2023年ニュージーランド学校視察レポート
ニュージーランドは中学・高校留学、また語学留学やワーキングホリデーの渡航先として人気の高い国です。渡航先として特に人気の高いオークランド、ウェリントン、そしてネルソンの3都市にある中学・高校、語学学校を中心に訪問し施設などを視察してまいりました。
ニュージーランド視察の背景
ニュージーランドは、コロナの感染拡大予防対策として厳格なロックダウンを継続していましたが2022年2月より段階的な入国制限規制緩和を発表、2022年7月31日以降、すべてのビザ保有者の入国を許可するに至りました。ワールドアベニューでは、コロナ禍において、大きく影響を受けた学校の運営状況や、渡航直後のお客様の状況を正確に把握するとともに、必要に応じて適切なサポートを行うため、中高留学渡航者が増える、1-2月を経て、2023年2月後半に、ニュージーランド視察へと出向きました。
視察してきた留学コンサルタント 鳥海悠里
前職は英会話スクールでの勤務だったこともあり、英語力への不安なども気軽にご相談いただけます。
視察した都市と学校情報
1日目 – ネルソン
ネルソンは、ニュージーランド南島北東部にある人口6万人ほどの小さな都市です。「サニーネルソン」と呼ばれ、ニュージーランド国内で最も日照時間が長く、豊かな自然に恵まれたネルソンは、中高留学の渡航先として人気があります。到着すると、暖かな木の質感を感じることのできるモダンで可愛らしい雰囲気の空港が出迎えてくれます。すべてがコンパクトにまとまり、初めての海外という方でも安心してご利用いただけると感じました。
ネルソンで視察した学校
中学高校:Waimea College, Garin College ,Nayland College
語学学校:Nelson English Centre
2-3日目 – ウェリントン
ウェリントンは、ニュージーランドの首都で、美しい港と緑豊かな丘に囲まれる都市です。ハリウッド映画「ロード・オブ・ザ・リング」や「ホビット」のロケ地としても有名なウェリントンには、世界有数の博物館や美術館が軒を連ね、街中にはストリートアートが点在するなどアートを楽しむことができます。映画の世界観をはじめ、ニュージーランドのイメージを形作る都市のため、「ニュージーランドらしさ」を強く感じることができました。中高留学、語学留学、ワーキングホリデー、いずれの留学の渡航先としてもおすすめです。
ウェリントンで視察した学校
中学高校:Aotea College, Paraparaumu College, Wainuiomata High school
語学学校:UP College
4-5日目 – オークランド
オークランドは国の人口の約3割が集中するニュージーランド最大の都市です。日本からの直行便があることや、国内最大の都市とはいっても殺人や通り魔など重犯罪は少なく、さらに、学校数も多いため、中学生・高校生の留学にも人気があります。また、経済の中心地でもあるため、求人も多く、語学学校の選択肢も豊富なため、語学留学、ワーキングホリデーの方にもおすすめです。
オークランドで視察した学校
中学高校:Northcote College, Western Springs College, Avondale College, Botany Downs Secondary College
語学学校:NZLC, LI Auckland, Worldwide School of English
視察した中学・高校・語学学校のご紹介
ここからは視察したそれぞれの学校について、ご紹介します。
【ネルソン】Waimea College
ワイメアカレッジは、ネルソンから車で20分程度のリッチモンドという地域にある比較的大きな男女共学校です。コロナ禍においても状況のアップデートのため、定期的なミーティングはもちろん、オンライン説明会など留学生向けのイベントも共同で開催していた学校の一つで、留学生サポーターの方(ヘイリーさん)と、ようやく直接お会いできた際の感動は一入でした。
改めて学校訪問させていただいて感じたのは、設備とサポート体制の充実度の高さです。ワイメアカレッジは70以上のサブジェクトと100以上のスポーツクラブがあり選択肢が豊富です。なかでもアート関連の科目が豊富で、キャンパス視察の際も、アート系の教室の多さや設備の充実度、そして、教室に飾られている生徒たちの作品のユニークさには感動しました。敷地内にも小さな森があるような自然豊かな環境のなか、生徒たちが穏やかに生活しているのが印象的です。留学生サポートスタッフもみなさんとてもフレンドリーで話かけやすく、生徒たちの様子を見ていても安心して留学生活を送れる環境があると感じました。
また、今回視察した学校の一つでもあるNelson English Centreと提携しており、英語力に不安の強い学生はワイメアカレッジでの就学開始前、またはターム休暇中などにNelson English Centreで英語の勉強をすることができる点も魅力だなと感じます。
