オーストラリアのTAFE(テイフ)でスクリーン&メディアを学ぶMizukiさんから留学体験談をいただきました。TAFEでは、本格的な映像制作技術やディレクションスキルなどをネイティブ環境で実践的に学んでいらっしゃいます。大学3年、就活を目前に控えたタイミングでの留学は「就活からの逃げなのでは?」という葛藤もあったそうです。しかし、踏み出して得たものは、その後の人生の選択肢の広がりだったと言います。就活か留学か、迷っている方、映画や映像制作に興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。
Mizukiさんの留学概要
渡航国:オーストラリア
渡航都市:シドニー
留学プログラム:専門留学(TAFE留学)
学校:TAFE NSW
コース:Certificate IV in Screen and Media
渡航期間:2023年7月 – 2023年12月
留学相談から現在に至るまでのスケジュール
留学のきっかけ
幼少期から映画が大好きで、海外に漠然とした憧れがありました。中学・高校時代、その思いはより強くなり、海外研修機会のある高校に進学し、そこでオーストラリアでの短期留学を経験しました。その後の進学も「より長く、海外で生活したり何かを学んだりする機会を得られたら..」と留学制度のある大学・学部を選びました。
しかし、大学進学とともにコロナが流行しました。大学在学中の留学はもはや断念せざるを得ないか.. と諦めかけていた2021年の終わり、入国制限を解除する国が少しずつ増えていきました。「在学中にいけるかもしれない..!!」そう思いました。しかし、その頃にはすでに大学3年生を迎えていました。就職活動が始まり、大学在学中のことではなく、卒業後のことを考える機会が増えていきました。
将来のことを考えるに伴い、もともと好きだった映画に関連する職業に興味を持ちました。見るだけでなく作ることにも興味をもち、実際に映像制作にも携わるようになっていきました。とはいえ、それまでは見る専門だった私がいきなり映像や映画制作の企業に勤められるのか.. というと不安しかありません。
このとき、改めて留学したいと考えるようになりました。
就活をいったんやめて留学することに葛藤がなかったかと聞かれれば嘘になります。しかし、この頃には、留学の機会を利用して、以前より興味のあった映像や映画制作について学びたいという気持ちが強くなっていました。側から見れば突拍子もない考えだったと思います。しかし、幸いにも理解を示してくれる友人や応援してくれる家族がいました。特に母は「留学しなかったら後悔するよ!お金は援助してあげるから行っておいで!」と強く背中を推してくれました。ネガティブな反応をされることが多かった私にとって、とても心強い存在でした。
身近な人たちからの応援もあり、留学することを決め、リサーチを始めました。
留学プランとエージェントの決め手
留学するうえで最も重要視したのは限られた期間と予算、英語力などの諸条件のなかで「映像制作に関する勉強ができるかどうか」でした。最初に興味を持ったのはカナダの専門留学(COOP留学)でした。前半はビジネスやITなど専門的な勉強ができ、後半は学んだことに関連する分野でインターンシップできるというプログラムです。制度的にはとても魅力的だったのですが、残念ながら映像制作に関する勉強を半年程度でできるコースはなかなかありませんでした。
そんななか、ワールドアベニューの無料留学カウンセリングで提案していただいたのが、オーストラリアの専門留学でした。TAFE(テイフ)と呼ばれる州立の教育機関であれば、半年間で映像制作関連の勉強ができるコースがありました。かつ、英語力などの入学条件や費用面でも、希望の範囲内だったこともあり、このプログラムにしょう!と決めることができました。
留学エージェントには、いくつか相談させてもらいました。ワールドアベニューもそのなかの一社です。複数のエージェントのなかからワールドアベニューを選んだのは、TAFE留学を提案してくださったことに加え、対応のよさでした。さらに(これは申込後に知ったのですが)、世間は狭いもので、以前、国際交流プログラムに参加していた際に知り合った方が、ワールドアベニューのサポーターの一人として勤めていらっしゃいました。「この人がいるならしっかりサポートしてくれる!」そんな安心感もありました。
TAFE(テイフ)とは
Technical and Further Educationの略で、オーストラリア州政府が直接運営する高等専門教育機関です。最近では、職業訓練校やキャリアカレッジなどとも呼ばれています。TAFEは、就職時に即戦力として働ける人材を育成することを目的とし、英語力向上だけでなく、特定の分野における専門的な知識や技術の習得を目指します。TAFEで提供されるコースには、経営、小売業、観光とホスピタリティ、建築、公益事業、コミュニティーサービスと保健、交通輸送、製造業、技術など、さまざまな分野が含まれています。大学よりも入学規程が簡便で、学費も50-70%ほど安く、少人数制で留学生サポートも充実しており、魅力的な教育機関です。
TAFEでの学び
私が進学したのは、TAFE NSWのCertificate IV in Screen and Mediaです。
Certificate IV in Screen and Mediaでは、映画、ビデオ、テレビなど、広範なスクリーンおよびメディア制作技術に関する多岐にわたる知識と技術を身につけることが可能です。例えば、映像制作におけるカメラワークや音響技術、メディア・コンテンツの制作と編集、テレビ番組のディレクション、放送(番組をオンエアする方法)などについて学ぶことができ、卒業後にはラジオやテレビ、映画関連企業でのプロデューサーやアナウンサー、ディレクターなどを目指すことができます。
講師はいずれも映像制作やテレビの番組制作などの実務経験者で、なかには俳優経験を持つ人や、タームブレイク中にアフリカに取材に行く人などもいました。
