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  • 海外留学体験談
  • 2014.01.18

オーストラリアの学会や癌看護のセミナーにもチャレンジした看護留学

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大学院で癌看護の勉強をする中で、以前から興味のあった海外留学へ踏み出すきっかけを掴んだ志穂さん。
オーストラリアでの様々なチャレンジは、癌の専門看護師として仕事をする”今”に繋がっているようです。

1.きっかけはワールドアベニューのパンフレット

大学病院での臨床経験5年の間にがん看護に非常に興味を持ち、がん看護専門看護師を目指すために大学院へ入学しました。在学中、研究に必要な海外文献購読のために英語力向上の必要性を強く感じました。
留学に対する興味は以前からあったものの現場で働く中、タイミングがなく、いつしか自分の中で留学を諦めていました。

大学院へ通いながら教員として看護大学に勤務していたある日、校内で学部生向けの短期看護留学のパンフレットを見つけました。このとき、以前からの留学の夢が自分の中でよみがえってきたのです。
そのパンフレットを頼りにすぐにインターネットで詳細を調べ、そこで私は日本での正看護師資格と経験を生かせるアシスタントナース有給インターンシップ(以下、看護インターンシップ)の存在を知りました。
大学院修了後、臨床に戻るか否か迷っていた矢先であったため、年齢的にも(ワーキングホリデーは年齢制限があるため)留学するなら今しかないと看護インターンシップに参加することを決めました。
ちなみに留学の夢を思い出させてくれたそのパンフレットはワールドアベニューのパンフレットでした。
ちょうど私の専攻が、がん看護であり、緩和ケアの歴史が古いオーストラリアには以前から興味を持っていたため、私にとって非常に好都合な留学先でした。

2.海外で現地の人と働くことの大変さ


私は今回、ワールドアベニューの看護インターンシッププログラムに参加し、シドニーの介護施設や病院でアシスタントナースとして、現地の方とともに、同水準で働くことができました。
このプログラムは州政府認定のCertificate3を終了後、履歴書の書き方や面接対策を受け、現地の看護派遣会社への登録後、ほぼ100%、シドニーの、しかも、介護や医療現場で働くことができるというものです。
州政府認定のCertificate3を受講するにあたって、英語力を伸ばす必要があるため、受講前に語学学校で通常の2倍の時間を使って勉強します。しかし、その頑張りがCertificateの受講や、現地での就労を可能にしてくれます。
他国から来た友達の話を聞くと、現地の人と同水準で、かつ同じ職場で働くためにはツテが必要で、そうでなければ、自ら履歴書を持って何百件もの派遣会社を回らなければならず、その困難さを感じました。

ある時であったヨーロッパ人の友人の話ですが、彼女は自国で正看護師をしており、看護師としてのキャリアは同等でした。しかし、「Certificateを取らなければならないから、もっと英語の勉強をしなければならないの。」と話していました。また、オーストラリアの職種の中でもアシスタントナースの給料は非常に高い水準にあり、他国の友達から羨ましがられることもしばしばありました。
私よりもはるかに英語のレベルが高い彼女たちでさえ、Certificateの取得や、仕事の獲得に手間取る姿を見て、改めてワールドアベニューのネットワーク力のすごさを感じるとともに、このワールドアベニューの看護インターンシッププログラムの素晴らしさを実感しました。

3.オーストラリアで参加した国際学会


アシスタントナースとして働き、オーストラリアの医療現場を知ることに加えて、私がオーストラリアでチャレンジしたかったことが、海外でのがん看護学会発表とセミナーへの参加でした。今まで国際学会興味はあったものの、なかなか機会に恵まれることがなく、日本の学会でしか発表した経験はありませんでした。
渡豪を機に現地の学会で発表したいと思い、日本を立つ前に要旨を提出、ブリスベンで開催されたCancer Nurses of Australia Winter Congress 2013にてポスター発表を行いました(左写真:セミナー時の様子)。初めての海外の学会発表に1人で参加することは不安でしたが、とても貴重な経験になりました。国際学会ではなく、オーストラリアの国内学会のため、オーストラリアの病院の正看護師ばかりで、ヨーロッパ人にはもちろん、日本人など1人もいない環境でしたが、陽気な性格のオーストラリア人は優しく話しかけてくれ、セミナー後の GALA DINNER(ガラディナー:祝宴)では他の参加者と一緒に踊るなど、日本とは少し違った学会の雰囲気を味わうこともできました。
海外の人々の豊かな感性のせいなのか、面白い構成のポスターが多くより魅力的なポスター制作スキルを向上させる必要性を感じました。

他にも、学会とは別に、現地のがん看護セミナーへの参加も経験することができました。 Ovarian Cancer Australia の市民公開講座やがん患者会のようなイベントで、卵巣がんの総論の公演後、小グループに分かれて患者さんがお互いにディスカッションをすると言うもので、患者さんそれぞれが抱える生活上の問題、ケモ・放射線への副作用の体験談、対処方法など、オーストラリアのがん患者さんの生の声を聞くことができ、世界各国がん患者の抱える悩み、生活上の問題は変わらないことを実感しました。
この経験からは日本に戻った後、がん看護専門看護師の立場で看護をしていくにあたり、ヒントをもらえた気がしました。
いずれの経験も今後、がん看護を行っていくにおいて貴重な経験となりました。

4.これからの目標


臨床における課題・目標は、看護助手・看護師の業務の細分化と明確化、マニュアルを充実すること(業務のマニュアル化は避け、あくまでも個別ケアを充実させ、ケアのレベルの水準を低下させないためのもの)、仕事を依頼しやすい職場環境への改善です。いずれも、オーストラリアの医療施設での経験をもとに必要性を感じたことです。
今回の留学期間中にオーストラリアのがん看護学会で発表することができたことをきっかけに今後も国際学会での発表や英語論文投稿を行いたいと考えています。
オーストラリアはイギリスに並び、緩和ケアにおいて古い歴史を持つ国です。今回の留学を機に新しく挑戦したいと感じたのは英語力を向上させ、オーストラリアの大学院に進学し、緩和ケアについて学びたいというものです。進学に際して高い英語力が求められるので今後、今以上に英語力向上のために努力をしていかなければならないと思っています。

留学は自分自身の視野が広がります。オーストラリアという国が移民の多い国だからなのかもしれませんが、様々な国の人と出会って、日本はなんて閉鎖的なんだろうと感じました。
また看護師としては看護観を再考するとても良い機会だと感じました。今まで行ってきた看護を外から見つめ直すと、決して否定ではなく良い面も見えてきます。そして海外の看護の良い面も知り、それを自分のものにすることができれば、よりよい看護を提供することが可能です。
私のモットー、人生1度きり、やらずに後悔するよりやって後悔するほうがマシ!何か行動を起こさないと何も始まりません。

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