【ネルソン】Garin College
ガーリンカレッジも、ワイメアカレッジ同様、ネルソン市内から車で20分程度のリッチモンドにある学校です。“Small School Big Heart”というスローガンのもと、アットホームながらに質の高い教育を提供しています。生徒数はワイメアカレッジの約3分の1で、留学生数も合計で10-15名程、キャンパスもコンパクトです。
改めて視察のなかで感じたことは、サポート体制の充実度の高さです。例えば、留学生サポーターのダイアナさんは、私のキャンパス見学中にも、留学生を見つけると私そっちのけで声をかけ、生徒たちと積極的にコミュニケーションをとっていました。また、インターナショナルオフィス(留学生のための相談室のような場所)を見学させていただいた際にも、実際にホームステイについて相談に来ていた学生の相談に親身になって対応するホームステイコーディネーターの方の様子を拝見しました。
【ネルソン】Nayland College
ネイランドカレッジは、ネルソン市内から車で15分程度、公共交通機関を利用して25分程度のところにキャンパスを構える中高一貫の共学校です。全校生徒数1,500名程度と比較的大きく、留学生もヨーロッパ、特にドイツからの留学生を中心に、年間40-50名ほど通っています。
視察のなかで印象に残っているのは、アウトドアエデュケーションなどニュージーランドらしい選択科目に力を入れている点や英語を中心とした学習支援体制の充実度です。まずアウトドアエデュケーションについて、実際にアウトドアエデュケーション用のグッズが置いてあると言う倉庫を見せていただいたのですが、そこには本当にいろんなグッズが置かれていました。手袋やヘルメット、さまざまな工具、マウンテンバイクなど、見ているだけでワクワクするようなグッズばかりです。学習支援体制に関しては、例えば、一般的なESOLと呼ばれる留学生向けの英語クラスに加え、英語力に不安を感じる学生向けに12週間程度の集中英語コースを開講しています。また、ニュージーランド国内外で大学進学を目指す学生向けにケンブリッジ英語検定、IELTS、TOEFL対策など無料で英語試験対策コースを受けられる点も魅力に感じました。
【ネルソン】Nelson English Centre
ネルソン・イングリッシュ・センターは、ネルソン市内にキャンパスを構えている語学学校です。ネルソンは決して大都会ではありませんが、ショッピングモール、レストラン、新設のアクアティックセンター、図書館、スポーツクラブなど生活に必要なものはすべて揃っています。ネルソン・イングリッシュ・センターはそんなネルソン市内中心地にキャンパスを構えているため、放課後の生活充実度は高く感じました。ワイメアカレッジのレポートの際に、ワイメアカレッジと提携があることに触れましたが、中高生だけでなく、大学生や社会人の方の語学留学やワーキングホリデーの方にもおすすめです。
視察してみて感じたことは、短期間で効率よく英語力を伸ばすための仕組みや体制の充実度です。イングリッシュオンリーポリシー(キャンパス内での母語禁止)を例にとると、他の学校の場合、ポリシーがあってもなぁなぁになってしまっている.. と言うことは少なくありません。しかしネルソンイングリッシュセンターの場合、ポリシーを破ると罰金1ドルが課せられるなど、そのポリシーは厳格に守られていました。他にも、定期的に開催されるアクティビティが、ローカルな方達との交流の機会にもなっており(ギターの得意な地元の方が講師として教えに来てくれる.. など)、この点も魅力だなと感じました。
余談ですが、ネルソンでは人々の温かさにとても助けられました。例えばNelson English Centreのスタッフさんは、翌日、ウェリントンに移動する私を朝方ホテルから空港まで送ってくださいました。街中での移動にはそこまで不便を感じませんが、とはいえ、田舎なネルソンでは、街中から空港までの移動がタクシーくらいしかありません(Uberもあまり根付いていない..)。ですので、学校のスタッフの皆さんに移動をサポートしていただけたのは本当に助かりました。ワーホリや語学留学でネルソンを訪れる方は、自転車の購入を念頭に置いていただくと生活がより便利かと思います。
【ウェリントン】Aotea College
アオテアカレッジは、ウェリントン市内から車で20分程度のところにある全校生徒約1,000〜1,200名の共学校です。アオテアカレッジはコロナ禍に、キャンパスのリノベーションを積極的に行っていました。結果、コロナ前の視察時と比較し、キャンパスの設備がかなりグレードアップしていたのがとても印象的でした。キャンパス内外の設備がとてもモダンで洗練されたデザインになっていたのはもちろん、大人気のカフェMOJO(ニュージーランド発祥のカフェ「Mojo Coffee」)の売店があるなどまるで大学のような作りになっていたことにも驚きました。
