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  • 海外留学体験談
  • 2019.09.09

【体験談】苦労も多かった海外進学。そこには大きな成長もあった。

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陽花さんは2017年3月に日本の高校を卒業。その後、オーストラリアでTAFE NSW(以後、TAFE カレッジ)に進学。旅行業の勉強をし、ディプロマを取得。2019年7月末に日本に帰国されました。「楽しさ」中心のワーキングホリデーや語学留学と異なり、苦労も多かった専門留学ですが、そこには大きな成長もあったようです。

高校卒業後、みんなと違う道「海外進学」を決めた理由


留学に憧れを抱いたのは小学校の頃でした。当時、英語を習っていたんです。習っていたといっても週に1度、英語でゲームをして遊んでもらう程度の簡単なものでした。ただ、それがとても楽しかったんです。そして教えてくださっていた先生はカナダでの留学経験があり、留学中のお話もたくさん聞かせてくださいました。なんとなくですが、そのころから留学に「憧れ」があったんだと思います。

そんな楽しかった経験があったからか、中学校に進んでも英語はずっと好きな科目でした。中学校2年生で英検準2級だったので、わりと得意だったんだと思います(笑)。そして、しだいに、高校受験時は、英文科に進みたいと思うようになりました。留学への思いも忘れていません。英文科に進むことが留学への近道のように感じていたんです。

ただ、残念ながら私の通える範囲に英文科の高校はありませんでした。
そこで、高校ではなく大学で外大に進もうと考えました。将来の外大進学を踏まえ、外大に推薦枠を持つ高校(普通科)で、且つ海外に姉妹校をもつ高校を見つけ、受験しました。ただ、悲しいかな第一希望だった普通科の受験に失敗。同校の商業科に進学しました。

高校で念願の留学を経験

進学した高校の姉妹校はオーストラリアのシドニーにありました。姉妹校とは互いの生徒を交換しあう交換留学を実施しており、1年ごとに生徒の送り出しと受け入れを交互に行っていました。留学プランの内容は1週間弱の短期留学で、定員の倍率10倍以上だったと思います(笑)。

幸いにも努力の甲斐あって、選考に受かり、高校2年生のとき念願だった留学を経験しました。
1週間弱というとても短い期間ではありましたが、本当に充実した経験でした。ホストファミリーはとても素敵な方々で、つたない英語の私を一生懸命勇気づけてくれました。なんだかとても自信がついた記憶があります。

進路を決定した高校2年生の冬

最初は高校時代に留学することだけを考えていました。ただ、短期留学を経験し、大学も海外で挑戦したいと思うようになりました。

私が迷ったの進路は大きく3つありました。


1つ目は日本の外国語大学への進学
2つ目は日本の専門学校(旅行関係)
3つ目が海外進学
 です。

学校に相談すると、まず、担任の先生には、「海外進学する生徒なんてほとんどいない。日本の大学に進学し、そのなかで交換留学するのがベストだろ!!」と諭されました。商業科だったため、進学する生徒の割合も少ないなか、海外の大学や専門学校に進学するという選択肢はあまりにも突飛でした。学校の先生方は私の思考を全く理解できない…… そんな状況だったんだと思います(苦笑)。

そんななか、背中を押してくれたのは母の一言でした。

「今やらないでいつするの!?」と。

「周りがどう思うのか、一般的にどうするのが是なのかではなく、自分が本当にどうしたいのか?をきちんと考えて答えをだしなさい」そう言ってくれたのです。その日は、いろんな思いを話あっているうちに、朝4時になっていました(笑)そして、そのタイミングで、いろんな留学エージェントへ一気に資料請求しました。

国や進学パスウェイなどいろんなことを迷い、考えました。
最終的にオーストラリアに決断した理由は「安心感」です。

先述しているように、高校2年生のタイミングでオーストラリアに留学していたこと、留学した際のホストファミリーとは帰国後も仲がよかったこと、さらにケアンズ旅行したことがあり、雰囲気などを知っていたというのは大きいポイントでした。ワールドアベニューを選んだのは、担当カウンセラーさんがいろんなエージェントのなかで一番話しやすかったからです(笑)。

