学習内容とインターン内容の違い
海外ビジネスインターンシップ・プログラムとCoopプログラムは、前半は座学の学習をし、後半はインターンシップをする、という共通点がありますが、学習内容とインターンシップの内容が異なります。
まず、海外ビジネスインターンシップ・プログラムの座学では、英語スキル向上が重視されます。一般英語コースに加え、ケンブリッジ英語検定コースを受講する方も多く、日常会話だけでなく、より高いレベルの英語力向上を目指します。さらに、日本人が苦手とするスピーキングやリスニングに特化したカリキュラムが組まれており、実際のビジネスシーンで使える英語力を習得することができます。
一方、Coopプログラムの座学では、「英語」を学ぶのではなく、カスタマーサービス、ビジネス、ホスピタリティ、国際貿易、IT、デジタルマーケティングなど、専門的な知識を学びます。したがって、将来やりたい仕事や身につけたいスキルが明確に決まっている方に向いており、目的を持って学ぶことが推奨されています。
次に、インターン内容についてですが、海外ビジネスインターンシップ・プログラムは、ビジネス関連のインターンシップを行います。業界はさまざまで、営業アシスタントやマーケティングアシスタント、事務アシスタント、プロジェクトアシスタントなど、アルバイトでは経験できないような業務に携わることができます。
一方、Coopプログラムでは、インターンシップ先がビジネス系に限らず、飲食店やアパレル業界など、接客業務に従事することもあります。原則として座学で学んだ内容に関連する業界でのインターンシップが求められますが、例えばビジネス系のコースを受講していても、必ずしもオフィスでの業務に就けるわけではない点に注意が必要です。カナダに限らず、海外インターンでは経験が重視されるため、学生や若手社会人の場合、専門的なスキルがないと、一般的なアルバイトとほぼ同じ内容のインターンシップになることも多いです。
無給インターンか有給インターンか
海外ビジネスインターンシップ・プログラムは原則無給、Coopプログラムは原則有給(ただし、トロントを含むオンタリオ州では無給の場合もあります)です。
「できればお金をもらいながらインターンをしたい」と考える方も多いかと思います。確かに、労働の対価として報酬を求めるのは自然なことですが、無給か有給かだけで選択を決めるのは勿体ないです。なぜなら、無給インターンと有給インターンでは、その目的が大きく異なるからです。
まず、オフィスワークを中心としたビジネス系のインターンシップは、無給の場合が多いです。これは、インターンシップが「労働」ではなく、「教育的な活動」として位置づけられることが多いためで、その主な目的が「経験やスキルの習得」とされているからです。つまり、報酬よりも「学びの機会」が重視されているということです。
一方、飲食業や販売業、ホテル業界などの接客業務に関連するインターンシップは、有給の場合が多いです。これらの業界では、実際の業務に従事することが求められ、労働としての対価が支払われるためです。ただし、Coopプログラムでも、ビジネス系のインターンシップが有給の場合もありますが、全員がそのような待遇を受けるわけではないため、あくまで傾向として理解していただくことが重要です。
そのため、海外インターンを選ぶ際には、自分の目的が「単純に働くこと」なのか「将来に活かせる就労経験を積むこと」なのかを明確にすることが大切です。
インターン先の探し方
海外ビジネスインターンシップ・プログラムは、通常、学校と提携している企業を紹介してもらえます。そのため、自分で企業を探してアプローチする必要はありません。
一方、Coopプログラムでは、インターン先を探すのは基本的に自分自身です。学校側から履歴書の添削や求人サイトの利用方法、ジョブフェアなどのサポートはありますが、インターン先の斡旋はありません。自分で積極的に探し、アプローチする必要があります。この点は、海外インターン初心者にとっては少しハードルが高く感じるかもしれませんが、自立して行動する良い機会ともいえます。