1.看護インターンシップに参加されたきっかけや理由
将来、海外医療ボランティア活動にたずさわろうと考えている為、語学力を身に付ける為看護研修に参加しました。
2.出発前の英語力と現在の英語力について
JET English College(オーストラリアの現地語学学校)に通って、実際にNativeの英語を聞くことで、Listening力は伸びたと思います。
3.看護インターンシップでは、どのような仕事を担当していますか?(またはしましたか?)
主に介護士の役割です。
私は主にナーシングホームで仕事をしていた為、シャワー浴、食事介助、清拭、体位変換、オムツ交換などです。
4.日本とオーストラリアの看護でどういった点が大きく違うと感じましたか?
当然ですが、清潔保持、褥瘡予防ケア等、基本的なことは同じです。
大きな違いはケアに対する考え方、観点、いわば社会的観念・習慣です。
例 えば、シャワー浴。外出をしない患者に毎日シャワー浴が必要だと日本の看護師は考えるでしょうか。Australiaでは、ほぼ全員のresidents が毎日シャワー浴をします。たとえ、所要時間が5分間で、丁寧なシャワー浴ではなくても「毎日シャワーを浴びる」という習慣が大切にされます。私なら2日 か3日に一度でいいから、足の先から頭まで丁寧洗えばいいと考えます。
5.看護インターンシップで働いた中で印象に残っていることを3つ程度あげてください。
1. Agencyの事務所の担当者がすごく優しく対応してくれたこと。
2. 受け持っていた患者さんが急変し、結局亡くなってしまったこと。
(既往にMIあり。私の推測では突然AMIとなり、そのまま亡くなりました。勿論自分がおかしいと感じた時点でRNに報告しましたが、結局手遅れです。)
3. 患者の移乗にStanding Lifter, Hoisterと呼ばれる機械を使っていること。
6.看護インターンシップでどの程度のお給料をもらっていますか?(週何時間働いて、いくらなど)
時期、週にもよりますが平均週4~5日、5~7時間程度働きます。
時給約20ドル、土曜日・日曜日は若干時給が上がります。Holidayに働くと、ダブルペイ(時給2倍)です。
7.これからの自分の目標などについて
海外の医療事情を体験して、初めて日本の医療の素晴らしさに気付きました。
人によっては「日本の医療者は働きすぎだ」と言いますが、私はその努力が患者さんの利益となって還元されるなら、本望だと考えられるようになりました。
改めて、日本で看護師を続けたいとも考えました。
正直なところ、今後の目標については検討中です。
8.これから出発される方、または現在検討されている方にアドバイスをお願いします。
正 直、仕事を始めて楽しいことばかりではありません。「看護インターンシップ」という名目で私たちは仕事に就きますが、実際働き始めたら誰も「研修生」とし て見てはくれません。エージェンシーを通して施設のヘルプをするスペシャリストとしてみなされます。たとえ自分が日本で看護師をしていた経験があっても、 知らない施設で初めて会うスタッフと、しかも英語を使ってケアを考えることは簡単なことじゃありません。そして勿論、culture shockを受けます。時には自分の意思にそむくことをしなければならないこともあります。Culture shockを文化・習慣の違いとして自分が適応できるcapacity、間違っていることをはっきりNoと言える強さが求められます。私には正直その能力 が十分でなかった為、いろんなことで悩みました。けれども、単に「Culture shock」という言葉を知っているだけなのと、実際にCulture shockを体験することは大きく違います。私は体験することで、勿論自分が日本人であること、看護師として自分がどういう教育を受け学んで来たのか、そ して自分が仕事をする上で何が一番大切なのかを考えさせられました。いつかこの苦悩が自分の将来の糧になると思っています。
皆さんも実際に体験して、いろんなことを感じてみて下さい。アドバイスとしては、英語は絶対にある程度勉強してきた方がいいと思います。
澤池 孝枝 さん
2010年10月~2011年10月
インターン先:NSW州公立病院&ナーシングホーム