しかし、海外インターン参加しさえすればいいのかというとそうではありません。参加する期間や英語力によって、どのような経験を積むことができるかが変わってきます。そこで今回は長期インターンと短期インターンのメリットデメリット、そしてそれぞれのプランによって必要な費用や求められる英語力の違い、おすすめの参加期間についてご紹介します。
1. 【短期と長期】それぞれのメリットデメリット▼ |
2. インターン参加期間によって費用は変わる?▼ |
3. 参加期間によって求められる語学力が変わるのか?▼ |
4. おすすめの海外インターンシップ期間▼ |
5. まとめ▼ |
1. 【短期・長期】それぞれのメリット・デメリット
海外インターンには大きく4つの種類があります。
①短期インターン
②長期インターン
③語学研修+短期インターン
④語学研修+長期インターン です。
まずはそれぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
①短期インターン
短期インターンは平均1週間~1ヶ月間、最長3ヶ月間ほど行うインターンのことです。主にアジア圏やアメリカで実施されていることが多いプランです。
語学研修を行わない短期インターンに参加するメリットは、休学や退職の必要がない点、そして費用が安い点です。
海外インターンを考えている方の中には「海外で働く経験を積んでみたいけど、ブランクをあけることに抵抗が…」という方もいらっしゃると思います。そんな方にとって、この短期インターンは比較的ハードルが低く、チャレンジしやすいプランといえます。
また、このタイプの短期インターンは参加期間が短いため現地での生活費を抑えることで、コストカットができるという利点もあります。特にアジア圏は現地の生活費が安いことから、アメリカでのインターンと比較し費用を抑えることができるでしょう。
一方デメリットは、期間が短いことから経験するだけで終わってしまう点と、英語力がないと参加できないという点です。
就労期間が短いことにより任せてもらえる業務の幅がかったり、職場で人間関係を構築する時間が足りず現地スタッフとコミュニケーションをとる機会がほとんどなかったりすることもあります。どんな環境でどんな仕事ができるのか、事前にしっかり把握しておく必要があるでしょう。
また、語学研修をせず直接インターンに参加することになります。日本にいる間に、どれくらい高い英語力を身に着けておけるかによって、インターン先企業が変わります。しっかり英語力を伸ばしてからチャレンジしてみましょう。
②長期インターン
長期インターンは主にアメリカで実施されている12~18ヶ月間ほど就労を行うインターンのことです。このインターンへの参加を希望する場合、日本にいる間に現地企業とオンラインで面接を行い、就労先を決めてから渡航するという流れになります。
渡航期間が長い分、しっかり就労経験を積めるというメリットがあります。例えば留学経験がある方や帰国子女の方など、日本にいながら英語での面接を合格することができるほどの英語力をお持ちの方にとっておすすめです。1年以上実務経験をすることで、経験やビジネススキルを身に着けることができるでしょう。
一方デメリットは英語力など参加条件が厳しいため、参加できる方は少ないことということです。インターンへの参加目的として、英語力向上を掲げている方が多いかと思います。そんな方にとって渡航前から外国人とコミュニケーションを取ることは至難の業といえます。
また、以前は就労ビザ取得へのステップにつながるという魅力がありましたが、今はかなり難しいということもデメリットといえるでしょう。
③語学研修+短期インターン
語学研修と長期インターンどちらにも参加することができるプランは主にオーストラリアなど英語圏で開催されています。渡航期間は1年間程度で、そのうちの3ヶ月から半年間ほどインターンに参加することができます。「短期間で英語力を伸ばして実務経験をしっかり積みたい」というかたにピッタリのプランです。
このインターンに参加するメリットは本格的な就労経験を積めるという点です。3ヶ月から半年ほど働くことができるため、営業・会計・ウェブデザイン・イベントの企画や運営・カスタマーサービスなど様々な職種で働くことができるでしょう。就労期間が長いためビジネスシーンで使う英語力はもちろん、主体性や実行力、柔軟性や問題発見力など仕事をするうえで必要な能力を身に着けることができます。
