留学の自己手配はなぜ危険なのか
留学する上で、頼りになるのが留学エージェントです。
私自身、留学は、初めての海外、初めての留学でした。ハワイにも韓国にも行ったことがなく、国内線の飛行機すら幼少期に1~2回乗った程度…、パスポートの申請方法すら知りません。ちなみに「ビザ(査証)」という単語は聞いたこともなく、クレジットカードのVISAとの区別がつかないほどでした。(笑)
そんな私でも無事留学することができたのは、私の留学をサポートしてくれた留学エージェントのおかげです。
留学プランの説明をしてくれて、現地での生活に対する質問に答えてくれて、ビザ取得に必要な書類を教えてくれました。語学学校の入学手続き、学費の海外送金、航空券を購入し、海外留学生保険のパンフレットを案内してくれて、出発前にはオリエンテーションを行ってくれました。
留学した当初、渡航後のサポートに対してや通っている語学学校について文句を言っている人もいました。現在ワールドアベニューで働いていると、「ん?あのサポートは結構いい加減だったな…」と感じることもあります。それでも留学について右も左もわからなかった私にとって、なくてはならない存在だったと思います。
ただ、世界は広く、「自分で全部留学の手続きをやってやる!」というチャレンジャーな方がいらっしゃるという事実をワールドアベニューで働き始めて知りました。
すでに幾度となく留学した経験があり、語学力にも問題がなく、明確な目的・目標を持ち、留学先にもいざという時に頼れる知人・友人・親族がいる方は、この記事を読む必要はありません。しかし、これらの条件に該当しない方は、ぜひご一読ください。
1、留学のプランニング、学校選定の段階からすでに危険が潜んでいる
2、実は学校側も嫌がる個人のお客様からの出願手続き
3、ビザ申請、自己手配って本当に大丈夫?
4、海外留学生保険に加入せず留学した方たちの惨事
5、「知らなかった」がゆえに強制帰国…入国審査
さいごに
1、留学のプランニング、学校選定の段階からすでに危険が潜んでいる
留学を自己手配するときに苦労しそうなのは、どのようなことだと思いますか?
ビザ申請ですか? 学校への出願手続き? 学費や滞在費の支払い(海外送金)?
確かにこれらにも多くの「危険」が潜んでいます。しかし、留学を自己手配するときの危険は、「留学のプランニング、学校選定の段階」に潜んでいると思います。
留学プランニング、学校選定の段階での危険とは、正しい情報の取捨選択、そして目的や希望、状況に応じた適切な判断が難しいという点にあります。
例えば、日ごろから胃腸に不調を感じていたものの、勝手に風邪だと決めつけて市販の薬を飲み続けていたら、本格的に腹痛に襲われ、病院に運ばれた時には癌だった……。
これと同じで、留学して英語を伸ばしたい!留学を今後のキャリアにつなげたい!と思った。安く留学できると聞き、ワーキングホリデー制度を利用し留学。しかし、きちんと語学学校に通わなかったため、英語力を伸ばすことができず日本食レストランでアルバイトして1年間が終わってしまった……。英語力も特筆すべき経験もなく、帰国後の転職がうまくいかない……。
留学業界で働いているとこんな話をよく聞きます。
他にも、例えばワールドアベニューには、アシスタントナース有給インターンシップという、看護師の方に大人気のワーキングホリデー・プログラムがあります。日本で看護師資格と1年間以上の臨床経験がある方であれば、海外の医療・看護の現場で現地の人と同じ水準の給料をもらいながら働くことができ、年間250名以上の看護師が参加するワールドアベニューでも大人気の留学プログラムです。
アシスタントナース有給インターンシップ・プログラムで留学した場合、月収30万円、普通のワーキングホリデーで留学した場合、日本食レストランで月収10万円……。どちらの方が海外生活を楽しめるのか、また、帰国後に活かせる英語力を身に付けられるのはどちらの留学かというと一目瞭然です。普通のワーホリで渡航中に、アシスタントナース有給インターンシップの存在を知った時の後悔たるやはかり知れません。
