留学に必要な資金とその貯め方
留学を考えるときに避けては通れない「資金」の問題。
最近では「格安留学」と銘打って、フィリピン留学やフィジー留学がはやりましたよね。他にも、スマホ留学、カフェ留学など、お手軽に英語を学ぶことを留学と呼んだり、「留学」というキーワードを付けて、外国人の方と空間を共有できるイベントを開催したりするなど、さまざまな場所で「留学」という言葉を目にします。
しかし、残念ながら本当に価値ある留学は、先述しているような「安い」留学から得ることは、なかなかできないということを、皆さんも気が付きつつあると思います。
今回は改めて、留学費用の適正な相場と、その資金の貯め方について紹介します。
1、各種留学にかかる費用の相場
以前にも留学にかかる費用に関しては「留学費用ってどれくらいかかる?海外留学にかかる費用まとめ 最新版」にてご紹介していますが、留学にはさまざまな種類の費用がかかります。そして留学にかかる費用の合計は、留学の種類によって大きく異なります。
あらためて各種留学にかかる費用の相場をまとめてみましょう。
なお、下記の料金には、留学するうえで必要なすべての費用を合計した金額を記載しています。
語学留学 1年間
オーストラリアの場合・・・約250万円~300万円
ニュージーランドの場合・・・約250万円~300万円
カナダの場合・・・約280万円~330万円
アメリカの場合・・・約350万円~400万円
イギリスの場合・・・約350万円~400万円
語学留学 6ヵ月間
オーストラリアの場合・・・約150万円~200万円
ニュージーランド留学・・・約150万円~200万円
カナダの場合・・・約150万円~200万円
アメリカの場合・・・約180万円~250万円
イギリスの場合・・・約180万円~250万円
語学留学3ヵ月間の場合
オーストラリアの場合・・・約90万円~120万円
ニュージーランド留学・・・約90万円~120万円
カナダの場合・・・約90万円~120万円
アメリカの場合・・・約120万円~150万円
イギリスの場合・・・約120万円~150万円
ワーキングホリデー(1年間)の場合
オーストラリアの場合・・・120万円~200万円
ニュージーランドの場合・・・120万円~180万円
カナダの場合・・・120万円~200万円
イギリスの場合・・・200万円~
上記の費用に含まれるもの
・学校に関係する費用(入学金、教材費、授業料)
・航空券代金(往復)
・海外留学生保険
・ビザ取得に必要な諸費用
・一般的な留学エージェントのサポート費用
・生活費(滞在方法はホームページ、またはシェア)
好きな国、都市、興味のある学校を選択していくだけで見積を作成いただけます。
※アルバイトが可能な場合は一般的な収入を見込んだ生活費を算出し、合計しています。
※選ばれる都市や学校、生活、アルバイトの仕方などによって、費用は異なります。あくまで一般的な留学にかかる費用の目安としてお考えください。
上記の金額を見て、「高い!!!」と思われる方もいらっしゃると思います。
なぜならば、他の留学エージェントのホームページではもう少し「安く」、資金面の紹介がされているからです。
上記の金額を見て、「ワールドアベニューのような『有料』エージェントはサポート料金が高いから留学の全体的な費用も高くなるのか…」と考える方もいらっしゃいます。
しかし、留学する前は、「安さ」を求めるものの、実際に留学すると、きちんと留学資金を準備していかなかったことや、留学資金を安く見積もっていってしまったことに激しく後悔します。
従って、ワールドアベニューでは、本当に必要であろう費用を、正確に提示しています。
また、(留学エージェントにもよりますが…)実は無料エージェントが煽り立てるほど、有料エージェントのサポート費用は高くありません。下記の表をご覧いただいてもお判りの通り、留学に必要な資金の大半は、学費と生活費が占めており、その他の費用を見ても航空券代金や海外留学生保険などの実費が占める割合と大きな差はありません。
※ワールドアベニューの場合
まさに、留学の質を決める「学費」と「生活費」が留学に必要な資金の大半を占めている、ということはつまり、「安い」留学を選ぶと、自らの留学の質を落とすことになるということです。
例えば、経験が浅く評判も良くない安月給の教師を雇い、アクセスの悪い物件にキャンパスを構え、特にトイレの水回りの整備も行っていない語学学校であれば安いでしょう。
例えば、フィリピンやフィジーのような発展途上国で、現地の人々と同じ生活水準(フィリピンであれば、トイレットペーパーを持ち歩き、食中毒になるような水道水を飲み、テロや銃の危険と背中合わせの生活をすれば)で生活をすれば安いでしょう。
果たして皆さんはそんな留学をしたいのでしょうか。
違いますよね?
