【留学カウンセリング事例】高校卒業後の留学 ~海外大学進学編~
新しい年もスタートし、今年大学受験や卒業、就職活動など、大きな人生の転機を迎えようとしている高校3年生の皆さんや、大学3、4年生の方々の緊張度は最高度に達してくるタイミングではないでしょうか。
日本の大学受験と、海外留学とを並行して考えていらっしゃる方も多くいらっしゃいます。
「本当は海外の大学に行きたいけど、不安……。だからとりあえず日本の大学も受験してみようなか」と未だ迷っている方や、「第一希望の大学以外なら行きたくない。第一希望の大学に落ちたら海外の大学にチャレンジしてみよう」という方など、その思いはさまざまです。
後者の方の場合は第一希望の大学受験結果が出てみないことには、次のステップに進むことができません。
ただ、前者の方の場合は、今すぐにでもきちんと高校卒業後の進路を考え、日本の大学に進むにせよ、海外の大学に進むにせよ、きちんと道を決めていかなければ、その後、中途半端ない人生を送ることになってしまいます。
今回は、高校卒業を3ヶ月後に控えた高校生のお客様から、実際にあった留学カウンセリング事例を踏まえ、「高校卒業後におすすめ留学 ~海外大学進学編~」を紹介していきたいと思います。
留学カウンセリング事例 ~海外大学進学編~
事例:日本の外語大学や外語専門学校へ進もうと思っていたが……
>>おすすめ留学 海外大学進学
出身:長野県
学年・年齢:高校3年生・17歳(2月で18歳)
卒業後の進路:日本(東京)の私立外語大学や専門学校へ進もうと思っていた。
相談内容
英語の勉強が好きで、好きと言ってもすごく得意なわけではなくて、英検2級レベルなんですけど…、でも、他に好きな科目もないし、将来英語ができて損することはなさそうだし、好きな科目をとことん勉強してみるものもいいかなと思って、日本の外語系の大学や専門学校への進学を考えていました。将来は英語を使って、キャビンアテンダントやホテル関係の仕事、旅行関係の仕事にも興味があります。他にも、今はまだどんな仕事があるのかよくわからないけれど、英語を使って働けたらかっこいいなと思っています。
ただ、進学を考えていた大学や専門学校の在校生の声を聴く機会があって…。そうすると「日本で外国語の勉強をしていても全然喋れるようになんてならない」という声や、「確かに学校にはネイティブの先生もいるけど、帰国子女の生徒とばかり喋っていて、会話に入ることすらできない」、「大学には交換留学制度があるけど、帰国子女の子たちやすでに留学経験のある学生も応募するから、まったく太刀打ちできず、大学の制度を利用できない」なんて声を聴いてしまって…。
外語大学に行ったにも関わらず、喋れずに大学卒業なんて、看護学部に行ったのに看護師の資格を取れなかったのと同じ、つまり、「意味ない」ってことじゃん!と思ったら、「思い切って海外の大学に行った方がいいのかな?」と思ったりしました。でも、時期も時期だし、これから留学の準備をして間に合うのかどうか、また経済的な部分も日本の大学進学とは違うのかと思うと、わからないことが多くて、ひとまず問合せてみました。
留学カウンセラー:相談内容を整理してみましょう。
米国Center for Credentialing & Education, Inc.
認定 GCDF-Japanキャリアカウンセラー(GCDF6644-JP)
学生時代よりカウンセラー業務に興味を持ち、大学にて日本の国家資格である社会福祉士と精神保健福祉士の資格を取得。来るグローバル社会に備え、よりグローバルな視点でカウンセリングを実施できるようになるため、大学卒業後、渡英。イギリスのイギリスのコベントリー大学にて身体障害を持つ学生向けの支援を行うインターンシップに参加。帰国後は、海外留学支援を総合的に行うワールドアベニューにて、留学カウンセラーとして、中高生から社会人向けの留学まで幅広い留学プログラムを提供。現在は、留学カウンセラー兼GCDF-Japanキャリアカウンセラーとして、活躍。
【もともと考えていたこと】
もともと英語が好きで、好きなものをとことん勉強し、将来に繋げたいと考え、外語系の大学や専門学校への進学を考えていた。
【留学を考えたきっかけ】
日本の外語大学の実状を知り、入学後、本当に思い描いている大学生活が送れるのか、将来に結び付く英語力を身に付けることができるのか、不安を感じた。とことん英語を学び、将来仕事で閊えるレベルの英語力を身に付けるのであれば、いっそのこと思い切って海外の大学に進学した方がいいのではないかと考えた。
【不安に感じていること】
・高校卒業後、すぐの留学はできるのか?
・日本の大学進学と海外の大学進学ではかかる費用がどのくらい異なるのか?
