中学3年生の終わりからオーストラリア・ビクトリア州立校 Werribee Secondary College に通うEmiさんから体験談をいただきました。Emiさんはオーストラリアでの高校卒業を目指し2025年末まで留学予定です。体験談では中学から留学しようと決めた理由や、オーストラリアでの高校生活の様子、楽しい授業や苦労している授業、将来の目標など伺いました。
Emiさんの留学概要
渡航国:オーストラリア
渡航都市:メルボルン(ビクトリア州)
留学プログラム:高校留学(卒業留学)
学校:Werribee Secondary College(ビクトリア州立高校)
渡航期間:2022年9月 – 2025年12月(予定)
高校卒業までのスケジュール
オーストラリアの高校は4学期制になります。
1学期 1月下旬〜3月下旬
2学期 4月中旬〜6月下旬
3学期 7月中旬〜9月下旬
4学期 10月初旬〜12月初旬
1-3学期目からであれば一般的にはご入学が可能です。オーストラリアで高校留学する上で、ベストなタイミングについてはこちらをご覧ください。
※Emiさんの場合、Year9入学に必要な英語力をお持ちでしたので高校の本科に直接入学されています。英語力が規定に満たない場合、最短2学期間は英語研修を受けていただく必要がございます。英語力が規定に満たない場合、最短2学期間は英語研修を受けていただく必要がございます。詳しくは留学カウンセリングにてご質問・ご相談ください。
中学から留学することを選んだ理由
私にとって、幼い頃から「海外」はとても身近な存在でした。父がアメリカやマレーシアなど海外で仕事をしており、上の姉たちは大学時代から本格的に留学していました。早いタイミングから英語や海外に触れてほしいという父の思いが強く、私自身も小学生の頃、母と二人でマレーシアに短期留学しました。
そういった環境のなか、私も大学は海外だろうと自然と考えていました。ただ、一つ懸念がありました。英語です。大学からの留学となると、入学規定も、入学後に求められる英語力もかなり高いものになる.. というのは姉たちの姿をみて知っていました。
「それなら早いタイミングから留学しよう!」
中学生からの留学であれば、入学規定もそこまで高くなく、授業や友人たちの会話もそこまで難しくないので、英語の壁はそこまで高くないのでは?と考えたのです。決断したのは、中学1年生でした。父の意向を汲んでいるわけで特に反対もなく、中学2年生から(実際はコロナの影響を受け、中3の終わりになりましたが)留学することになりました。
マレーシア留学が背中を押してくれた
中学生といえば、まだ義務教育期間です。家族はさておき、周囲の友人たちで留学を考えている人はいませんでした。人と違う道を歩むこと、家族と離れて暮らすこと、異なる言語、文化、習慣のなかに長期に渡って飛び込むこと.. など、不安がなかったかというと嘘になります。
これらの不安を解消してくれたのが小学生時代のマレーシア留学でした。このときは母と一緒に夏休みを挟んで約3ヶ月間留学しました。夏休み期間の8月、9月は子供向けのクラス、10月は大人用のクラスで英語を勉強しました。これが英語で英語を学んだ初めての経験でした。
実は当初、この留学に行くのはいやでした。せっかくの夏休みにも関わらず、友人たちとは会えなくなりますし、どっぷり英語を勉強しなければならないとなると、小学生なら最初は誰でも嫌がると思います(笑)
しかし、実際留学してみると、さまざまな国の友達ができ、英語でコミュニケーションをとることに楽しさを覚えました。また、一定期間離れても、日本の友人たちとの関係は変わりませんでした。この短期留学の経験が、中学からの留学をとても前向きな印象に変えてくれました。
オーストラリア・ビクトリア州を選んだ理由
姉は二人いるのですが、一人はアメリカ、一人は台湾の大学に進学しています。じゃぁ、なぜ、私はオーストラリアだったのか?その理由はオーストラリアの環境の良さにあります。
例えば、日本との時差です。オーストラリアと日本との時差は最短30分、最長でも2時間しかありません。正直、日本国内で連絡を取り合っているのと同じような感覚です。友人たちとのコミュニケーションにも大きな支障はありません。他にも、銃やドラッグなどの規制が厳しく、治安が良いという点や新日家が多いという点も魅力でした。両親も、私がまだ中学生ということもあり、「安心して生活できる環境」に重きをおいて留学先を考えたようでした。
ビクトリア州(メルボルン)は、写真で見た街並みに惹かれ、「ここにしよう!」と決めました。オーストラリアは国土が広く、州や都市によって気候や街の雰囲気が全く違います。メルボルンはイタリアなどからの移民が多く、街並みもヨーロッパ調で、でも一つ路地を曲がるとそこにはアーティスティックなグラフィティが壁一面に描かれている.. そんな意外性もあり、とても魅力的に感じました。
Werribee Secondary Collegeを選んだ理由
Werribee Secondary Collegeを選んだのは、言語の選択科目が多かったことと、制服が憧れていた赤色だったことにあります。残念ながら英語力不足で、EALと呼ばれる第二言語を英語とする学生向けのコースを受講している兼ね合いで、まだ本格的に他言語を学ぶことはできていませんが、今後は英語以外の言語にも挑戦できたらと考えています。
オーストラリアと日本と教育の違い
コロナで延期が重なり待望の出発だったこともあり、オーストラリアに到着した瞬間は「ようやくこれた!!」と歓喜しました。オーストラリア国内での乗り継ぎに苦労したことも、到着時の気持ちをより大きなものにしたように思います(苦笑)
