私は2007年2月より、一年間、オーストラリアのシドニーに語学留学に行きました。とはいっても、そのうち3カ月程は現地でできた友人と、パースで暮らしました。
到着した当時は、もちろん戸惑うことは多かったです。自分とまったく異なる考え方や価値観を持つ他の外国人留学生の方々に対し、ひるんでしまったり、率直に意思を伝えられないこともありました。
しかし、一か月のホームステイ生活を通じ、この壁を取り払うためには自ら働きかけなければならないと思いました。
ホー ムステイにはもちろんとても多くのアドバンテージがあります。カナダに留学していた友人の話ではホームステイだったからこそ充実した日々が送れたというこ とです。しかし、私はより多くの人と暮らすシェアハウスを選びました。ネットで検索し、オーナーの方と連絡をとり、多くの人種が共に暮らすシェアハウスで 共同生活を始めました。もちろん最初は大変なこともありました。しかし、私は次第に自分の意思をきちんと伝え、相手の話も正しく受け取るコミュニケーショ ン能力が培われていくのを感じました。
その後も学校での学習はもちろん、いろいろな人たちとの交流を通して、自然な英語が身についていくのを感じました。
最終的には、目標としていたケンブリッジ検定にも合格し、自分の会話能力に自信も持てました。
留 学の経験は就職活動においてとても役に立ちました。というより、社会で生きるために必要な能力を一年間の留学で身に付けたのだと思います。面接では学生生 活で頑張ったことで留学経験を話すことができるだけではなく、「自分と異なる意見や価値観を持つ人たちと円滑にコミュニケーションを取ることができ、相手 の意見を的確にとらえ、自分の意見も的確に伝える力」が評価されたとのことでした。実際、社会に出れば自分とまったく違った境遇の人との出会いは多くなり ますし、部署が変わったりしても環境の変化にすぐ適応できる能力は社会人にとって一番大事だと人事の方からも言われました。
「どこでも 生きていける」という自信がついたのも私にとっては大きかったです。文系で経済学部に在籍する私が、IT業界のエンジニアを目指すということの発端にも、 「やればできる。できなければやり直せばいい。そして自分にはそれができる」という自信があったからだと思います。
留学には語学を習得 するということ以外にも、自分の人生に大きな影響を与え、視野を広くしてくれる効果があると思います。私は一年間でたくさんの人と出会い、様々なことを学 びました。そしてそれらは今でも自分の生きる糧となっているので、後輩から「留学したいのだけれど」という相談を持ちかけられると賛成し、激励していま す。
日本に帰りたいと思ったのはインフルエンザにかかって薬の味がものすごかったときだけでした。
大澤葵
渡航期間:2007年2月~2008年2月