・大学進学のスケジュールはどのようなスケジュールになるのか?
など、わからないことが多すぎて不安を感じている。
さて、上記を踏まえ、留学カウンセリングを進めていきましょう。
日本と海外、どちらがA子さんにとってメリットが多い?
ワールドアベニューでは、大学生を対象とした留学カウンセリングも日々行っていますが、A子さんが口コミで聞いたという外語大学や外語専門学校へ進学しても、「英語を喋れるようにはならない」というご相談は非常に多くいただきます。且つ、帰国子女の学生も多く、一定レベルの英語力がもともとない学生は、交換留学やネイティブの先生との授業には食い込んでいくことがなかなかできないというお話もよく伺います。
また、経営学部や法学部、理工学部など、各専門分野における学部を卒業し、且つ、大学在学中留学もし、英語力も専門的な知識やスキルも持ち合わせている学生と、いざ就職活動で戦うとなると、卒業時に英語しか勉強してきていない英文科や外大出身者にとって英語力が低いというのは致命傷です。
英語力を活かして働けるようになりたいということであれば、「英語を学ぶ」のではなく「英語で学ぶ」力が必要です。また、日々の就学の中でいくら英語の勉強をしても、生活や友人との会話などが基本日本語となってしまうと、「本物の」英語力を身に付けるのは至難の業です。
そう考えると、A子さんが危惧する通り、現在のA子さんの状況からだと、日本の外語系の学部を卒業しても、A子さんが憧れる姿になるのは難しい可能性が高いということです。
あらためて、A子さんが感じていた日本の大学進学での不安要素を確認しましたが、A子さん、いかがですか?
A子さん:はい。実際に外語大学などへ進学した方も、その後自分で大学を休学して留学しているなどの話をきいて、だったらやっぱり最初から海外に行った方がいいなと感じます。でも…不安もあります。
留学カウンセラー:そうですよね。では、A子さんが興味を持っている「海外大学進学」についてA子さんの感じている不安にも答えながら説明していきましょう。
海外大学進学は、近年非常に人気のある留学です。
今、日本の大学在学中に1年間、休学・認定留学、交換留学などで渡航する方は非常に多いです。しかし、大学生以上の年齢での英語力の向上は、まだまだ頭も柔らかく、吸収力の高い中学・高校時代と比較してやはり伸び悩みがあることも事実です。勉強のコツをつかんでいる大学生以上の留学ではTOEICのスコアを伸ばすことはできても、ネイティブ相当の発音力や表現力を身に付けるのは難しいと感じる方が多いのです。
1年間の留学でも、きちんと適切な負荷をかけ、ネイティブ環境での就学や学習のできる留学プランで渡航すれば、一定レベルまでは英語力を伸ばすことができます。しかし、やはり2年、3年と海外で生活し、海外の高校や大学を卒業した留学生と比較するとその差は歴然です。
今はまだよいと思います。しかし、今現在、現役の中学生・高校生の子たちが社会に出る10年後には、「英語ができる」ことはもはや武器ではなく、できて当然のコミュニケーションスキルの一つになっていると考えられます。
そう考えると、日本の大学へ進学し、プラス1年間休学して留学し、TOEIC800点では意味がありません。
よって、A子さんが考える通り、本当に仕事で生かせる英語力を身に付けたいと考えるのであれば、「海外の大学へ進学する」という選択肢は非常に有意義な選択と言えます。
A子さん:良かった!海外への大学進学っていう選択肢は間違っていないんだ!
留学カウンセラー:
そうですね。ただ、ここで出てくるのが「不安」です。
今まで日本の大学へ進学することを中心に考えていたA子さんとそのご両親様にとって、A子さんの将来のことを考えると海外大学進学は非常に有意義な選択肢ではあるものの、留学にかかる費用やスケジュールなど不安が多いのも事実です。
大学進学するならどこの国がベスト?
留学カウンセラー:
では、次にAさんが抱えている不安に答えていきたいと思います。ただ、留学にかかる費用や大学進学までのスケジュールは留学する国によって大きく異なります。よって、ご不安な点にお答えする前に、留学先の国についてお話ししたいと思いますがいかがですか?
A子さん:お願いします!国もどうやって選べばいいのかわからなかったんです。
漠然と憧れがあるのはアメリカやイギリスなのですが、治安面や費用面ですごく不安です。安心して留学できて費用も抑えられるような留学先ってどこですか?
留学カウンセラー:
ワールドアベニューでは、主要英語圏(アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、アイルランド)を取り扱っています。その中でも、大学進学先として近年注目度が集まるお勧めの国はオーストラリアです。
A子さん:へー。オーストラリアは学校の修学旅行で行きました!コアラがとてもかわいかったし、人もすごく暖かくていいところだなと思いました。でも、どうしておすすめなのですか?