コース詳細についてはTAFE NSWのホームページをご覧ください。
授業は実技と座学があり、実技は非常に実践的でした。例えば、映像制作の授業では映画のワンシーンを再現する授業がありました。本格的な撮影機材(カメラやマイク、ライトなど)を用いて、キャスティングなども含め、一つの映像を全て自分たちで1から作り上げていきました。他にもテレビ番組制作に伴うディレクションワークや、脚本作成なども経験しました。今まで映像制作に関することを学んだことのなかった私にとってはカメラの三脚を組み立てるところ、まさに基礎の基礎から学ばなければならないことばかりで、かなり大変でした。しかし、実際に手を動かして学べる授業方式はとても面白く、身になることも多く、非常に有意義な時間だったと思います。
「仕事」をする上で大切なこと
TAFEの授業が実践的でよかった点は、手を動かしながら技術や知識を学べたこと以外にもいろいろとあります。そのうちの一つが「仕事」をする上で大切なことは何か?を学べたという点です。それは、技術や知識だけでなく、仕事に対する姿勢や人との関係においてもプロフェッショナルであることでした。
例えば、授業の一環で、ショートフィルムの制作に携わったときのことです。大掛かりな映画制作やテレビ番組制作と異なり、ショートフィルムの制作は監督が中心となり、人員を集めていき、制作チームを作ります。一人ひとり、監督が「これはこの人に頼もう」と人選をしていくわけです。だからこそ、その信頼や期待を裏切るような行動をとると、その後、その監督やチームと仕事をする機会を失うことになります。何事においても大らかで、どちらかというと大雑把なイメージのあるオーストラリアで、とてもシビアな一面を見た瞬間でした。また、社会人としての常識.. と言われればそうなのですが、学生のうちから身をもってその厳しさを学べるのは貴重だと感じました。
第二言語であるが故の苦労
苦労したのは、英語.. もっというと「表現」です。脚本作成の際や会話の動画編集の際など、英語が第二言語の私には、どうしても辿り着けない境地がありました(苦笑)。
学生は全部で30-40名で、10名前後で1クラスずつに分かれ授業を受けていたのですが、私ともう一人ベトナムからの留学生以外は全員ネイティブでした。つまり、第二言語が故の苦労にはほとんど誰も気がつきません.. というか、こちらがネイティブの感覚を理解できないように、彼らもノンネイティブの感覚は理解できません。
結果、表現したいことが表現しきれない歯痒さは、最初から最後までなかなか拭うことができませんでした。ただ、「表現」することは言葉関係なく、例え日本語であっても、歯痒く思うことは多々あるものだと思います。何かしらの表現者であろうとすれば、今後もずっと課題なんだろうと感じています。
オーストラリア留学で得た成長と変化
まず、成長したなと感じるのは「セルフマネジメントできるようになった」点です。
留学することで、日本での人間関係が一時的にリセットされ、人と対話することでいろんなストレスを解消していた自分にとって、苦しい時期がありました。しかし、その分、自分と対話する時間を持つことができ、自分にとって何がストレスで、それがどうしたら解消できるのか.. を自分でマネジメントできるようになりました。
一方、オーストラリアでは学校生活のなかでもプライベートでも、いい出会いに恵まれました。例えば、クラスメイトとは先日ホームパーティをしましたし、ミートアップイベントで知り合った友人とはブルーマウンテン旅行にいきました。今後の人生で路頭に迷うことがあれば、オーストラリアというもう一つの居場所に戻ってくるのもいいかもしれない… と思える人間関係ができたことは、とても嬉しい経験です。
次に変わったなと感じるのは「人生の選択肢が増えた」点です。
実は、オーストラリアで学んだ知識や技術を試してみたい!と考え、先日、JAMSという掲示板で仕事を募集してみました。ありがたいことに応募をいただき、今度、日本人カップルのウェディングフォトを撮影する予定です。
帰国後のことはまだ明確に決めていないのですが、今回のように自分で仕事を作っていくのも一つだな.. と感じ、企業への就職も考えていますが、フリーランスで活動していくことも視野に入れています。
働く場所、生きていく場所も、日本以外も考えています。今回の留学を通じて、どこでも生きていけると思えるようになりました。これは日本にいては考えられなかった選択肢、発想だと思います。こういったアイディアを自分の中に持てるようになったのは留学に踏み出したからこそだと感じています。
TAFEのコースは12月中旬で終わりますが、その後1ヶ月半ほどビザに猶予があります。最後はオーストラリアでの生活を楽しみつつ、フリーの仕事などにも挑戦しながら過ごす予定です。帰国後は、写真展を出してみたいと考えています。「撮りたい」ものがあるからです。未知の世界への挑戦には、不安もありますが、今回の留学のように一つひとつの経験を糧に、新しい世界を広げていきたいと考えています。
さいごに
↑Mizukiさん撮影
最後まで体験談を読んでいただき、ありがとうございます。Mizukiさんの体験談はいかがでしたでしょうか。大学を休学しての留学には迷う方も多くいらっしゃいます。しかし、一歩踏み出した結果、Mizukiさんのようにその後の人生の選択肢を広げる方が多くいらっしゃいます。外の世界を見てみたい!という方は、人生の大きな分かれ道となる就活前に、ぜひ挑戦してみることをお勧めします。
ワールドアベニューでは、Mizukiさんが参加したオーストラリアでの専門留学に加え、留学を検討し始めた際に考えていたカナダのCOOP留学など、様々な留学プログラムを取り扱っています。留学先の国や都市、学校や制度など迷っている方は、ぜひ無料留学カウンセリングにて留学コンサルタントにご相談ください。
初回留学カウンセリングはオンライン(Zoom)にて所要時間30分程度からご利用いただけます。お気軽にご予約ください。皆様からのお問い合わせを心よりお待ちしています。