1. 中学・高校でラグビー留学するなら断然ニュージーランド
「ラグビーの本場でプレーしてみたい」とはいうものの、どの国が「本場」なのでしょうか。日本人にとって野球やサッカーなどよりもややニッチなスポーツと言えるラグビーは海外の方が盛んだということはわかっていても、最も競技人口の多い国や一般的なスポーツとして学校などで取り組まれているのかまでは、なかなか知る機会がありません。アメリカやオーストラリアなども盛んなイメージがあるなか、なぜニューランドが人気なのでしょうか。その理由をみていきましょう。
歩き始めたときからラグビー!?圧倒的な競技人口数
国 | 競技人口(登録選手者数)* | 人口 | ラグビー競技率 |
ニュージーランド | 15万6074名 | 495万人** | 3.1% |
---|---|---|---|
アメリカ | 13万1748名 | 3億2775万人** | 0.4% |
イングランド | 35万5153名 | 5628万7000人*** | 0.6% |
日本 | 10万8796名 | 1億2652万9100人** | 0.08% |
上記は世界ラグビー協会の統括団体・ワールドラグビーの統計です。
ワールドラグビーに登録している選手をその国の総人口で割り、本格的にラグビーをしている割合を算出したところ、他の諸外国と比較しニュージーランドが圧倒的にプレーされていることがわかります。
歩き始めたときからラグビーをしているというほどラグビーが身近なニュージーランドでは、子供から大人までの幅広い層が現役でプレーしています。結果、ワールドカップ史上最多の3回優勝という快挙を成し遂げたニュージーランドは、いわゆるラグビーの「本場」であり、ラグビー留学先として最も有力な渡航先と言えるでしょう。
*WORLD RUGBY YEAR IN REVIEW 参照
**外務省各国基礎データ参照
***office for National Statisics England population mid-year estimate参照
国が決まれば、次に悩むのは渡航時期ではないでしょうか。フィジカルコンタクトが競技の主体とも言えるラグビーを海外の強靭な肉体をもつ選手たちのなかで挑戦するとなると、まだ体のできあがっていない中学生・高校生は時期尚早なのではないだろうか…と悩む方もいらっしゃるようです。
しかし、競技人口の多いニュージーランドでは、わずかな年齢で大きな体格差の生じる時期だからこそ、年齢ごとに環境を整備しています。その充実度の高さは、5歳以下のクラブチームもあるほどです。チームは年齢によってU14、U15など年齢別で編成されるほか、U14のなかでも1軍・2軍・3軍というように複数のチームに分かれます。2軍リーグや体重制限のある試合などに参加することができるため、ニュージーランド人より体の小さい日本人でも試合に出るチャンスを得ることもできます。日本のように1軍しか試合に参加できないということは基本的にありませんので、自分のレベルにあった環境でのびのびプレーすることができるでしょう。早い時期から本場のトレーニング方法を学び、より高い技術や知識を身に付けることでその後の成長にもプラスの経験になるはずです。
2.ラグビー留学プログラム 概要
ニュージーランドでのラグビー留学について、プログラム期間、ラグビーへの参加方法、そして留学中のスケジュールについてご紹介します。
ラグビー留学の期間
① 3ヵ月ほどの留学(ターム留学)
ターム留学は海外でラグビーに挑戦してみたいという思いはあるものの、長期間の海外生活には不安があるという方におすすめです。ラグビーのシーズンであるニュージーランドの冬、つまり日本の夏休み前後約3ヶ月間、ニュージーランドでの3学期目に渡航するのがおすすめです。夏休み以外の期間は休学となるケースが多いです。(高校によっては単位移行を行う「交換留学」という形式を取るとこともあります。諸条件は各学校にご相談ください)
② 1年間の留学(1年留学)
将来、世界を舞台にラグビーをプレイしたいと考える方にとって、本場でラグビーをプレーすることはもちろん、英語力や異文化理解力を身に付けることも重要なポイントです。1年間ニュージーランドの中学・高校に通うことで、海外ならではの自然や食文化、イベントを楽しむことができるでしょう。またクラスメイトやホームステイ先の方とより深くコミュニケーションをとる経験は、将来にも繋がるはずです。学校でラグビーに参加できる時期には限りがありますので、通年でラグビーをプレーしたいという場合は地域のクラブチームに所属するとよいでしょう。
③ 1年以上の留学(ニュージーランドの高校の卒業を目指す卒業留学)
本場・ニュージーランドでラグビーをプレーしてみたいしたいというだけでなく、実際に試合にでたいと考えている方、また、将来は海外の大学進学も視野に入れているという方におすすめです。通年でプレーしたい方は学校のスポーツの授業以外に、スポーツアカデミーや地域のクラブなど様々な機会を活用することをおすすめします。チームメイトと深い結びつきを持つことやよりレベルの高いチームでのプレー経験、試合への参加のチャンスなども得られるはずです。また、長期間海外生活するなかで日本と違う価値観に触れ自分自身を成長させられるうえに、英語力も伸ばすことができるでしょう。将来は日本の大学だけでなく海外の大学への進学も可能になります。
参加方法について
次に、ニュージーランドでラグビーに参加する方法をみていきましょう。
①スポーツの授業に参加する