まだまだあります。
ワールドアベニューでは、ビジネスインターンシップ・プログラムという同じくワーキングホリデー制度を利用し、海外の現地企業で本格的な就労経験を積むことのできる留学があります。英語研修が盛り込まれた留学プログラムになっているため、英語力初級の方からでもご参加いただけて、企業でのインターンシップでは実践的なビジネス英語を身に付けることができます。企業マッチングの際には英語での履歴書作成や面接対策も行われ、帰国後の就活にも活かせるスキルや経験を得ることができるため、就活前の大学生に大人気の留学プログラムです。
アルバイトとインターンシップでは携われる業務の幅はもちろん就労環境も異なり、身に付けられる英語力、その他スキルに一線を画すものがあります。自分は日々の生活のためにうどん屋で、日々ひたすら湯きりをしているのに、たまたま海外で知り合った日本人が、外資系金融会社でインターンシップしていたら、「自分は毎日何を学んでいるんだろう…」と呆然としてしまうのではないでしょうか。
つまり、正しい病状を把握し、適切な処置を受けるために病院に行き医師に診断してもらうように、専門性の高い知識や最新の情報が求めれる留学プログラム精査もプロの留学カウンセラーからきちんとカウンセリングをうける必要があるということです。
ワールドアベニューでは、常に最新の情報を入手し、それらをもとにお客様の留学カウンセリングを行っています。あまり縁起のよい話ではありませんが、昨年度、カナダのバンクーバー、トロントにある老舗の語学学校が突如倒産するということがありました。7~8年前は非常に評判もよく、学校スタッフの対応も迅速で丁寧な学校だったため、ワールドアベニューでもお客様に積極的に紹介していた学校でした。しかし数年前にカナダへの語学留学における制度が一変したタイミングで、語学学校の日本担当営業の退職が相次ぐようになり、ワールドアベニューとしてもやや不信感を抱くようになっていました。そのような状況で安心してお客様にご紹介できるわけもなく、お客様への紹介は自粛していた数年がありました。そこへきての倒産です。
オーストラリアには留学生を保護する法律があり、一定の条件を満たす教育機関で就学しており、その教育機関が倒産した場合、国が学費を援助し他の学校へ転校できるという制度があります。残念ながらカナダにはそのような留学生を保護する法律はなく、倒産した学校に通っていた生徒たち、とくに学生ビザでカナダに滞在していた方たちは他校に転校できる費用や手続きの目途が立たなければ、強制的に帰国するしかありません。
当社のように長年留学サポートを行い、現地の教育機関の事情にも精通しているエージェントであれば、このような状況も踏まえ、1人ひとり、語学学校の提案や留学のプランニングをお手伝いできます。しかし、自己手配となるとそれは非常に難しいと思います。
留学をプランニングする時点から、自己手配には大きな危険が潜んでいるのです。
2、実は学校側も嫌がる個人のお客様からの出願手続き
日本でも高校進学や大学進学、各種国家試験の受験などに伴う各種出願、申請手続きというのは、煩わしいものですよね。これが海外の教育機関に向けての出願や申請となると、言語も制度も全く異なる中で、手続きを行わなければなりませんので、大変です。
大学院レベルともなると、多くの方がすでに高い英語力を有し、ご自身で手配する方もいらっしゃいます。しかし、中学・高校・大学、また英語学習を行う語学学校への出願手続き、出願後の入学金、学費などの海外送金手続きなどには多くの方が苦労されます。
まず、ホームページ上のどこに出願申請書類があるのか?
出願書類を含む提出書類の書き方はあっているのか?