つまり、エージェントのサポート費用云々以前に、中身のある留学をしようと思うと、先述した程度の費用は必ず必要になってくるということです。もちろん、決して安いお金ではありません。留学に踏み出される方は比較的若い年齢層の方(10代後半から20代前半)が多く、そんな大金貯めたことない!という方も多いと思います。具体的にどのように留学に必要な資金を皆さんが貯めているのか、見ていきましょう。
2、留学の資金を準備するうえで、絶対にやってはいけない「リゾートバイト」
「留学、資金」や「留学、費用」と調べると、恐ろしいリゾートバイトの罠が待ち構えています。
リゾートバイトで楽しく効率よくお金を貯めよう!というものです。
そこにはこう書いてあります。
「フルタイムで働けば、必要経費を除き確実に10万円は手元に残ります。
10万円×6ヵ月間=60万円 これだけあれば…」というものです。
すでにお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、
1)60万円では、まったくもっていい留学ができない
2)リゾートバイトはワンシーズンものが多く、6ヵ月間も継続して働けない
3)リゾート=田舎は生活費も安いが時給も安いため、意外と稼げない
リゾートバイトとは、スキー場での仕事や夏のペンションでの住み込みアルバイトなどが多く、リゾート地の繁忙期(人手不足の時期)の人員を賄うため一時的なアルバイト募集です。当然時期が終われば、仕事は終わりますし、田舎が多いので、確かに都会的な誘惑は少ないものの、時給も恐ろしく低くいものが多いです。例えば、リゾートバイトの相場は1,000円前後と言われますが、北海道や沖縄の時給は非常に低く、時給700円台などもあり得ます。
時給700円なんて、フルタイムで働いたところで11万円しか稼げません。住み込みで家賃などがある程度安く済んだところで月々の貯金は7~8万円が関の山。ワンシーズン(3ヶ月間)働いたとして、貯金は21~24万円、前後の引っ越しなどを踏まえたら、20万円弱程度しか貯められません。
つまり、リゾートバイトでは、旅行費用くらいは貯められるかもしれませんが、留学費用は貯められないということです。この記事を読んでくださっている方には、どうかお願いなので、正社員を辞めて、長年続けているアルバイトなどを辞めてリゾートバイトに走るということだけはやめていただきたい。
都心で営業事務の派遣の仕事を時給1,500円でし、総支給額24万円、所得税、年金、税金で4万円~5万円取られますが、その他生活費(家賃・光熱費・食費など)を合計し、8万円の出費があったとしても、月々10~12万円貯蓄できる方がよっぽど現実的に貯金できます。
3、本気で留学資金を貯めるために取るべき3つの行動
さて、リゾートバイトという、なんだかふわふわと楽して楽しく貯めらる!という可能性を取り除いたところで堅実的に貯金をしていく方法(本題)に入っていきましょう。
本気で留学資金を貯めるためには、取るべき3つの行動があります。
それが、①とことん働く、②自炊する、③クレジットカードは使わない です。
筆者も多い時には年間600名以上の留学カウンセリングに携わってきました。高校留学や海外での大学進学、大学生の方の休学留学など、ご両親様が留学資金を出資される方以外の多くのお客様が、お問合せをいただいた段階で留学に必要な資金を潤沢に貯めているというケースはほとんどありません。
多くのお客様が、留学の目的や目標を明確に定めるところから留学カウンセリングをスタートし、その目標に沿って具体的な留学をプランニング、その留学に必要な資金を、そこから貯金し始めるという方が多いです。
留学に行かれる方はよくも悪くも行動力と実行力、好奇心の強い方が多く、留学以外にもさまざまなことにチャレンジしていることが多く、「お金が厳しい!」という方も多いです。