ニュージーランドの中学・高校のスポーツ科目は、季節によって内容がかわります。多くの中高では冬のスポーツ科目としてラグビーがプレーされています。学校によっても異なりますが、一般的に3月〜8月中旬にかけて行われています。授業の一環としてラグビーができるので、現地の生徒と一緒に気軽に体験することができます。まずは海外でラグビーにチャレンジしてみたいというターム留学希望の方におすすめです。
②ラグビーアカデミーに参加する
ニュージーランドの中学・高校の中でも特にスポーツに力を入れている学校では、授業とは別に、ラグビーアカデミーというラグビーに特化した集中トレーニングプログラムを開催しています。集中してラグビーに打ち込みたいという方におすすめです。
③地域のクラブチームに所属する
地域のクラブチームでは、シーズンに関係なく、ラグビーを練習する機会を得られます。学校のスポーツの授業でラグビーに参加する場合、シーズンオフ(9月以降)はラグビーの活動ができなくなります。そのため、1ターム以上留学する場合、中学・高校での授業に加えて、地域のクラブチームに所属してラグビーをすることをおすすめします。
ニュージーランドでラグビーをするには、現地の中学・高校に通う必要があります。ラグビーが目的の留学でも学校の授業を受ける必要がありますので、勉強がおろそかにならないようにしましょう。
留学中の1日のスケジュール
ラグビー留学をする場合のスケジュールをみていきましょう。ここではおすすめ校で紹介しているRotorua Boys High School(ロトルア・ボーイズハイスクール)の長期ラグビープログラムに参加した場合のサンプルスケジュールをご紹介します。
まず6時30分から朝のトレーニングが始まります。1時間半ほど練習した後、8時から朝食の時間になります。その後9時から11時までの2時間は学校の授業に参加し勉強にいそしみます。休憩の後はラグビーの練習と学校の授業を1時間ずつこなし、昼休みになります。1時間授業に参加した後、放課後のラグビートレーニングが行われます。
1日約5時間もラグビーに専念することができるという最高の環境が整っています。また毎日4時間授業を受けるので、勉強がおろそかになるということはありません。
ロトルア・ボーイズハイスクールに通う場合のサンプルスケジュール(平日)
6:30 | 朝練(1時間30分) |
8:00 | 朝食 |
9:00~11:00 | 授業 |
11:00~11:25 | 休憩 |
11:25~12:25 | 個別トレーニング(1時間) |
12:25~13:25 | 授業 |
13:25 | 昼食 |
14:00~15:00 | 授業 |
15:30~17:00 | トレーニング(1時間30分) |
17:45 | 夕食 |
3.ラグビー留学 おすすめの学校3選
ここでは具体的にラグビー留学先としておすすめの学校を3校ご紹介します。
・ロトルアボーイズハイスクール
・ワイヌイオマタ・ハイスクール
・マッセーハイスクール
ロトルアボーイズハイスクール
ラグビーニュージーランド代表チームであるオール・ブラックスの選手を9人も輩出していることで有名なロトルアボーイズハイスクールでは、授業とは別にスポーツアカデミーという本格的な部活動が行われています。1日で約5時間、1年を通してラグビーに専念することができる長期ラグビープログラムを設けているので、ラグビーに集中したいという方におすすめです。参加条件はなく、どなたでも参加することが可能です。
対象 | Year9~13(中学校1年生から高校3年生)の男性 |
留学期間 | 最短1ターム(10週間) |
学費 | 1年間=約150万円 ※ラグビーアカデミー費用として1年間=約57万円別途必要 |
ロケーション | ロトルア |
ワイヌイオマタハイスクール
ワイヌイオマタハイスクールでは2軍・3軍の方にも試合に参加してもらうため、2軍リーグや体重制限のある試合などに参加しています。日本のように1軍しか試合に参加できないというような状況なるようなことは基本的にありません。また、ワイヌイオマタハイスクールでは7人制ラグビーも行われています。
対象 | Year9~13(中学校1年生から高校3年生)の男女 |
留学期間 | 最短1ターム(10週間) |
学費 | 3ヵ月間(1ターム)=約45万円、1年間=約160万円 |
ロケーション | ウェリントン |
マッセーハイスクール
ニュージーランド最大都市オークランドにキャンパスを構えるマッセーハイスクールは都心のオークランドの中でもラグビーに力を入れている学校です。全校生徒1,700名、うち長期留学をしている学生は12名ほどの公立の共学校です。
マッセーハイスクールはスポーツが盛んで、その中でも特にラグビーは授業の一環として参加できるプログラムの一つです。フィジカルスキルの向上はもちろん、ラグビーを通してリーダーシップや社会性を養うようなカリキュラムが組まれています。
対象 | Year9~13(中学校1年生から高校3年生)の男女 |
留学期間 | 1週間から受入可能だが、1ターム(約10週間)以上が望ましい |
学費 | 3ヵ月間(1ターム)=約42万円、1年間=約150万円 |
ロケーション | オークランド |
まとめ
いかがでしょうか。ニュージーランドでのラグビー留学は、レベルの高い環境のなか、自分のレベルにあったチームでプレーができるという点が魅力です。ご自身の状況に合わせて留学期間やプレー方法を選ぶこともできるので「私にはどんな方法が一番いいのかな?」という方はぜひ留学カウンセリングをご利用くださいね。