躓くことも涙することもあった1年目


私が選んだ海外大学進学までのパスウェイは以下のようなものでした。

1.TAFE カレッジ 英語コース
英語研修 Diplomaに入学するための英語力を身につける

2.TAFE カレッジ Diploma
「専門士」と呼ばれる課程の修了を目指す

3.大学2年次編入
TAFE カレッジから編入パスのある大学の2年次編入。その後卒業を目指す

という流れでした。

オーストラリアで大学を卒業するまでのパスウェイはいくつか種類があるのですが、費用と時間を最も抑えるという点で上記のパスウェイを選びました。

英語や海外での生活など、心配すべき点はたくさんあったと思うのですが、出発するまで、特に大きな心配はありませんでした。もちろん楽しみだったから、ということもありますが、どちらかというと、「やってやるぞ!!」という覚悟が決まっていた、ということが大きかったからだと思います。

ただ、めっちゃ、壁にはぶつかりました(笑)

ぶつかった壁を、大きく2つに分けて紹介します。
1つ目は、「もうちょっとだけ褒めてほしい……」 厳しめホストファミリー
2つ目は、「失敗したら人間失格!?」プレッシャーに押しつぶされそうだった英語研修

1.「もうちょっとだけ褒めてほしい……」厳しめホストファミリー


高卒ですぐ留学したという理由、できる限り英語環境にいたかったというこの2つの理由から、語学研修中はホームステイに滞在すると決めていました。ホストファミリーはレバノンという中東の国出身の方でした。
お子さんがいらっしゃったので、学校が終わると毎日1~2時間程度一緒に遊ぶよう心がけていました。5歳にもならない幼い子供たちの英語は本当に容赦なく、英語力の向上という意味ではかなりよい環境だったように思います。(勉強しているときでも子供たちが入ってきてしまい、勉強にならない時も多々あった…… ということもありますが(苦笑))

ただ、マザーは、生活や勉強に対し、やや厳しめの方でした。
マザーの英語をスムーズに聞き取ることができなかったり、言いたいことを上手に表現できなかったり、そういった失敗(?)が重なると、「なぜ陽花はいつまでたっても話せるようにならないのか?」とやや厳しめのお言葉が飛んできます。以前にも日本人留学生が滞在していたことがあったようで、ちょこちょこ、その以前の方と比較もされました。「あの子はもっと…」そんな言葉を聞くたびに、「あぁぁぁぁぁぁ、、辛っ!!」って思ったのを覚えています(笑)

ある日、かなりストレスがたまっていたのか、突然涙があふれだしてきた…… なんてこともありました。
そんなとき、韓国人の留学生が新たなホームステイメイトとして入ってきたんです。自分の英語力のなさを相談すると、「私もホストマザーの英語、聞き取れないこと、たくさんあるよ!!笑」と教えてくれたのです。それをきっかけに「苦労するのはあたり前!」と割り切れるようになり、気持ちも少しずつ楽になっていきました。

2.「失敗したら人間失格!?」プレッシャーに押しつぶされそうだった英語研修


辛かった経験2つ目は、「失敗したら絶対にだめ」という自分で自分にかけていたプレッシャーに押しつぶされそうになったことです。

特に、TAFEカレッジでの英語研修時代がしんどかった……
というのも、英語研修は私にとって、受験勉強と同意語だったからです。(実際、受験勉強の方がしんどいと思います(笑))

オーストラリアでは、年に2回~4回、Diploma(専門学校や大学)やBachelor(大学)に入学できる「入学日」があります。ただ、日本では1回きりですよね。やはり日本の感覚で、●●(いつ)までに、英語力をIELTS5.5相当まで伸ばさないと、入学時期がずれてしまい、進学はあきらめないといけない…… 一度でも失敗したら人生詰む!!そんな風に思っていました。そして、私には高校受験に失敗し、苦汁を飲んだ経験があります。もう二度とあんな思いはしたくない!!そんな思いから、プレジャーはどんどん膨らんでいきました。