また、CSR(社会貢献)の一環として学生を受け入れている企業が多いため、生徒の成長を考えてくれる会社が多いということです。自分からどんどんアピールすることで、新しい仕事に挑戦させてもらったり2つ以上の部署で働く機会を得たりすることができるでしょう。
このインターンに参加するデメリットは③語学研修+短期インターンと比較し、短期間で英語力を伸ばさなければならないということです。インターン期間が長くなる分、語学研修に充てられる期間が短くなります。日本にいる間からしっかり英語の勉強に取り組んでおく必要があるでしょう。
④語学研修+長期インターン
日本で行われているインターンはサマーインターンと呼ばれる超短期(半日から数日間程度)のものが一般的です。このサマーインターンは企業が採用活動の一環で夏頃に行う、学生に職場体験をさせてくれる催しのことです。基本的には企業が学生に自社のことを知ってもらう場として実施します。近年「インターン」に注目が集まっているからか、よくインターンを「業界研究」「自己分析」する場として推奨している記事などを見かけます。しかし、日本のインターンは先述しているように採用活動の一環としてサマーインターンを実施しているため、そもそも自己分析もできていない、業界のこともわかっていないような学生はインターンの選考にすら受かりません。日本の短期インターンは体験の場というより選考の場に近いとお考えいただいた方がよいでしょう。
対して海外では平均3ヵ月間にわたる長期のインターンシップが一般的です。また受け入れる企業側の目的も採用活動というより社会貢献としていることがほとんどです。
長期間就労することによって、ホストカンパニーの業務について実践的に学び、人間関係も構築することができるます。業務に関する研修を終えた後にはお客様扱いではなく、社員の一員としてさまざまな業務に携わることになります。目的は採用ではなく、その学生に対し社会にでて活躍するうえで必要な経験を与えることにあるため、より実践的かつ本格的な就業経験を積むことができるのです。さらにそこは日本ではなく海外です。多文化な社会で働くことにより日本では得られないマルチカルチャーの経験を積むことができます。
2. インターン参加期間によって費用は変わる?
海外インターン参加にかかる費用は以下の通りです。
インターン参加費用、(語学研修を行う場合)学費、ビザ申請費用、航空券代金、海外留学生保険代金、現地での生活費など渡航する国や期間、語学研修の有無などによって、料金は大きく変わります。ここではそれぞれプランに参加した場合にかかる費用についてご紹介します。
デメリット1.語学留学や学部留学と比べて勉強できる時間が短い
語学留学や海外の大学で授業を受ける学部留学の場合、すべての時間を勉強に充てることができます。しっかり勉強したいという方におすすめのプログラムといえるでしょう。一方で海外インターンの場合、目的は「英語を勉強すること」ではなく「学んだ英語を使って海外の企業で働くこと」にあります。結果、語学研修に充てる時間は短くなります。
短い期間でビジネスシーンで通用する英語力を身につけるのはそれ相応の努力が必要です。また、インターンの選考を通過し、無事仕事を始められたとしても、ネイティブとの英語力の差に苦労することは多いことから、忍耐力やストレス耐性も重要となります。勉強だけが目的ではない留学プログラムがゆえに、とにかく勉強に集中したいと考えている方に海外ビジネスインターンはむきません。ただ、英語を勉強する明確な目標・目的を常にもち続けることができるという点やインターン開始後はネイティブ環境に身を置くことができるという点などから、英語力の向上機会は多いとも言えます。
学校で勉強できる時間が短いというデメリットを踏まえてでも挑戦しようという覚悟をもって挑戦しましょう。
①短期インターンにかかる費用 合計:約26~47万円
アジア圏などで約1ヶ月間インターンに参加する場合の費用の内訳は以下の通りです。
項目 | 費用 |
---|---|
インターン参加費用 | 約10~20万円 |
ビザ申請費用 | 約5,000円 |
航空券代金 | 約10~15万円/往復 |
海外留学生保険 | 約1.5万円/月 |
生活費 | 約4~10万円/月 |
参照:フィリピン、カンボジアやアフリカ、東欧での短期インターンシップとの違いは?
