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カナダ留学を選ぶ理由「カナダの英語がキレイ」は本当?

「英語を学ぶなら、どこの国がいいの?」そんな問いに対して、留学先としてカナダを選ぶ人が着実に増えています。その理由の一つに、「カナダの英語がキレイだから」という点が挙げられます。ただ、果たして本当にカナダの英語はキレイなのでしょうか。「カナダ英語」で検索してみると、下記のような内容がトップに出てきます。

アメリカ英語と語彙を共有しつつ、イギリス英語の用語を持つ。カナダの綴りは、イギリス英語とアメリカ英語の要素で構成される。カナダ英語にだけ存在する表現もあり、フランス語の影響を多くの分野で受け、地域によって多様性がある。約1700万人のカナダ人(人口の58.8%)は、英語を第一言語(母語)にしている。
-Wikipedia

カナダ英語は、語彙はアメリカ英語と同じものを使うことが多く、例えば「エレベーター=elevator」「トラック=truck」「ガソリン=gas」など、日常生活ではアメリカ式の言葉づかいが一般的です。一方で、つづりに関してはイギリス式が残っており、「color」ではなく「colour」、「center」ではなく「centre」といった表記が多く使われます。さらに、カナダではフランス語も公用語とされているため、一部地域ではフランス語のアクセントの強い英語を耳にする機会も多いでしょう。

また、語尾に‘eh’とつけるなど、カナダ英語に特有の表現などもあります。アメリカの大人気コメディドラマ「フレンズ」やアメリカアニメ 史上最長寿番組「ザ・シンプソンズ」でも、カナダ英語をやや皮肉るようなシーンがあったりします。

このような特徴を見ると、カナダ英語は非常に多様性に富んだ英語のように思います。

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では、なぜ日本人はカナダ英語を「キレイ」と感じるのか。

その理由は、大きく2つあると考えられます。
1.日本人に馴染みのある表現が多い
2.第一言語を英語としない人にも寛容である

1.日本人に馴染みのある表現が多い

これは多くの日本人がイギリス英語よりもアメリカ英語の方が得意、聞き取りやすいと感じる理由と同様です。そしておそらく、もともと英語が好き、洋画や洋楽が好きで、アメリカンカルチャーに頻繁に触れてきた方にとって、「キレイ」と感じる大きな要因の一つだと思います。

例えば、缶(カン)は、カナダ英語でも ‘can’(カン)ですが、イギリス英語だと‘tin’(ティン)と言います。ズボン(パンツ)のことはカナダ英語でも‘pants’(パンツ)ですが、イギリス英語だと‘trousers’(トラウザーズ)です。野菜のズッキーニも、カナダ英語ではそのまま‘zucchini’(ズッキーニ)ですが、イギリス英語だと‘courgette’(クジェット)となります。

他にも、「海外でトイレはトイレと言わない。バスルームやウォッシュルームという。」というような、日本の英語教育の中で教えられる表現も、その多くがカナダを含む北米の英語です。
(余談ですが、イギリス英語圏ではトイレは’toilet’(トイレ)と言います。つまり、イギリスでは「彼女は今お手洗いにいっているよ」と言いたいとき、‘She is in the toilet’ となりますが、カナダ人にとって‘She is in the toilet’ は「彼女が便器(toilet)の中にいる」となり、まるでホラー映画、またはひどいいじめにでもあっているような話になってしまいます…。)

カナダ英語 vs イギリス英語

このように、カナダでは、日本で学ぶアメリカ英語に近い表現や単語が多く使われているため、会話の内容がスムーズに耳に入ってきます。これが、「カナダ英語がキレイ」と言われる所以の一つです。

2.第一言語を英語としない人にも寛容である

カナダは多文化主義を国の方針として掲げる移民国家です。さまざまなバックグラウンドを持つ人々が暮らしており、英語が母語でない人も非常に多くいます。特に、留学先として人気の高いバンクーバーは、国際色の強い都市で、移民の割合はなんと全体の29%*を占めています。つまり、5人に2人は英語が母語ではないということです。こうした背景から、カナダでは英語が第一言語でない人に慣れている人が多く、話すスピードを落としたり、シンプルな言い回しを使ってくれる人が多いです。

たとえばこれを日本・日本語に置き換えてイメージしてください。中学校、高校など、1クラスの人数はだいたい30人ほどですが、そのクラスメイトの内12人~13人の第一言語が日本語ではない、英語や中国語だったりするということです。こうなると、学校の先生は全員に授業内容を理解させるためにゆっくりとわかりやすく話す必要があります。さらに休憩時間中のたわいない雑談も、第一言語が異なる子たちも輪に入れるように、ゆっくりかつはっきり話すことがスタンダードになるでしょう。

また、カナダでは、比較的スタンダードでわかりやすい表現を使う人が多いです。ネイティブスピーカーの間でも、過度に省略された表現や馴れ合い的なスラングは少なく、学校や日常の中で出会う英語は、実用的で自然な英語であることが多いです。

英語でのコミュニケーションに不慣れな日本人にとって、この「やさしい話し方」はキレイと感じるポイントとなるでしょう。

*参照:Census Profile, 2021 Census of Population

結局、カナダ英語はキレイなの?

結論として、「カナダ英語はキレイである」と日本人が感じることが多いですが、それは日本人に馴染みのあるアメリカ英語の表現が多く使われていることに加えて、多民族国家だからこそ第一言語ではない人にも寛容で、英語初心者がリラックスして学べる環境が整っていることに起因していると考えられます。

とはいえ、アメリカ人やイギリス人の視点から見ると、カナダ英語が特別「キレイな英語」とされることはありません。むしろ、カナダには多様な文化的背景を持つ人々が暮らしているため、さまざまなアクセントの英語を耳にすることが多く、時には聞き取りに苦しむ場面もあるでしょう。たとえばインド系・中国系・中東系など、さまざまなバックグラウンドを持つ移民を受け入れているため、日常生活や学校、アルバイト先などで多くの異なる英語アクセントを耳にすることも少なくありません。

それでも実際にカナダ留学していた留学カウンセラーも「カナダ英語はとにかく聞き取りやすい」と言います。そして、「カナダの人々は本当にやさしい」という意見をカナダ留学経験者から耳にすることも多いです。日本人に馴染みのある英語の表現が多く使われている点や、第一言語を英語としない人にも寛容なカナダ人の国民性は、英語を学びたいと考える日本人留学生には魅力的なポイントかもしれません。

カナダでフランス語を学ぶメリットとは→

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