そんな皆さんに、留学資金を準備するにともない①とことん働く、②自炊する、③クレジットカードは使わないをぜひ実行していただきたいと思います。
①とことん働く
筆者自身の経験でもあるのですが、人間暇があるとお金を使いたくなるものです。
土日祝日、他の人が休みタイミングで働き、平日に休む。できれば忙しい仕事や体力を使う仕事をし、休みもきちんと休まないとやっていけないという状態で働く、と、体重の減少と共にお財布が豊かになります。時給で働いている派遣の方やアルバイトの方であれば、その分お給料も増えます。
②自炊する
お休みの日に、近くのスーパーに買い物にいき、食材を買い、1週間分の作り置きしておきましょう。
例えば、
月曜:豚肉バラ 250円×カット野菜150円=野菜炒め 400円
火曜:ひき肉 250円×豆腐一丁30円×麻婆豆腐のもと150円=430円
水曜:無印良品カレーキット450円×パン100円=550円
木曜:卵30円×ネギ100円×ごはん(両親から送ってもらい、炊いて冷凍保存しておく)=チャーハン130円
金曜:うどん100円×卵30円×ネギ100円=釜玉うどん230円
土曜:豚バラ250円×白菜200円=白菜豚バラミルフィーユ450円
日曜:さば350円×ごはん×お味噌汁(豆腐30円)=380円
合計2,570円×4週間=10,280円/月
いかがでしょう?
ちょっとお酒好きな方なら、一回、二回の飲み会でこのくらいの費用を使っていませんか?1万円あれば1ヵ月の夕飯を賄うことができます。調味料を揃えるのは少しめんどくさいと思うかもしれません。仕事終わりに料理するのめんどくさいと思うかもしれません。しかし、自炊のスキルは留学中も必須のスキル!これを機に貯金と料理技術の腕を合わせて向上させましょう!
③クレジットカードは使わない
クレジットカードだけではなく電子マネーなども普及している昨今、もはや現金を持ち歩くことも現金で支払うこともあまり大きなメリットがなくなってきています。しかし、留学カウンセリングを行っている中で、一定以上の収入があるにも関わらず、貯金ができていない方の理由ダントツナンバー1が、クレジットカードなどの使い過ぎです。
カード請求額が月に10万円を超えるという方も多く、リボ払いなどの分割を利用して高額なサービスや商品を購入したことで、無駄に多くの利息を含めた月々の支払が貯金の妨げになってるということはよくあります。
Amazonや楽天など、クレジットカードを使うことでポイントやマイルが貯まり他の商品などをリーズナブルに購入できるという利点もありますが、使い過ぎには十分注意すると共に少しでも「利用額に対してきちんと管理できていないな…」と感じる方は、クレジットカードの利用をひかえることをおすすめします。
そのうえで留学貯金用の口座を作り、給料が入れば自動的にまたは手動でその口座にお金を移動させ、留学以外のことで手を付けない!!と決めてしまうのが最もお金を貯められる方法だと思います。
4、まとめ
200万円、300万円という高額な留学資金を貯めるのは大変です。しかし大変だからこそ、毎日、毎週、毎月の積み重ねがとても大切です。時折、留学プランや目標が決まったタイミングで、「いつ申込すればいいですか?」とご質問いただきます。よほど複雑な留学やビザの制度や条件が絡まない限り、物理的な手続きであれ4~5か月間あれば手続きは可能です。しかし、貯金はそうはいきません。立てた目標にそって、その目標を実現させるためにはその目標や出発が少し遠くても、今から1歩ずつスタートを切ることをお勧めします。
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