット)をご用意いただくのがベストです。
2週間から4週間程度の留学であれば3~5万円程度の現金をニュージーランド・ドルに両替し、持参すると共に海外でも利用できるカード(クレジットまたはデビット)を用意しましょう。
両替する場所は、日本の銀行や郵便局、空港の両替所、ニュージーランドの街中の両替所の3つが有力候補です。換金するまでに時間がある場合は、為替のよいときにタイミングを見計らって換金しておくとよいでしょう。
クレジットまたはデビットカードについて、おすすめの国際ブランドはVisaまたはMasterです。現在日本で利用しているカードを持参する場合は、海外でキャッシングができるかどうかを渡航前に確認しましょう。(カード裏に記載のあるクレジットカード会社へご確認ください)
未成年の方や学生の方、フリーター、無職の方の場合で、クレジットカードを作れないという方の場合、デビットカードがお勧めです。ワールドアベニューでは当社の留学プログラムにお申込みいただいたお客様を対象に留学に伴うカードの準備方法や国際キャッシュカードのご案内なども行っております。お気軽にご相談ください。
ニュージーランドへ長期留学(ワーキングホリデーや語学留学など)される場合
ニュージーランドに長期滞在される方の場合、5万円程度の現金+カード(クレジットまたはデビット)+海外送金の3本建てでのご用意がお勧めです。
現金は短期留学と同様、持って行きたいお金を渡航前、または渡航後にニュージーランド・ドルに両替しましょう。
カード(クレジットまたはデビット)も同様に、VisaまたはMasterのカードをご用意ください。クレジットカードをご用意いただく場合、海外でのキャッシングの可否をきちんと確認するようにしましょう。
短期留学と異なるのは海外送金です。
先述させていただいているお勧め銀行をご参照いただき、ニュージーランドで銀行口座開設を行いましょう。
海外送金や海外での銀行口座の開設は、その審査が年々厳しくなっており、銀行によっては学生ビザなら口座開設ができるが、ワーキングホリデービザだと口座開設ができないケースなども出てきています。
また、銀行口座開設に伴う必要書類も、日本のマイナンバーやニュージーランドの住所証明を求められることもあり、何が必要なのかは、異なります。銀行口座手続き前に、希望の銀行に連絡し、口座開設に必要な書類を確認するようにしましょう。