【オーストラリア 学生ビザ】2016年7月より適応された新しい制度について知ろう。
近年、遊学と呼ばれるワーキングホリデーではなく、きちんと明確な目標目的を持った学生ビザを対象とした留学の人気が高まっています。中でもオーストラリアの学生ビザは、一定時間の就労が許可されており、主要英語圏の留学の中でも全体的な留学費用を抑えられる国として人気です。
この高い人気を誇るオーストラリアの学生ビザ申請要綱が2016年7月、大きな変更がありました。オーストラリアの学生ビザは今まで、早い方の場合だと学生ビザ申請後「わずか1日で審査が下りた!」などということもありました。しかし、今後は、申請準備にも審査時間にも時間を要することが増えそうです。
新しいオーストラリア 学生ビザ審査基準 The simplified student visa framework(The SSVF)
The SSVFとは、移民局側にとって複雑だった学生ビザ申請プロセスの簡素化を図ることを目的として導入された新しい仕組みです。
具体的な変更点は大きく2点です。
1、学生ビザサブクラス数(8個→2個)
2、移民リスク審査方法(Immigration Risk Framework)
1、学生ビザ サブクラス数の簡略化(8個→2個)
サブクラスとは:オーストラリアでは、ビザの種類により細かく区分分けがされており、これを「Subclass(サブクラス)」と呼びます。
学生ビザは、サブクラス500に分類されます。
サブクラス数の簡略化前は、留学先の教育機関によってサブクラスが分けられていました。
※下記参照
2、移民リスク審査方法(Immigration Risk Framework)
以前はアセスメントレベルと呼ばれる留学生の国籍を元にリスクレベルを設定し、学生ビザ申請方法及び、学生ビザ取得の難易度が設定されていました。しかし、今回、新しく留学生の国籍に準じてリスクレベルを設定する「国籍リスク」に、「教育機関のリスク」を加え、総合的にビザの審査を行う仕組み(SSVF)に変更されました。
アセスメントレベルとは、学生ビザを取得した学生が、オーストラリア入国後に、「どれだけ、学生ビザのルールを守っているのか?」によって判断されていました。つまり、学生ビザのルールを守らない人が多い国は、危険度が高い国と判断されています。レベルは、1~3のレベルに分けられ、レベル1は危険度が最も低く、3は危険度が最も高いと判断されます。このアサイメントレベルが「国籍リスク」へと呼ばれるようになりました。
日本はもともとアセスメントレベルが1に指定されていたため、レベル2、3の国籍より比較的学生ビザの取得がしやすい国だったといえます。これに伴いSSVF導入前は、学生ビザ申請に必要な書類も最低限のものでした。
しかし、SSVF導入に伴い、日本国籍の方にも影響が出つつあります。。
理由は、Genuine Temporary Entrant(GTE)Requirementの継続にあります。
The Genuine Temporary Entrant (GTE Assessment)は継続
以前から行われているGTE(Genuine Temporary Entrant:純粋に一時入国者であるかどうかを審査する制度)は、引き続き行われます。
よって、学生ビザ申請時、GTE レターの提出と併せて、ビザ審査機関中に、GTEの補足書類(戸籍謄本や、学歴証明、成績証明など)が、求められるケースがあり、求められた場合、速やかに提出する必要があります。
The Genuine Temporary Entrant (GTE Assessment)レターとして提出する内容としては、以下の通りです。
・留学したい理由
・その学校およびコースを選んだ理由
・日本でも英語を勉強しているにも関わらず、あらためてオーストラリアで英語を学びたい理由
・日本で勉強するのではなくオーストラリアで勉強する理由
・就学内容が過去の自分の勉強や就労とどのように関係するのか
・就学内容が自分の将来やキャリアにどのように影響を与えるのか
・コースが終了したら日本に帰る理由(なぜ学生終了後に日本に帰るのか正当な理由)
GTEは、これらの内容を踏まえて、「すべて英文」でレター(文章)を作成し提出しなければなりません。大学の論文のように長文を作成する必要はありませんが、注意と十分な時間をかけ、適切な準備を行う必要があることを理解しておきましょう。
尚、GTEの補足書類には下記のような書類が挙げられます。
例えば、
・学歴証明
・成績証明
・履歴書
・勤務証明
・給与明細
・残高証明
・日本との結びつきを証明する書類(例:戸籍謄本) など
しかも!!日本語で書かれている書類については当然英文翻訳が求められ、オーストラリア政府認定翻訳機関であるNAATI認定の翻訳士が翻訳した書類を提出する必要があります。
もはや、上記の情報を見ていて、だんだん嫌になってきてしまった方も多いのではないでしょうか?
一部の無料留学エージェントでは、「さすがにこれだけの内容を無料でサポートするのは難しい…」(厳密には、学生ビザ申請に伴う手続きにはかなりの労力を要するので、「学校からの紹介料のみでこんな大変なサポートをしたくない」という意味)と嘆いている会社も見受けられました。苦笑
ちなみに、学生ビザ申請マニュアル、申請ガイドなどインターネット上で見つけた情報は2016年6月以前の古い情報の可能性も高く、情報の精査には十分に注意が必要です。
ワールドアベニューでは、学生ビザを含む、ビザの申請に関してお手伝いをいたしております。お気軽にご相談ください。
※上記の情報は2016年7月現在の情報となり、ビザに関する要綱は随時予告なく変更が生じる可能性があることをご理解ください。また、最新の情報は各国大使館・移民局にてご確認ください。
2024年3月18日更新:2024年3月23日以降、学生ビザを申請する場合、GTE(Genuine Temporary Entrant)はGS(Genuine Student)へ変更となりました。なお学生ガーディアンビザ(subclass590)申請については、GTE要件が維持されます。オーストラリアの学生ビザ情報についてはこちらをご確認ください。