出願してみたものの担当者から返信がない…どうしたらいいのか? など、さまざまな壁が待ち受けているからです。
留学される方も、日々学校や仕事がある中、時差のある国の教育機関の方と、英語でやり取りをする……そんな風に考えただけでも、うんざりするのではないでしょうか。
実はこれ、うんざりするのは、手続きを行う側の皆さんだけではありません。
低い英語力、間違いや不備だらけの出願書類を見て、手続きを進めていく教育機関側も、うんざりします。それはそうですよね。留学エージェントを介してくれれば、経験も英語力もある留学カウンセラーやコーディネーターが、不備のない出願書類を作成し、もれなく手続きを行い、これから入学する生徒に対し、教育機関の代わりに前もって学校初日のオリエンテーションの案内や学校の概要を伝えてくれます。
よって、個人からの出願申請に対し、好意的な印象を持つところばかりではないのです。
学校で就学しているときも同じです。
何か問題があり、クレームをつけたくても、つたない英語力で伝えられることは限られてきますし、そもそも、教育機関も留学エージェントから来た生徒の方をやはり優先的に対応していきます。
何事もチャレンジすることは大切ですが、そもそもチャレンジする土俵に立つための準備段階で無駄な工数をさくことは得策とは言えませんよね。
3、ビザ申請、自己手配って本当に大丈夫?
・「ワーキングホリデービザの申請なんて簡単だよ!」と友達に言われて申請してみたものの、途中でわからなくなってしまって……。
・一次申請はインターネットの情報を頼りに申請できたのですが、二次申請に関する情報がわからず…助けてほしいです。
こんなお問合せを年間何回もいただきます。
そもそもビザ(査証)とは、国が自分の国民以外の人々に対して、その人物の所持するパスポートが有効であり、且つ、その人が自国に入国しても問題ないと示す証明書です。
国によって制度はさまざまですが、3ヶ月以内であれば、日本人は比較的さまざまな国に「観光ビザ」と呼ばれる旅行目的のビザ(特に煩わしい申請手続きはないものが多い)で入国できます。しかし、3ヶ月以上ともなると、その国に長期に渡って滞在する明確な目的を示し、その目的に沿ったビザを申請・取得することが求められます。
私自身、留学する際、ビザの申請には非常に苦労しました。
私が留学した際に必要だった書類は、
・パスポート
・英文のエッセー(留学目的などをまとめたもの)
・ビザ申請書
・無犯罪証明書
・推薦状
・最終学歴の卒業証明書(英文)
・残高証明書
などでした。当時英語力が非常に低かった私にとって、英語で作成された書式形態の書類を英語で作成したり英語でエッセーを書いたりするのは至難の業でしたし、無犯罪証明や推薦状、残高証明など初めて準備しなければならない書類も多く、時間も手間もかかったことを覚えています。
しかし、今思えば、そもそも、
・どの書類を用意しなければいけないのか
・いつまでに準備しなければならないのか
・書類の形式は定められた書式があるのか
など、すでに留学エージェントから案内してもらえていただけでもずいぶん、工数を削減できていたのです。
もちろん、留学エージェントを利用したから、必ずしもビザを取得できるというものではありません。
テロや内戦、各国での移民・難民問題が複雑化する中、ビザ取得は年々、その審査や制度が厳しくなっており、いくら日本人と言っても「気軽に」取得できるものではありません。当然、申請方法や各種手続きを誤れば、ビザの取得はできませんし、一見、特に大きな問題はないように見えても、一般的な申請書類の他に追加で書類を求められるケースもあり、その審査結果は各国の移民局の判断に基づくため、誰も確約・保証はできないのです。
ワールドアベニューでは、自身の留学経験はもちろん、海外の大学を卒業する高い英語力を持ち、且つその国の認定留学カウンセラー資格を有するスタッフが、年間何百人ものお客様のビザ申請をお手伝いしており、さまざまなイレギュラーなケースにも対応いたしてきた実績を持ちます。また、変動の激しいビザ申請条件や各種要項に対しても常に信頼のおける一次ソースからの情報収集を心がけ、対応しているため、個人でビザ申請手続きを行うよりも、ビザ取得における可能性をできる限り高めることができます。