TAFEカレッジの先生方はとても協力的で、本当に丁寧にしっかりと英語を教えてくださいました。
ただ、なぜか私のレベル?クラス?(というか入学したタイミング?)だけ、ものすっごく日本人が多かったんです。実際、他のレベルには日本人がまったくいません。(本来TAFEカレッジの英語クラスって日本人少ない)なのにも関わらず、そのときだけ物凄い日本人が多かったんです。

最初はなんとか1つずつレベルをクリアしていったのですが、EFS 3というレベルで英語の伸び悩み時期がやってきました。ホームステイファミリーとの関係で、メンタルがくじけそうになっていたタイミング、まさにそのときでした(いろいろタイミングが悪い…苦笑)

実際、EFS3のレベルは1回でクリアできませんでした。
もうそのときの私のメンタルったらありません。ズタボロです。

しかし、この失敗で始まった再EFS3のメンバーがとってもよかったんです!!
日本人はいないし、年上が多くかわいがってくれるし!
もともと仲のよかった4~5カ国語話せるレバノン人(またレバノン…)の友だちと、再EFS3で新たに出会った韓国とベトナムの学生さんとも仲良くなり、互いの弱点を補うように教えあいっこをする機会もでき、気が付けば英語力もぐんぐん伸びていきました。

そして予定通り入学に必要な英語の規定をクリアすることができました。

それまで、「失敗したら絶対にだめ!!」「落ちこぼれになったらダメ!!」とかなり張りつめていた気持ちから、失敗したからこそ得られた出会いや経験、学ぶことが多々あったためか、英語力だけではなく人間的な成長も得られたタイミングだったと思います(しんどかったですが(笑))。

実践的だったTAFE カレッジでの授業


すったもんだを乗り越えて、TAFEカレッジのディプロマと呼ばれるコースに無事進学しました。私が専攻していたコースはツーリズム(旅行業)です。進学後も、実はいろいろあったのですが、結論、TAFEカレッジでの勉強は、とても実践的で勉強になったと感じています。

ディプロマコースでは1クラス15名程度、3人の先生がそれぞれ1授業を行い、週3回授業があるという感じでした。なかでも、印象に残っているのは、実際にツアーを組んで集客を行い、そこから利益を生み出すという授業です。

チームメンバーの編成は、能力的な偏りが出ないよう、ある程度先生がコントロールし、留学生とネイティブの学生を混ぜたメンバーになっています。当然、ツアーの企画から集客、当日の運営など、すべて自分たちで行います。

私たちのグループが企画したツアーは「ハロウィンのツアー」でした。
1日の流れは、ジェットボート→メイクアップ→コーヒータイム→夜ごはん→ロックスでのハロウィンイベント です。

集客はツアー企画後、フライヤーを作ったり声掛けをしたりして、他のクラスの先生やクラスメイトを集客しました。また、メイクアップは、TAFEカレッジの同じ建物内にメイクアップコースが開講されていたため、そのコースの学生に協力依頼。ほぼタダで対応してもらいました。実際にツアーを企画するに伴い、各ツアー先で値段交渉を行ったり、会場の下見から当日の交通手段や食事の準備を行ったり、さらに、当日参加してくださったお客様に満足度調査なども実施。もちろん、利益計算も行いました。いろんな意味で結構本格的だったと思います。

そしてうれしかったのは、満足度調査の結果、90%以上の参加者から「満足だった」という評価をいただいた点です。さらに、利益はとんとんというチームが多いなか、利益200ドル以上!!という最高値をたたき出せたことです。
学生が授業の一環として行うものなので、お客様が支払う参加費の最高額は50ドルまでで、当授業の合格点は利益が1ドル以上であることです。そんななか、200ドル以上の利益を出せたという経験は、大きな自信につながった経験でした。