もう一つ、印象的だったのは「ハウス制」の導入です。映画「ハリーポッター」のなかに登場するホグワーツ魔法魔術学校の4ハウス制をご存知でしょうか?映画のようなハウス=寮ではありませんが、学年縦割りで振り分けられたチームが4つあり、高学年の生徒を中心にお互いにサポートし合いながら学校生活を過ごしています。生徒の主体性やリーダーシップ力などを養うのにとても魅力的な制度だと感じました。
最後に留学生サポーターのスタッフ(トリシア)さんはとても明るく、お母さんのような雰囲気で生徒たちに接している姿も印象的でした。
【ウェリントン】Paraparaumu College
パラパラウムカレッジは、ウェリントンから公共交通機関で約45分、カピティ海岸のパラパラウム・ビーチのすぐ近くにある学校です。シティから45分も離れるため、かなり田舎な印象を持つ方も多いですが、実は、カピティ海岸沿いには、50以上のお店が軒を連ねるショッピングセンターがあり、中には銀行やスーパーマーケット、映画館も入り、生活するうえで必要なものは全て揃っています。中高生にとっては程よく放課後を楽しめる魅力的な環境です。
パラパラウムカレッジの最大の魅力は日本人日本語教師富田先生の存在で、今回の視察でも改めてご挨拶させていただき、その存在があることゆえの安心感を体感しました。また、アオテアカレッジ同様、コロナ禍でリノベーションしており、キャンパスは全体的に綺麗に、設備の充実度も上がっていました。もともと、東京ドーム3個分もの敷地を持つカレッジのため、その迫力が増したように感じました。
【ウェリントン】Wainuiomata High School
ワイヌイオマタハイスクールは、ウェリントン市内から約20分のロウワーハットと言う地域にキャンパスを構える学校です。全校生徒600人程度のアットホームな環境で、アウトドアアクティビティーを楽しみたいという学生に人気があります。高学年になるとほとんどの科目が選択科目となり、メディア研究や、日本のアニメ文化について学べる科目もあり、興味に合わせて勉強できる点が魅力的です。
今回の視察では、留学中のRisaさんにお会いすることができました。ちょうど体育祭真っ最中ということで、さまざまなスポーツを楽しむ生徒たちの姿を垣間見ることができました。日本人スタッフも在籍しており、安心感があったことも印象的でした。
Risaさんの体験談 – 自分の殻を壊していく経験をもっとしていきたい
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【オークランド】Northcote College
ノースコートカレッジはオークランドで最も古い伝統と歴史ある学校の一つです。オークランド市内から公共交通機関で約15〜20分、ハーバーブリッジを渡ったノースショア市という閑静な住宅街にキャンパスを構えています。キャンパス内にはぶどうやりんご畑などもあるため、落ち着いた雰囲気のなかで学生生活を送りたい方におすすめです。
設備、特にスポーツ関連は充実度が高く、オークランドの学校にしては珍しく屋内(温水)プールがあったり、ラグビーやクリケット用の運動場があったりします。スポーツコーディネーターが在籍しており、校内で様々なスポーツができるよう学生に勧めているそうで、スポーツが盛んな学校に興味がある方におすすめだなと改めて感じました。
【オークランド】Western Springs College
ウェスタン・スプリングス・カレッジはオークランド市内から約10分、オークランド動物園のすぐ近くにキャンパスを構える学校です。学生総数は約1500名、留学生も80名以上と積極的に留学生を受け入れています。
ウェスタン・スプリングス・カレッジ最大の魅力は、留学生サポートの質の高さです。サポートスタッフは、学生たちのお母さんやお姉さんのように、1人ひとりの生徒に親身に対応しています。視察中も学生たちと積極的にコミュニケーションをとる姿や、進学、進路、日々の学習など躓くことに対して、きちんと時間を作って真剣に向き合っているのが印象的でした。
ウェスタン・スプリングス・カレッジとは長年お付き合いがあり、コロナ禍でも今回の視察でも継続的に情報交換や説明会の共同開催など交流を図ってきました。視察中も、複数の学校を視察する私に対し、きめ細かやかな配慮をいただき、感謝すると共に、この人たちになら、安心してお客様をお任せできるなと改めて感じました。
【オークランド】Avondale College
アボンデールカレッジは、オークランドでも最大規模の学校の一つで、全校生徒数は2500名以上、留学生も100名以上在籍しています。ラグビーニュージーランド代表チームのイメージと同じブラックを貴重としたキャンパスや制服がとてもスタイリッシュで、施設の充実度や制服のかわいさを重視したい学生にはとにかく一押しです。
