【最新情報】オーストラリア – 卒業ビザ（サブクラス485）就労権の延長について 2022.2.25

最終更新日:2024/10/23

はじめに

2023年2月21日、オーストラリア政府は高等教育を修了した学生に対して、卒業後の就労権を延長することを発表しました。この政策は2023年7月1日より施行されます。

概要 – 卒業ビザ（サブクラス485）就労権の延長

2023年7月1日より、オーストラリア政府は一部の卒業ビザ（Temporary Graduate Visa サブクラス485)の滞在期間を延長することを決定しました。この決定は、オーストラリアの主要産業における人材・スキル不足への対応と、国際教育セクターの再構築を目的としています。

学士号(Bachelor)、優等学位(Honours)、修士号(Masters)を取得した卒業生のうち、教育省の「適格資格リスト(Eligible Qualifications List)」に掲載されている資格を取得している場合、さらに2年間就労する資格が与えられます。また、博士課程(Doctoral graduates)を卒業された方は、さらに2年間、つまり合計4年間就労が可能です。また、地方(Regional)で学び、生活し、働く学生に対して、既存の1年から2年の就労権を伸ばすことも決定しています。
なお、申請方法についての詳細は、2023年7月1日が近づいたタイミングで発表予定とのことです。

就労権の延長が可能な仕事（例）

オーストラリアで最も需要の高い医療、教育、工学、農業分野などの技能に的を絞っています。対象となる技能は毎年検討され、労働市場の状況に応じて随時更新される予定です。

例
看護師、助産師、小学校教員、中学教員、幼児教育者、システムアナリスト、ウェブディベロッパー、プログラマー、サイバーセキュリティエンジニア、ソフトウェアエンジニア、建築プロジェクトマネージャー、科学技術者、測量士、電気技術者、作業療法士、理学療法士、養蜂者、食品技術者、農業コンサルタントなど

ジェイソン・クレア教育大臣のコメントからの引用 –

Businesses are screaming out for skilled workers, particularly in the regions.
We have got the second highest skills shortage in the developed world, according to the OECD. Skills shortages are everywhere.
We teach and train these skilled workers. This will mean they can stay on longer and use the skills they’ve gained in Australia to help fill some of the chronic skills shortages we have right now.
As well as delivering the skills and qualifications Australia needs, the measure will make Australia more attractive as a study destination, helping the recovery of the international education sector and boosting earnings from Australia’s education exports.

翻訳
OECDによれば、先進国の中で2番目に技能が不足している。スキル不足はどこにでもある。
私たちは、このような熟練労働者を教育・訓練しています。これにより、彼らはより長く勤務することができ、オーストラリアで得たスキルを使って、現在我々が抱えている慢性的なスキル不足を補うことができるのです。
この措置は、オーストラリアが必要とする技能や資格を提供するだけでなく、留学先としてのオーストラリアの魅力を高め、国際教育セクターの回復を助け、オーストラリアの教育輸出の収益を押し上げるだろう。

参照：
・Temporary Graduate visa
・Extended post-study work rights for international graduates
・List of occupations and qualifications eligible for post-study work rights extension

さいごに

いかがでしたでしょうか。OECD（経済協力開発機構）によると、2022年、日本の賃金はG7（フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダの7つの主要な先進国）、加えてオーストラリアと比較しても最下位です。急速に進む物価高騰の影響を受け、各種メディアでも安い日本をすて、海外に移り住む若者の姿が日夜取り沙汰されています。そんななか、海外大学進学という選択肢は改めて注目を集めています。特に教育水準が高く、治安面や気候面などからも安心して生活できるオーストラリアは人気な渡航先の一つです。

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