留学カウンセラー:オーストラリアの大学進学をお勧めする理由は大きく3つあります。
1、治安、時差、気候などの環境面
2、教育水準の高さ
3、コストパフォーマンスの高さ
1、治安、時差、気候などの環境面
大学進学ともなると、その後の現地就職の可能性も踏まえ、長期にわたる留学となります。日本でも大学進学時に初めて親元を離れ1人暮らしを始めるという方も多いと思いますが、初めての1人暮らしが「海外」となるとその不安は増大するかと思います。
しかし、オーストラリアであれば、アメリカやイギリスのような時差はなく、最大でも2時間の時差で、いざという時もすぐに連絡を取り合うことができます。また、日本から多くの直行便が随時飛んでおり、長期休暇中の行き来も比較的簡単です。気候もカナダのようにマイナス20度、30度となることはなく、年間を通じて温暖で、世界の住みやすい都市ランキングで常に主要4都市が上位10位にランクインするぐらい治安もよいため、安心して生活できます。
2、教育水準の高さ
いくら環境がよくとも、卒業する大学の知名度があまりに低いようでは、その後の就職が不安ですよね。
ご安心ください。
オーストラリアの大学は、世界大学ランキングでもハーバード大学やオックスフォード大学など世界有数の名門大学と同様、上位100位にランクインする大学が6校に1校(アメリカは100校に1校、イギリスは10校に1校、日本は156校に1校)と高い教育レベルを誇ります。
なお、日本は中高時代(早い場合は小学校や幼稚園時代)から各教育機関のランク分けが行われますが、その軸は「偏差値」によるランク分けです。
海外のランク分けは、「偏差値」に偏ったものではなく、その大学の国際力や国際メディアでの論文の引用回数など多くの軸を持ち総合的な評価を行っています。国際的な評価基準の中で高い評価を受けるオーストラリアの大学で学位を取得することは、来るグローバル社会でも通用する学歴を手にすることができるという意味も持ちます。
3、コストパフォーマンスの高さ
オーストラリアでの大学進学はコストパフォーマンスの面でも非常におすすめです。
そもそもオーストラリアは大学が原則3年制です(一部医学部などは4年制などのところもあります)。留学生の場合、その子の高校時代の成績や、現時点での英語力次第で、プラス1年~2年間、英語学習や教養科目を勉強する必要がある場合もあります。しかし、その期間を加えたとしてもカナダやアメリカと比較すると、マイナス半年から1年と時間を短縮することができます。
つまり、半年から1年間分の学費と滞在費を節約することがでます。
且つ、オーストラリアでは留学生でもアルバイトができます。時給も比較的高めなため、長期休暇などを利用するとお小遣いはもちろん、日々の生活費を賄うこともでき、他国と比べると全体の生活費を3分の2程度節約できます。
A子さん:へぇ。。。知らなかった。オーストラリアってすごいところなんですね!!もう少し具体的な留学のスケジュールや費用面を知りたいです。
出発のタイミングと大学進学のスケジュール
留学カウンセラー:
そうですね!いただいていたご質問に答えていきましょう。
「高校卒業後、すぐの留学はできるのか?」
このご質問は、「大学進学のスケジュールはどのようなスケジュールになるのか?」と併せて回答していきましょう。
まず、「高校卒業後、すぐの留学はできるのか?」
回答は……、できます。
海外の大学は原則的に日本のような「入試」がありません。大学への入学に必要なのは、高校時代の成績と入学規定を満たす英語力の証明が必要です。よってすでに大学入学に必要な英語力と成績をお持ちの場合、オーストラリアの大学の入学日程7月または2月から入学いただけます。
ただ、残念なら、上記の二つを高校卒業と同時に持ち合わせている方は多くありません。
A子さんの場合もしかりです。
A子さんの現在の英語力は英検2級でしたね。
英検は各級の幅が非常に広く、一言に2級と言っても、準1級に近い2級なのか、準2級に近い2級なのかによって、大学進学前の語学研修期間が異なります。
一般的にオーストラリアの大学ではIELTS(アイエルツ)、またはTOEFL(トフル)などが英語力の証明として認められます。英検2級はIELTSに換算すると、3.5から5.0の間です。
IELTSは0.5伸ばすのに、約10週間必要と言われます。
例えばA子さんの英語力がIELTS 4.0だったと仮定し、大学入学規定の6.0、6.5レベルまで伸ばそうとすると平均的に40週間から45週間(約10ヵ月間)の事前語学研修が必要となります。
よって、3月に日本の高校を卒業後、渡航し、約10ヵ月間語学研修を行い、翌年の2月、大学進学という流れが、「大学進学のスケジュール」になります。