留学は、人生の中で何度もできる経験ではありません。
だからこそ、できる限りのリスク管理を行うことが重要です。
4、海外留学生保険に加入せず留学した方たちの惨事
「海外留学生保険って、加入しないとだめですか?」というご質問をよくいただきます。
ワールドアベニューでは、「必ずご加入ください」と回答しています。
海外留学生保険には、けがした時、病気した時にかかる治療費や通院費などの治療救援費用と、対物・対人の損害賠償、死亡保障、後遺症障害への補償などが含まれています。
確かに日本で生活していて、けがも病気もめったにしないという方はいらっしゃると思います。
しかし、私たちも留学サポートを長年行う中で本当に信じられないケースを沢山目の当たりにしてきました。
NYでホテルに泊まったら、ベッドバグにかまれ、体中湿疹が出て入院。1日あたりの入院費用が50万円だった。
エアーズロックで転んで複雑骨折し、ドクターヘリを呼んだ。請求額は見たこともない学だった。
ブラジルでバックパック中、すべての貴重品が入ったバッグを盗まれた。
シェア先のお風呂を壊し修理費として30万円請求された。
留学中に、祖母が他界…緊急帰国後が必要となったが時期がお盆だったため、航空券は往復で40万円…。
他にもさまざまなケースがありますが、いずれにしても、日本で普通に生活していれば確かに出会わないアクシデントかもしれません。しかし、海外に行き、今まで生まれ育った環境と異なる見知らぬ土地で、生活していると、良くも悪くも本当にさまざまなことに遭遇します。何もなければ年間18万円前後の保険代金だけで済むところ、保険をかけていなかったがゆえに何百万円もの費用を負担することになった……などということは珍しくないのです。
自己手配する際には上記のようなさまざまな危険と隣り合わせであるという実例を見聞きすることも少なく、またどこかで危険を感じながらも心のどこかで「自分は大丈夫」と思ってしまっているものです。
しかし、この安易は「大丈夫」が、思わぬ出費につながり、あなたの留学を台無しにしかねないということを覚えておきましょう。
5、「知らなかった」がゆえに強制帰国…入国審査
旅行と異なり、長期滞在する留学生に対する入国審査は、やはりやや厳重です。
日本人は世界的に見ても安心できる国民として捉えられているため、あまり厳しい入国審査を受けたり、入国を拒否されたりというケースをあまり耳にしないかもしれません。
しかし、入国審査はあくまで最終「審査」。なめてかかると非常に痛い目に合います。
これは私の友人に実際にあったケースですが、
イギリスへの語学留学を予定していた彼女は、トランペットが好きで、入国時トランペットを一緒に持ち込もうとしたそうです。入国審査の際に、不信に思った入国審査官は、トランペットの使用目的を聞きました。
イギリスでもトランペットを吹きたいと思っていた彼女は、トランペットを吹いて稼ぎたいと捉えられるようなニュアンスの回答をしてしまったそうです。あくまで語学習得を目的としたビザで入国しようとしているにも関わらず、収入を得ることを第一目的のように捉えられてしまったのか、彼女はそこで入国を拒否され、強制帰国させられました。
このように、たとえ日本人であっても、入国を拒否されるケースはあり、特に、入国時にビザ発給を行うカナダや、近年海外からの受け入れに対し非常に警戒心が強くなっているアメリカやイギリスなどに留学する際には十分に注意する必要があるでしょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか。なんとなく、「何とかなる」と思っていた気持ちや心のどこかで「自分は大丈夫」と思っていた気持ちに少し動きがあったのではないでしょうか。
自己手配のリスクを十分に理解し、それでも自己手配を行うのはよいと思います。しかし、きちんとそのリスクを知るためにもまずは留学エージェントにきちんと相談してみることをお勧めします。