【まとめ】オーストラリア学生ビザ申請要件変更点｜2024年3月23日以降

最終更新日:2024/03/24

オーストラリア政府は、2024年3月23日以降の申請者を対象に、一部申請要件を変更する旨を発表しました。ここでは特に重要なポイントをまとめ、ご紹介いたします。

1.Genuine Temporary Entrant(GTE)要件からGenuine Student(GS)要件への変更

申請時に提出必要書類の一つであるGTE(Genuine Temporary Entrant)はGS(Genuine Student)へ変更となりました。2024年3月23日以前に申請された学生ビザの審査は、現行の規定に従って行われます。なお学生ガーディアンビザ（subclass590）申請については、GTE要件が維持されます。

新しいGS要件では、申請者の概要とオーストラリアでの就学を希望する理由を判断するための質問項目が設けられます。
・家族、地域社会、雇用、経済状況など、現在の状況の詳細
・コースの選択とオーストラリアを留学先として選んだ理由の説明
・コースが申請者にとってどのようなメリットがあるかどうか
・オーストラリアでの就学歴がある申請者の場合は、その就学歴とその詳細
・学生ビザ以外のビザを持つ申請者の場合は、学生ビザを申請する理由
・申請者が提供したいその他の関連情報
など、このように家族や地域社会とのつながり、仕事の状況、経済的な状況、なぜその学校でそのコースを学びたいのか？、そのコースを終えた後にどうなりたいか？など、様々な質問が追加されており、回答は質問ごとに150ワード以内で書く必要があります。
参照：Genuine Student requirement

2.英語力基準の変更

学生ビザ(Subclass 500)申請時に最低限必要な英語力要件が変更となります。主な対象は高等教育機関、特にTAFEや私立の専門学校への進学を希望している方、また、大学進学を見据え、進学準備コース(ファウンデーションコース)受講を希望している方となります。なお、進学を検討していない英語コースのみを受講希望の方は、今までと変わらず、ビザ申請時に英語力の証明は求められません。

ビザ申請を提出する際には、英語能力の証拠を提供する必要がある場合があります。提供する必要のある証拠については、「Document Checklist」ツールを使用して確認してください。
注：Document Checklistツールによって、英語能力の証拠を提出する必要がないと表示されている場合でも、移民局がビザ申請書を受け取った後、申請を処理する間、随時、英語能力の証拠を提供するよう要求することがあります。

また、英語コース＋高等教育機関のプランの場合、今までは語学学校や高等教育機関が独自に行う英語テストのみで生徒の英語力を査定、入学要件を満たすと判断した場合には両校から入学許可証が発行されていましたが、今回のビザ申請要件の変更を踏まえ、IELTSなど公式英語試験結果の提出を求めてくることも考えられます。

卒業生ビザ申請時の英語要件も変更に

学生ビザではありませんが、卒業生ビザ(Subclass 485: Temporary Graduate Visa)の英語要件も今までのIELTS6.0からIELTS6.5相当に引き上げられました。また、IELTSの各技能（リーディング、ライティング、スピーキング、リスニング）は最低5.5のスコアが必要になります。また、テスト有効期限も3年から1年に短縮されます。卒業ビザ申請者は、ビザ申請日の直前1年以内に英語テストを完了した証拠を提供する必要があります。

参照：New English Language Requirements

申請要件変更の背景にあるもの

今回の変更は、2023年12月11日に発表されたオーストラリア政府の移民戦略の一環として発表されました。移民戦略では、留学生ビザの英語言語改革が、国際学生がオーストラリアで肯定的な教育体験を持つことを支援し、卒業後に卒業ビザを申請したい場合には適切な技術者労働力に準備することを目指していると述べられています。

オーストラリアでは、カナダのように学生ビザ発給数への上限が設けられたわけではありませんが、上記にあるように申請者に対する学生ビザ申請要件や審査の厳格化に加え、学生ビザ対象のコースの削減という形で、発給数をコントロールする予定です。
参照：2024年新たに発行される学生ビザの数を約36万に減少させる方針を発表(カナダ)

学生ビザ対象のコースの削減について

オーストラリア政府は2024年3月23日より、ビザの目的にそぐわない学生を受け入れている教育機関、いわゆる「ビザ取り学校」に対し、一定期間、留学生の受け入れを停止する停止証明を発行することができるようになりました。この制度は、オーストラリアの教育品質を維持するために設けられたもので、学生のビザ申請拒否数、ビザ条件違反、不法滞在などの指標に基づいて「学校に問題がある」と判断された場合、その学校は、一定期間、留学生を受け入れできなくなります。つまり、格安校、ただし質の低い学校は淘汰される可能性が高まるため、質の高い学校を選定する必要があるということになります。

留学プランニングにおいて重要なこととは

今回のアップデートを踏まえ重要な点は、クオリティを重視した学校選びや皆さんの将来の目標や留学の目的にマッチするコース選び、必要な英語力や証明タイミング(英語試験の受験タイミング)など、より念入りに留学計画を立てなければならない、そして立てた計画に沿って準備をしていかなければならないということではないでしょうか。

ワールドアベニューではサポート経験豊富な留学コンサルタントが、移民局や教育機関が発表する最新かつ正確な情報をもとに無料留学カウンセリングを実施致しております。オーストラリアで学生ビザを伴う留学をお考えの方は、お気軽にご相談ください。留学カウンセリングは無料！オンライン(Zoom)を利用し、初回は30分程度から気軽にご利用いただけます。

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寺田　麻友子 | MAYUKO TERADA

ワールドアベニュー　キャリアコンサルタント
GCDF-JapanキャリアカウンセラーGCDF6644-JP
剣道2段 / 社会福祉士 / 精神保健福祉士 / 高等学校教諭一種免許状(福祉)

イギリスへの留学を始め、オーストラリアやニュージーランドへ海外現地視察と海外経験豊富。キャリアカウンセラー資格を活かした、将来のなりたい姿を見据えた留学アドバイスを行っています。

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