オーストラリアでの学校生活
学校の授業で、楽しかったのは体育や音楽の授業です。体育と、もう一つ体育と似たようなスポーツと呼ばれる授業ではクリケットやラグビー、オーストラリアンフットボールなど日本ではやったことのない種目をたくさん体験しました。音楽の授業では英語やイタリア語で歌を歌ったり奏でたりしました。イタリア語での歌は私もネイティブの子達も初めてで、同じスピード感で上達していく感じがとても嬉しかったことを覚えています。
興味深かったのは、歴史の授業です。特に面白かったのは世界史で、例えば、第二次世界大戦中、日本がアジア諸国を侵略するに伴い、「他国の人々を動物のように扱って.. 」などという話を筆頭に、世界、他国から見る日本の歴史に触れたのは衝撃でした。他にも、オーストラリアのアボリジニやアメリカのインディアンの人々が、人権を獲得していくまでの流れも、日本ではなかなか学ぶ機会がなかったため、非常に勉強になりました。
自主性が求められる授業内容
オーストラリアの授業は日本の授業と異なり、自主性・主体性が求められます。
日本の授業は先生主体で、生徒自身が何を学びたいか、どんなふうに学びたいか、何を通じて学びたいか… なんてことまで考えることはありませんよね(もちろん、ゼロとは言いませんが、そういった機会はあまり多くないと思います)。一方、オーストラリアでは、何をどのように学ぶのか、生徒主体で考えることがほとんどです。
例えば、スポーツの授業では、生徒自身が何のスポーツに取り組みたいのかそのスポーツの魅力やルール、楽しさ、注意点などをプレゼンし、そのスポーツをクラス全体で取り組む.. という流れで授業が進みました。音楽も然りです。誰とグループを組むのか、どんな楽器で何を演奏するのか、自分たちで決め演奏発表に向けて練習し、タームの最後にみんなの前で発表するという形で進めました。楽曲も様々で、私たちのグループでは、イギリスの有名ロックバンド、クイーンのKiller Queenや、ビートルズのHere Comes the Sun、他にも韓国人グループのシーズンという曲を演奏しました。英語の歌をフルで歌うのは初めてで、最初は苦労もありました。ただ、自分たちで決めて取り組んでいるからこそ、モチベーションを落とさず取り組むことができました。
答えのない問い
オーストラリアでの勉強のなかで一番苦労しているのは、国語(英語)です。特にテストには悪戦苦闘中です(苦笑) 日本でも国語や道徳などは、理科や社会、数学などと比べると答えが不明確(必ずしも一つとは限らない)というケースは多いと思います。それでも、基本的に答えは明確で、長文読解になれば、主人公の気持ちでも、作者の気持ちでも、どこかしらに答えとなるような文章が書かれていることがほとんどです。しかし、オーストラリアでは違います。まず、問題が一つしかありません。主人公の気持ちや作者の気持ちを引用するだけでなく、自分で考え、作成しなければならないケースがほとんどです。ときには気持ちや考えなどだけではなく、作中のような悲劇を繰り返さないためにはどのような施策が考えられるのか?など意見を求められるものもあります。
語彙力や文法力、読解力がまだまだ乏しいことに加え、慣れない「考え」や「意見」を求められるテスト形式には、苦労が絶えません(苦笑)
1度変更したホームステイ
到着して最初のホームステイは、おじいちゃんとおばあちゃん、二人のホストファミリーでした。とても暖かく受け入れてくれたものの、残念ながらマザーの方の体調がすぐれず、疲れや辛さからか、やや厳しい言葉をかけられることが増えてしまい、変更しました。
2箇所目のホームステイが今のホストファミリーになります。今のホストはバックグラウンドがフィリピンの方で、家では英語とタガログ語も飛び交います。お父さんとお母さん、そして2つ年下の男の子の三人家族で、マザーやファーザーは優しく、楽しく生活できています。ただ、私は三人姉妹の末っ子で男兄弟は初めてだったので、若干の戸惑いもあり、家族とのコミュニケーションにはもう少し試行錯誤が続きそうだな.. と感じています。
今後の目標
まだ、絶対に.. というわけではないのですが、今はパイロットに興味があります。これまた父の影響が大きいのですが(笑) 世界を飛び回る仕事の一つとして、最初に候補に挙がったのはキャビンアテンダントでした。ただ、せっかくならパイロットを目指してみたいと思うようになりました。女性でパイロットってなかなか珍しいし、かっこいいな!と(笑)
パイロットを目指すためには、高校卒業後、大学かカレッジかを目指す必要があります。当然目下の勉強を頑張らなければならないということです。特に苦手意識のある「国語」は克服すべく残り2年、頑張って行こうと思います。
さいごに
体験談を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。Emiさんの高校留学体験談はいかがでしたでしょうか。
日本とオーストラリアとの違いに驚き、苦労しつつも、自ら自分の居場所を作り、将来の目標に向かって努力するEmiさんの姿にはとても勇気づけられますよね。中学・高校留学、特に卒業を目的とした留学を選択する方はまだまだ多くありません。もしかすると「海外の高校の卒業を目指せる留学がある」こと自体知らないという方もいらっしゃるかもしれません。興味はあるものの「勇気が出ない」という方もいるでしょう。そんな皆さんに、Emiさんの体験談を読んでいただけたら嬉しいです。
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