また、A子さんの高校時代の成績がA子さんの希望する大学の入学規定に対し、足りなかった場合、ファウンデーションコースと呼ばれる一般教養科目を受講し、一定の成績を修めたうえで、大学に進学する必要があります。
ファウンデーションの入学規定の英語力はIELTS5.5から6.0と大学へ直接入学するよりも低めです。
先程の大学直入学と同様に、A子さんの英語力をIELTS 4.0だったと仮定すると、25週間から30週間(約6~7ヵ月間)の事前語学研修が必要となります。
よって、3月に日本の高校を卒業後、6月、7月頃に渡航し、約6~7ヵ月間語学研修を行い、翌年の2月、ファウンデーションへ入学、通常ファウンデーションは1年間のコースとなるため、翌々年の2月に大学進学となります。
また、これは次の質問の答えともつながる内容なのですが、オーストラリアで大学進学しようと思った場合、直接大学に進学する方法だけではなく、TAFE(テイフ)と呼ばれる、日本でいうところの専門学校または短期大学のような教育機関を経由し、大学へ編入するという大学進学ルートもあります。
TAFEはTAFEと提携のある大学への編入ができる、つまり、同じ単位数が取得できるにもかかわらず、学費が大学の学費の約半分のため、費用を抑えて、学位を取得したい方にはお勧めです。
オーストラリアの大学へ進学する場合の費用
A子さん:いろんな進学ルートがあるんですね。
それぞれの進学ルートだと、どのくらいの費用がかかるんですか?
留学カウンセラー:最後のご質問でしたね。
まず、日本の大学進学の場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
A子さんがもともと考えていたのは東京の私立大学で、1人暮らしをする予定になっていましたね。
【日本の大学進学】
+大学の入学金40万円
+(大学の学費 年間150万円×4年間)
+(生活費(仕送り) 月10万円×48ヵ月間)
+その他経費(オープンキャンパス見学費、帰郷の際の費用など)
-アルバイト収入
=1,120万円~
【オーストラリアの大学進学】
大学直入学:
+語学研修費用 100万円/10ヵ月間
+(大学の学費 年間200万円×3年間)
+(生活費 月10万円×48ヵ月間)
+渡航費(航空券、海外留学生保険、ビザ申請費用など)
-アルバイト収入
=1,180万円~
ファウンデーション経由:
+語学研修費用 60万円/6ヵ月間
+ファウンデーション 200万円/年
+(大学の学費 年間200万円×3年間)
+(生活費 月10万円×60ヵ月間)
+渡航費(航空券、海外留学生保険、ビザ申請費用など)
-アルバイト収入
=1,460万円~
TAFE経由:
+語学研修費用 60万円/6ヵ月間
+(TAFEの学費 年間100万円×2年間)
+(大学の学費 200万円/年)
+(生活費 月10万円×42ヶ月間)
+渡航費(航空券、海外留学生保険、ビザ申請費用など)
-アルバイト収入
=1,080万円~
TAFE経由なら、日本での大学進学とほとんど変わりません。
オーストラリアの場合は日本での大学生活同様、アルバイトもでき、北米と比較すると全体的な費用を抑えることができるため、安心ですね。
A子さん:なるほど!わかりました。ありがとうございます。
ちなみに、一応英検2級はもっているものの、今は全然喋れません。留学も2年目、3年目となれば、海外生活にも慣れていくかもしれませんが、渡航してすぐは困ることばかりだと思います。
風邪をひいたときやケガをしたときはもちろん、バイト探しやホストファミリーとのトラブルなど、誰かに相談できたりしますか?
留学カウンセラー:はい、できますよ。
A子さんの場合、どの進学ルートで進むにしても最初の半年から約1年間は語学研修期間となります。英語で英語の勉強をしながら、英語力の伸ばしていく期間です。最初は英語力が低いため、コミュニケーションミスが起こりやすくトラブルにも巻き込まれがちです。ワールドアベニューでは、留学後にも現地のオフィスにて、ワールドアベニューの現地スタッフが銀行口座の開設や携帯電話の契約方法、アルバイトの探し方や家探し、進路相談、24時間の緊急時のサポートなどを行っています。よって、初めての海外留学、海外生活にも安心してチャレンジしていただけます。
A子さん:現地にもワールドアベニューのスタッフさんがいるんですね!それならとっても安心ですね!!
お父さん、お母さまにももう一度相談してみます!
留学カウンセラー:そうですね^^
ご両親様とご相談いただくとき先ほど説明した進学ルートのなかから、どのルートでの進学を希望するのか、も、相談しましょう。進学ルートによって、事前語学研修をどの語学学校で行うのがベストか、が異なります。
A子さん:わかりました!しっかりと相談してきます。
最後に。
いかがでしたでしょうか。
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