選択科目が豊富で、特に芸術やダンス、音楽、ドラマ制作などに力を入れています。なかにはKpopダンスを学べるクラスもあり、興味を持つ学生は多いだろうなと感じました。またこのような生徒の創造性を育む科目に加え、アカデミックな分野、特に理工学系(数学、科学、IT)にも力を入れているとのことでした。
例えば、イノベーション・アカデミーと呼ばれるIT教育とデジタル市場との間に広がるギャップを埋めることを目的としたアカデミーは注目を集めているようです。イノベーション・アカデミーでは、最先端のテクノロジーを使ったエキサイティングな実社会のイノベーション・プロジェクトに取り組むことができ、様々なアプリケーションにおける専門的なIT関連の資格取得や、マイクロソフト・オフィス・スペシャリストの国内および国際レベルのコンテストへの参加のチャンスも得られるそうです。
※アボンデールカレッジのイノベーション・アカデミーについては公式ホームページをご覧ください。
【オークランド】Botany Downs Secondary College
ボタニーダウンズセカンダリーカレッジは、オークランド市内から40分ほどの距離にあり、全校生徒数1800名程度の中規模校です。
私が視察した際には留学生総数は83名、うち日本人は16名でした。ボタニーダウンズセカンダリーカレッジもアオテアカレッジと同様、「ハウス制」の導入しており、こちらは6つのハウスに分かれ、それぞれ異なる特徴を持つと共に、高学年の生徒を中心にお互いにサポートし合いながら学校生活を過ごせる環境があるようでした。もともと、バディ制度と呼ばれ、手厚い留学生サポート体制があることに加え、ハウス制があることでより一層、早いタイミングから高校生活に馴染めるように感じました。
また、Year9など早いタイミングから留学生トリップでニュージーランドのリゾートに行ける機会があることも魅力的に感じました。
【オークランド】Worldwide School of English
ワールドワイド スクール オブ イングリッシュは、オークランド中心地にキャンパスを構える創立1989年の老舗語学学校です。
コロナ禍による入国制限解除移行、順調に学生数を戻しています。コロナ禍で新しくなったオーナーは、コロナが落ち着き学生たちが戻ってきたときに、できる限り整った就学環境で学生たちを迎え入れたいと、設備をフルリノベーションしたそうです。実際にキャンパスを訪れてみて、キャンパスの明るさや開放感、清潔感あるキャンパスやカフェ、ラウンジには驚かされました。正直、オークランド市内にある語学学校の中でも一二を争うおすすめ校です。
【オークランド】NZLC
NZLCもワールドワイドと同様、オークランドで老舗語学学校の一つです。勉強面と生活面のサポートが手厚いことやコミュニケーションを重視した授業が提供されていることから、学生満足度が98%という実績があります。実際、2週間に一度、生徒に満足度調査を行い、細かい頻度でカリキュラムやサポート体制の改善に努めているとのことでした。
視察してみて改めて日本人スタッフのいる安心感を感じたこと、また多様化する留学生のニーズに応えるべく、さまざまな目的のコースが開講されている点に魅力を感じました。面白かったのはサポートスタッフの方のなかに、ネイティブなのにも関わらずコテコテの関西弁を話す方がいらっしゃったことです。見た目に反して流暢な関西弁には誰もが驚かされ、笑顔になり、場の雰囲気が一気に明るくなるのはとても好印象でした。
【オークランド】LI Auckland
Languages International Auckland、通称LI Aucklandは、オークランド中心部に位置しているものの、アルバート・パークに面していることもあり、非常に静かで落ち着いた環境のなかにある語学学校です。オークランドにキャンパスを構える語学学校の多くが、ビルの一角にキャンパスを構えていることが多いのに対し、LI Aucklandは、ヨーロッパを思わせる歴史ある建物のなかにあります。校舎に一歩入るとなかはモダンな作りになっており、日々の学習における利便性に問題はありません。比較的自立した生徒が多い印象で、中高生や大学生というより、社会人経験のある「大人」な方におすすめの印象です。
ニュージーランド留学に関するご相談
いかがでしたでしょうか。気になる都市や中学・高校や語学学校はありましたか?
ワールドアベニューでは、お客様のご希望や目的に適切にお答えすべく、提携教育機関との定期的なミーティングなどはもちろんのこと、今回のレポートにもあるように実際にその土地に出向き、視察を実施しています。一つひとつの学校についてより詳しい話を聞いてみたいという方は、留学カウンセリングをご利用ください。留学カウンセリングは無料です。初回カウンセリングはオンライン(ZOOM)にて所要時間30分程度からご利用いただけます。皆様からのお問い合わせ、ご相談を心よりお待ちしています。