②長期インターンにかかる費用 合計:約386万円~(- 現地収入)
アメリカで1年間インターンに参加する場合の費用の内訳は以下の通りです。
項目 | 費用 |
---|---|
インターン参加費用 | 約30~50万円 |
ビザ申請費用 | 約40万円 |
航空券代金 | 約15/往復 |
海外留学生保険 | 約1.5万円/月 |
生活費 | 約15万円~/月 |
アメリカでのインターンは有給のため収入次第で上記の料金よりも費用を抑えられる可能性もあります。
③語学研修10ヵ月間+短期インターン1~2ヵ月間にかかる費用 合計:約280万円~
1年間の渡航のうち、10ヶ月間語学留学に通い2ヶ月間インターンに参加する場合の費用の内訳は以下の通りです。
項目 | 費用 |
---|---|
インターン参加費用 | 約10万円 |
語学研修費用 | 約110万円~ |
ビザ申請費用 | 約10万円 |
航空券代金 | 約10~15/往復 |
海外留学生保険 | 約1.5万円/月 |
生活費 | 約10万円~/月 |
④語学研修4ヵ月間+長期インターン3~6ヵ月間にかかる費用 合計:約230万円~
1年間の渡航のうち、4ヵ月間語学留学に通い3~6ヵ月間インターンに参加する場合の費用の内訳は以下の通りです。
項目 | 費用 |
---|---|
インターン参加費用 | 約10万円 |
語学研修費用 | 約70万円~ |
ビザ申請費用 | 約5万円 |
航空券代金 | 約10~15/往復 |
海外留学生保険 | 約1.5万円/月 |
生活費 | 約10万円~/月 |
以上の料金を比較すると、①の短期インターンの方がもっとも費用を抑えることができることが分かります。ただ、費用対効果を考えると、しっかりと勉強もできインターンでも本格的に経験を積むことのできそうな④の語学研修+長期インターンが魅力的です。
先述しているメリット・デメリットと踏まえ、プランを選ぶようにしましょう。
3. 参加期間によって求められる語学力が変わるのか?
海外インターンというと参加するうえで高い英語力を求められる印象をお持ちの方も多いと思います。実際、制度やプログラムによっては参加する時点で高い英語力を求められるものもあります。
では、参加するインターンの期間によって求められる英語力は変わるのでしょうか。英語力別に参加できるインターンの期間と内容について紹介いたします。
英語力が初級レベル(TOEIC500点未満)の場合
期間:数日から1ヵ月間程度
内容:日本人に対してサービスを行う日系企業で働くことが多いです。基本的に仕事は日本語を使うことが多いため、英語力に自信がない方でも安心です。社内に現地で採用された外国人が働いている企業もあるため、最低限英語でコミュニケーションを取れる必要があります。
インターン開始前に語学研修が組み込まれているプログラムであれば英語環境でのインターンに挑戦いただくことも可能です。
英語力が中級レベル(TOEIC500~750点)の場合
期間:数日から3ヵ月間程度
内容:現地企業とも取引がある日系企業でのインターンになるケースが多いです。いずれにしても日本人と外国人一緒に働いていることが多いため、日本語と英語どちらも使う機会があるでしょう。日常会話程度の英語力を身に付けている方にとって、外国人と仕事をする経験ができることは大きな刺激になります。
ただ、任される業務はいわゆる作業的なものが中心です。インターン開始前に語学研修が組み込まれているプログラムであればより難易度の高い仕事に挑戦させてもらえる機会もふえるでしょう。
英語力が上級(TOEIC750点以上)レベルの場合
期間:数日~1年半程度
内容:日系企業であっても英語環境の職場、または現地の企業で働くことができるでしょう。就業中はほぼ英語環境となることが多く、社内コミュニケーションや電話対応などを行うことができる英語力が必要です。働くなかでビジネスシーンにおける英語を習得できるだけでなく、様々な仕事を任せてもらえる機会が得られるでしょう。
事前語学研修でビジネス英語を学んでおくと企業の選択肢や業務の幅をより広げることができるでしょう。
このように英語力によって働ける期間や環境、携われる業務内容は大きく異なります。
いずれにしても、渡航前から英語力を伸ばしておかなければならないという点は変わりありません。英語力が初級から中級の方は語学研修付きのプログラムを選ぶことをお勧めします。また日本にいる間からできる限り英語力を伸ばしておきましょう。
4. おすすめの海外インターンシップ期間
海外インターンに挑戦するなら参加期間が1年間のプランが最もおすすめです。
各インターン期間のメリット・デメリットでもご紹介していますが「海外の企業で本格的な就労経験を積みたい」と考えているのであれば、短期ではなく長期でインターンすべきです。就労期間が長ければ長いほど、様々な仕事に挑戦する機会を得ることができるからです。
また英語力初中級以下の方でればより充実した経験を得るためにも語学研修がふくまれたプログラムがおすすめです。前項でもお伝えした通り、英語力によって就労先企業や仕事内容が変わる可能性があるからです。
5. まとめ
いかがでしたでしょうか。海外インターンの期間ごとのメリット、デメリット、期間によって異なる求められる英語力や費用など、違いはご理解いただけましたでしょうか。現在の英語力や費用で参加するとしたらどの期間がベストなのか?プロの留学カウンセラーに相談したいという方は、お気軽に「無料留学カウンセリング」をご利用下さい。