他にもTAFEカレッジに通ってみて、驚いたことや良かったなと感じることは、
・(ネイティブの学生で)就職が決まったので途中で退学します という生徒がいる
・就活イベント(エキスポ)に参加できたことでいろんな会社のいろんな話を聞くことができた
 などです。
例:スリランカでリゾート経営している会社や、ニュージーランドの旅行会社、日本の旅行会社 など

私は旅行関係の仕事をしたいと考えていたので、お断りしてしまったのですが、そのエキスポで出会った日本のホテル経営している会社(オーストラリアでのホテル建設も考えている)から内定をいただいた!なんて話もありました。

本当に悩んだ、大学進学(編入)と帰国


今回、私は、ディプロマを終え、日本に完全帰国するという決断をしました。
帰国後は旅行業務取扱管理者の資格を取得し、旅行関係の仕事につけるよう、就職活動を行う予定です。

オーストラリアに来るとき、オーストラリアで大学まで進学しようと考えていました。ただ、ここにきて、大学に編入するか、帰国して就職するかを考えたんです。

大学卒=学士を取得することで就職の幅や就職後の昇進昇級の可能性、給与、いろんなことがプラスになるであろうとわかっていました。大手の旅行会社に就職活動するなら…… 就職してマネジメントサイドに立つようになったら…… 未来を考えると「あった方がいい」ということは理解していました。

実際、大学にもキャンパス見学に行き、大学スタッフの方にいろいろと説明してもらいもしました。
大学の設備はやはり素晴らしく、本当に「しっかり」勉強できるんだろうなという印象でした。ただ、「あったらいいな」程度で、厳しい勉強を本当に乗り越えられるものなのか?という不安もありました。

さらにいうと、将来自分のやりたい仕事をするうえで、「学士が本当に必要かどうか?」という点です。また、その「やりたい仕事」をやっていくうえで得られる収入は、学士を取得するためにかける費用とみあっているかどうか?そんなことも考えました。費用対効果ってやつですね(笑)

1人で悩んでいても答えはでないので、TAFEカレッジで培った行動力で、オーストラリアにある日系の旅行会社に直接足を運び、学士の必要性などを踏まえ、いろいろとお話を聞きに行きました。日本の最大手旅行会社の支店がシドニーにはあります。いくつか企業に足を運んだなかで日本旅行は人事の方が出てきてくださって、お話をしてくださるなんて機会もありました。

お話してくださった皆さんがおっしゃっていたのは
・日本での就職と海外での就職とは全然違う
・旅行関係の企業なら、大学行かなくても就職できる
・日本だと旅行関係の仕事に就くうえで旅行業務取扱管理者の資格を取得する人も多い
 などでした。

本当にぎりぎりまで悩み、最終的にディプロマで修了し、日本へ帰国、旅行業務取扱管理者の資格取得に向け勉強し、資格取得後、本格的に旅行関係の仕事に就くために就職活動をする!という結論を出しました。

さいごに


留学中、辛いことやしんどいこと、本当にたくさんありました。思い描いていたドラマや映画のような時間ではまったくなかったように思います(笑)。でも、正直、「諦める」「途中でやめる」という考えは留学中1度も浮かびませんでした。

かけたお金も時間も努力も無駄になること、そして応援してくれた多くの方、特に母には迷惑もかけること、私なりにきちんと理解していたからだと思います。そして、「ここでくじけたら一生逃げの人生になる」と感じていました。そんな経験を今のタイミングでできたこと、この環境を作ってくれた色んな人に本当に感謝しています。
それに、これからの人生、多少の辛さには耐えられる自信がつきました(笑)。

今回、日本に帰国するという結論を出すに伴い、本当に悩み、気がついたことがあります。
それは、人生の決断に「正解」なはないということです。
実際、私の出した結論は、すべての人が共感してくださる結論ではないと思います。
ただ、出した答えを後悔に変えてしまうか、あの時の決断は正しかったと胸を張って生きていけるかは、結局これからの自分次第だと思います。だから、海外に飛び出した経験も、学歴をディプロマで修了する、そして日本に戻る決断も、後悔につながらないように、これからも頑張っていくつもりです。

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